新たな暗号資産の形として「分散型金融(DeFi)」が投資家の注目を集めている。なかでも7月18日に取引が開始された「yearn.finance(YFI)」の価格上昇率に注目が集まっている。
7月18日の取引開始時の1YFI価格が約3,400円であったが、8月20日現在、1YFI 価格は137万7,000円であり、1BTC価格の124万3,000円を抜いて上昇を続けている(CoinMarketCap参照)。
この1か月で、YFI価格は実に400倍にまで暴騰し、取引開始からわずか1ヶ月で1通貨単位あたりの市場価格がビットコインを超えた。これは、異例のことである。
YFIは発行上限が3万YFIとビットコインの2100万BTCと比較すると700分の1である。すでに29,961YFIが発行済みであるが、コインマーケットキャップの時価総額のランキングで44位である。
DeFiとはパブリックブロックチェーン上に構築された金融サービスの総称である。
YFIはDeFiプラットフォームyearn.financeのガバナンスコインであり、同プラットフォームのプロトコルの管理はYFIの所有者が持つことになっている。
したがって、中央集権的な管理者は存在しない。
実際にYFIの開発者のAndre Cronje氏は7月に自らプロトコルの管理すべてをYFI所有者に移し、管理の権限を完全に放棄している。
DeFiは、暗号資産の預け入れをはじめ様々な金融サービスが展開されると言われ、将来性のある新しい暗号資産投資のカテゴリーとして注目されている。
今回のYFIの高騰原因としてはDeFiの将来性以外にも、他のアルトコインと異なり、取引開始前にプレセールやマイニングが行われず公平性が保たれていたことが挙げられている。
さらに、8月17日にYFIのプラットフォームはユーザーの資金を保護する目的で、トークン化される保険プラットフォーム「yInsure Finance」を発表した。
現在、yearn.financeにロックされている資金の総価値が6億ドルを超えている規模であるため、保険の提供は多くのユーザーから求められていた。
開発者Cronje氏は「yInsure Finance」について、「今後、新たなトークン化された保険を系統的にリリースする」と説明している。(提供:月刊暗号資産)