7月1日、電気自動車大手の米テスラの時価総額がトヨタ自動車 <7203> を上回り、世界の自動車メーカーのトップに立ったことは記憶に新しい。同日のテスラの時価総額は2077億ドル、トヨタ自動車は2021億ドルだった。

折しも自動車業界は、次世代の自動車技術やサービスを象徴するCASE (コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)時代を迎えている。そうした中での時価総額トップ企業の変動は、何を意味しているのだろうか? 詳しく見てみよう。

CASE時代のプラットフォーマー期待

テスラ,株価
(画像= いがぐり / pixta, ZUU online)

ちなみに、テスラは2003年に米シリコンバレーに設立した比較的若い企業だ。現在は米国と中国の工場で生産しており、2019年の年間生産台数は約37万台である。一方、トヨタ自動車の2019年の生産台数は1000万台を超えており、両社には27倍の開きがある。

そんなテスラの時価総額がトヨタ自動車を抜いた背景には、前述の「CASE時代のプラットフォーマーとしての成長期待」が指摘される。CASE時代の自動車は、動力源がガソリン等のエンジンから電気モーターに代わるだけではない。すなわち、自動車はプラットフォーム化し、ソフトで制御され、アップデートを重ねることによって使い勝手がどんどん良くなる時代へ移ろうとしている。CASE時代の自動車は文字通りパソコンやスマートフォンのような商品となることが予想されている。

すでにテスラの電気自動車はソフトウェアで自動運転等の機能をアップデートできるようになっている。また、テスラは電気自動車の販売実績を積み上げる中で、膨大なデータを有しており、将来的にはソフトの販売、アップデート、メンテナンス、バッテリー供給、データの提供等のサブスクリプション型の売上にも力を入れる考えである。いわば、プラットフォーマー化で成功を収めたGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)のようなビジネスを自動車の分野で展開することが期待されている。

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