「男性は投資好きだけれども、女性は投資が嫌い」といったことを聞いたことはありませんか。個人差はあるものの実際、投資をしている人は女性よりも男性の方が多いという調査結果は出ています。

その一方で、ポイント投資だったり積立投資信託であったりと、初心者でも投資を始めやすいような金融商品は増え、以前にも増して投資を始める女性は増えている、とのレポートも。

「女性は投資が嫌い」という話を聞いたことがあるのに、なぜ女性の間で投資を始める人が増えたのでしょうか。この記事ではその理由について考察してみました。

女性の投資嫌いは本当?投資家比率は男性に比べると女性は低い

女性,投資,嫌い
(画像=west_photo /stock.adobe.com)

フィデリティ退職・投資教育研究所のレポートを見ると、回答者に占める投資家の比率は男性が40.1%、女性が23.5%と低くなっています。

投資をしない理由を見ると、「資金が減るのが嫌」「まとまった資金がない」という理由は男女ほぼ同じ比率であるのに対し、「色々勉強してから」「何をすれば良いのか不明」といった理由は女性のほうが高くなっています。なるべくリスクを回避しようとする考えは女性のほうが強いといえるでしょう。

ただ、このレポートでは、性別の差ではなく年収の差が投資家の割合に影響している可能性がある、とも指摘されています。今後、男女の賃金格差が少なくなっていくことで、投資家の割合も女性、男性でほとんど変わらなくなるかもしれませんね。

2019年は20代女性投資家の41%が投資に挑戦!

スパークス・アセット・マネジメント株式会社調べによると、現役投資家(790名)のうち、2019年に投資デビューをした人は14.4%となり、そのうちもっとも割合が高いのは20代女性で41.2%にものぼっています。リスクは避けながらも、将来の不安感から投資を始めたり、積立投資への認知が広まったりしたことが原因だと考えられるでしょう。

ここでは、実際に楽しみながら投資に奮闘している女性投資家のブログを3つご紹介していきましょう。

女性投資家のブログ

1)かりんの株レポ
https://kabukarin.net/

かりんの株レポブログのかりんさんは、都内の某クラブのホステスさん。ブログでは短期~中期のスイングトレーダーとしての株奮闘記を綴っています。巣ごもり関連株やテレワーク関連株などがカテゴライズされているので、読み応えがありますよ。

2)24歳丸の内OL 投資でゆるふわ資産形成
https://investment-ol.com/

24歳の丸の内OLさんは将来、年金が減額されることに危機感を覚え投資を始めたそう。投資歴は浅いとはいいつつ、配当金はすでに生活費の足しにできているといいます。貯金額5,000万円を目指して投資で奮闘する日々を綴っています。

3)ワーママのほったらかし投資
https://wa-mamatoushi.com/

ワーママのほったらかし投資は、フルタイムで働くママさんが趣味で始めた株取引の記録として始めたそうです。現在は株取引の記録と同時に家計管理やワーママさんらしい日常生活の記録も綴っています。

手軽にできる「ポイント投資」の利用は昨年から上昇している

投資を始めたいけれど、何をすればいいのか分からないという人は、現金を用意する必要がなく手軽に始められるポイント投資を身近に感じているようです。

ポイント投資をしている人は2019年から8.6ポイント上昇し、特に20代では2018年33.5%だったものが、2019年には43.5%に、30代では2018年20.5%だったものが2019年には36.0%となっています。

先にご紹介したブログの女性投資家のように、すぐには配当金を生活費に充てられなくても、ポイント投資は貯金から投資へと意識が変わるキッカケになるのではないでしょうか。

投資が嫌いな女性でも資産運用を始めるべき理由

投資を始めている方が徐々に増えてきたことがわかりましたが、なぜ、投資が嫌いな女性でも資産運用を始めた方がいいのでしょうか。またなぜ、投資を始めている女性が増えているのでしょうか。その理由について解説します。

銀行に預けてもお金はほぼ増えない

メガバンクの普通預金金利は0.001%、定期預金でも0.002%ですので銀行にお金を預けていても増えることはほぼありません。金利がメガバンクよりまだマシといわれているネットバンクの定期預金でさえ0.02%止まりです。100万円を1年間ネット銀行の定期預金に預けていても利息はたったの200円にしかならないのです。

年金だけでは安心して生活できない

老後資金2,000万円不足問題を発端に、老後資金の不足に対する不安を感じる方が増えています。

女性の厚生年金の平均受給額は約10万2,000円です。60歳以上の単身無職世帯の1ヵ月の支出は平均約15万円ですので、月額約4万8,000円も不足することになります。年金は今後も厳しい状況が続くと考えられていますので、老後に備えてお金を積み上げていくことが大切です。

一生独身かもしれない

結婚に結びつくような出会いがなかったり、さまざまな事情があったりすると生涯独身でいるかもしれません。その場合は病気やケガへの備えはもちろん、老後資金を自分ひとりで積み立てていかなければなりません。

このように、投資が嫌いであっても将来の不安を解消するには投資でお金を増やしていくことがとても重要なのです。

投資を始める前にまずやるべきこと

投資の大切さが分かっても、目標もなく、なんとなく始めてしまうと挫折してしまうことがあります。そこで投資を始める前にまずやっておきたいことを3つ確認しておきましょう。

何歳までにいくら貯めるか目標を立てる

現在の年齢から目標とする年齢までの期間を計算し、何歳までにいくら貯めたいのか目標金額を決めましょう。そうすれば、毎月いくら、ボーナス時にいくら貯めればいいのかが明確になります。

たとえば現在30歳の女性が50歳までに1,000万円貯めたいとした場合、月に約4万2,000円貯めていかなければなりません。

20年ものあいだ、毎月4万2,000円を貯められないと思う人はボーナスから補填するか、投資をおこなって運用していく必要があるでしょう。

支出を減らす

収入が一定の会社員であれば、支出を減らすことで月々の貯蓄に回せるお金が増えるはずです。

たとえば、毎月必要だと思っていたヨガスタジオやジムの会費は本当に必要でしょうか。ストレス発散も兼ねて有意義な利用ができているのならムダとはいえませんが、月に数回しか利用していないのなら思い切ってやめてしまいましょう。仮に月額8,000円かかっていたジムの会費をやめると、20年では192万円にもなります。やめたり方法を変えたりしても支障のない支出はドンドン減らしていきましょう。

コツコツと毎月積み立てる

ムダな支出を減らしたあとは、目標に向かって毎月コツコツと積み立てていくのみです。先ほどの例にあげたように、20年間で1,000万円を貯めたいのなら、毎月4万2,000円を積み立てていく必要がありますが、仮に年率4%で運用できれば、毎月の積立額は2万7,265円で済みます。

また、毎月4万2,000円を年率4%で運用できるなら、1,000万円の目標額までの積立期間は約6年も短縮されて14年8ヵ月になります。

投資を敬遠してきた女性も、目標を立ててコツコツ積み立てることや資産を運用することの大切さを実感できるのではないでしょうか。

投資が嫌いな女性でも始めやすい投資商品3選

投資が嫌い、またはちょっと投資に興味をもっている女性でも始めやすい投資商品を3つご紹介していきましょう。

ポイント投資

ポイント投資は、文字通りたまったポイントを利用して株などを購入できる投資サービスです。ポイントを投資してポイントを増やす「ポイント運用型」と、ポイントをいったん現金化してその資金で株や投資信託を購入する「ポイント投資型」の2つがあります。いずれも現金を必要としないため気軽に始められます。

おつり投資

おつり投資は、クレジットカードで買い物をした際に、あらかじめ設定しておいた端数を自動的に投資へと回してくれるアプリです。わざわざ投資用に現金を用意する必要がなく、買い物した端数を投資へと回すため、いつのまにかまとまった資金になっていたということもあります。

積立投資信託

積立投資信託は、運用のプロが投資家から集めたお金をまとめて株式や債券に投資・運用する金融商品です。100円という無理のない金額から始められるので、お財布の負担が少ないのも特徴です。また、運用はプロにおまかせできるため、忙しい人でも始めやすく初心者に適した投資方法だといえるでしょう。

ライフプランを立てて投資を成功させよう

ただ単に投資が嫌いというだけで敬遠していては将来の不安を抱えたまま……という可能性があります。確実にお金を貯める、将来の不安をなくすにはライフプランを立てて着実にコツコツ積み上げることが大切です。

文・ことりえ
所属・ファイナンシャルプランナー
奈良県在住のフリーライター。長年生命保険の営業に従事した後、ライターとして独立。会計・税務・保険の記事を中心に執筆活動をしています。FP資格保有。

fuelle

【こちらの記事もおすすめ fuelle】
せこくない、苦しくない、続く「節約術」まとめ
これで10%オフ!デパコスのオトクな買い方3選
免税店でさらにお得に買い物する3つの裏ワザ
イオン系列の株主優待「徹底活用術」生活費を浮かせる3つのポイント
えっ、知らないの?ヨーロッパでオトクに買い物できる「デタックス」活用法