SBIホールディングスの北尾吉孝社長は、ブロックチェーン技術を基盤とするデジタル証券向けの取引所を大阪・神戸地区に設立すると明らかにした。 3日、日本経済新聞が報道した。

報道によると、北尾社長は大阪・神戸地区を中心とした次世代金融のハブとなる「国際金融センター」の構想を進め、デジタル証券取引所の設立のほか、フィンテック企業の誘致にも取り組む方針だ。

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(画像=月刊暗号資産)

北尾社長は、アジアの金融ハブであった香港において7月、「香港国家安全維持法」が施行されたことを踏まえ、「日本の都市が国際金融センターの地位を獲得する最後のチャンス」と述べた。

また北尾社長は「国際金融都市の地位は東京都も目指しているが東京に一極集中するだけではリスク」と指摘した。

北尾社長は、8月上旬に大阪府の吉村洋文知事と面会したことを明かし、吉村知事は金融都市構想に「大賛成だ」と回答したと言う。

さらに、吉村知事は金融都市構想実現に向け、住環境の整備でも協力する意向も示したとのことだ。

これを受け、北尾社長も「(海外から受け入れた金融人材が通う)インターナショナルスクールの増設が必要」と指摘した。

日本経済新聞の報道によると、北尾社長は日本政府にも働きかけ、大阪・神戸の国家戦略特区において税制の見直しや、複雑なビザ取得の手続きの簡素化を要望している。

8月下旬には菅義偉官房長官と会い、構想を説明したことも明かした。

北尾社長は国内外のフィンテック企業に積極的に投資している。今後、出資する際は「大阪、神戸に日本拠点を置くことを条件にする」と語った。

ただ、SBIが大阪・神戸地区に多くのフィンテック企業を集め、協業を進めるのは容易なことではない。国家戦略特区にしても、各種税率を香港やシンガポールまで引き下げられるかは不透明だ。

金融庁は先月31日に発表した金融行政方針において、アジアで「国際金融機能の確立を目指す」と発表した。SBIにとって政府や自治体、フィンテック企業といかに連携できるかが今後の課題だ。(提供:月刊暗号資産