就職活動にブロックチェーン技術を活用する実証実験を大学や企業が始めていることがわかった。16日、NHKが報じた。

報道によると慶應義塾大学経済学部附属経済研究所FinTEKセンターとInstitution for a Global Society株式会社は、ブロックチェーンを用いた個人情報の管理・活用を実現するシステム開発に関する共同研究「STAR(Secure Transmission And Recording)プロジェクト」を開始する。

新入社員
(画像=月刊暗号資産)

本プロジェクトはブロックチェーン技術を使って、「学生の個人情報を、学生自身の手に戻す」をテーマとする、参加企業との3年間の実証研究を行う。

学生のデータを暗号化技術によって守り、企業が勝手に情報を持ち出せない仕組みを構築するという。

就職活動にブロックチェーン技術を利用することにあたっては、昨年、就活サイト「リクナビ」が内定辞退率を無断で販売した問題から、データの利用に敏感な学生が増加していることを受けて計画されたという。

慶應義塾大学の実証実験で、学生は企業ごとに情報を渡す範囲や期間を選べるようになるという。大学側は学生を採用する企業にも参画を呼びかけ、すでにMUFJ銀行やSOMPOホールディングス、住友生命保険の3社が決定した。年内に20社まで参画企業を拡大する計画だという。

実証実験では、学生がスマートフォンなどを通じて自分の成績やサークルなどの学内実績などを入力し、企業側がこうした情報を閲覧するシステムを作る。

学生のデータはネット上に分散して保管され、ブロックチェーンの持つデータを追跡できる機能と暗号技術などを組み合わせ、学生自身が情報を開示する相手先の企業や、開示する情報の範囲などを選ぶことができるようにするという。

今後、12月から5,000人の学生に情報の入力を始めてもらい、参加する大学や企業を増やす計画だ。(提供:月刊暗号資産