お買い物をする時に、「10%ポイント還元」の場合もあれば、「10%割引」が受けられることもあります。あなたならどちらがお得と感じますか?「同じじゃないの?」と思われたかもしれませんが、実は同じ「10%」でもお得度には違いがあります。

ポイント還元はより日本で身近なものに

ポイント還元,基礎知識
(画像=PIXTA)

購入金額などに応じてポイントを還元する仕組みは、最近になって始まったものではありません。ただ国が「キャッシュレス・ポイント還元事業」を導入したこともあり、より広く浸透してきています。QRコード決済サービスを提供する各社が、大型キャンペーンを実施したことも追い風となりました。

ポイント還元では「5%還元」「10%還元」というように、「◯◯%還元」という形でキャンペーン内容が紹介されるのが一般的ですが、しかし仮に「10%還元」と書かれていてもそれがイコール「10%割引」になりません。

「還元」も「割引」もお得に買い物できることに間違いはないのですが、実は似て非なるものなのです。どう違うのか整理してみましょう。

「◯◯%還元」の実質割引率と「◯◯%割引」を比較

「10%還元」の実質割引率と「10%割引」を比較してみます。

10%還元の場合、例えば1,000円の買い物をすると100ポイントが付与されます。例えばその100ポイントを使って100円の商品を購入すると、実質的には1,100円分の商品を1,000円で購入できたことになります。

実際にこの例を割引率にあてはめると、以下のように計算されます。

<10%還元の場合の実質割引率>
100円÷1,100円×100=約9.1%(小数点第2位以下は四捨五入、以下同)

この計算で算出された「約9.1%」という数字が「10%還元」の実質割引率となり、「10%割引」よりお得度が約0.9ポイント低いことが分かります。

もし1,000円の商品を「20%還元」で買った場合は、実質的には1,200円分の商品を1,000円で購入できたことから、以下のように実質割引率が約16.7%と計算され、「20%割引」との差は約3.3ポイントとさらに大きくなります。加えて、ポイント還元率が30%の場合、40%の場合は、それぞれ「300円÷1,300円×100=約23.0%、7ポイント差」、「400円÷1,400円×100=約28.6%、11.4ポイント差」となります。

ただポイント還元にはメリットも

このように同じパーセンテージでの「還元」と「割引」では、「還元」のほうがお得度は小さくなりますが、割引のほうがいつも必ずお得になるというわけではありません。そもそも「ポイント還元か割引か」を選べないこともあるでしょう。例えば、定価販売しかしていない店がポイント還元だけは導入していることもあります。ポイント還元をうまく利用すれば、お得に買い物できるシーンが実際に多いことも確かです。

また、最近では貯まったポイントで投資ができるサービスもあります。ポイント投資には、投資の結果、ポイント自体が増減するタイプと、ポイントを株式投資などの費用にあてられるタイプがあります。投資や運用にあまりなじみがなかった人の中にも、このサービスを知って投資を体験してみようかと考えたことのある人もいるでしょう。「ポイントをもらったけど使いみちがない」という人にも嬉しいサービスで、これから今以上に充実していくと考えられます。

これらは単なる価格の「割引」にはない特徴であり、「ポイント還元」を利用するメリットとも言えます。

割引とポイント還元、賢く使い分けを

「還元」と「割引」の違いを知れば、実質的なお得度が分かります。同じ条件なら割引のほうが実質的にはお得になるようですが、ポイント還元にも割引にはないメリット・魅力があります。次に買い物する時、こうした視点を持って割引率や還元率の数字をながめ、計算してみるといいでしょう。またせっかくポイントをもらうなら、この機会に賢い使い方を考えてみると買い物が少し楽しくなるかもしれません。(提供=auじぶん銀行)

執筆者:株式会社ZUU

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