イーサリアムの1日あたりのマイニング収益が9月1日、過去最高の約1700万ドル(約18億円)に達したことが明らかになった。2日、海外暗号資産メディア・THE BLOCKが報道した。
この数字は、2017年12月〜2018年1月にかけて記録したイーサリアムのマイニング収益の最高額の3.7倍となっている。
THE BLOCKの報道によると、9月1日のビットコインのマイナーの収益は約150万ドルであった。しかし、これはイーサリアムのマイニング収益のわずか9%に過ぎない。
暗号資産(仮想通貨)バブルに沸いた2017年のビットコインにおけるマイニング収益の最高額が2140万ドルだったことを考えると、イーサリアムのマイニング収益が高騰していることがうかがえる。
高騰の背景には、イーサリアムのブロックチェーンが多く使用されているDeFi(分散型金融)市場の台頭がある。
先月30日、分散型取引所「Uniswap」の24時間の取引量4.4億ドル(約464億円)を超え、米大手取引所「Coinbase」を約20%上回ったことも話題になった。
The BlockリサーチディレクターであるLarry Cermak氏によると、イーサリアムのマイニング収益が急増し、イーサリアム関連のマイニングチップメーカーも恩恵を受ける可能性があると語った。
しかし、イーサリアムの高騰で、イーサリアムのユーザーや暗号資産取引所は、問題を抱えている。
1日には、イーサリアムの1回あたりの平均取引手数料が13ドルを超えたと言う。
これについて世界有数の暗号資産取引所「Binance」のCEO、CZ氏は「イーサリアムネットワークのガス料金(手数料)が高いため、ほとんどの取引所で問題が発生し、引き出しごとに10〜20ドルの損失が発生しています。遅かれ早かれ、出金手数料を調整する必要があります」と2日に自身のTwitterで述べた。
今後、イーサリアムネットワークの混雑と、手数料高騰を解決するソリューションは、年内に予定されている「Ethereum 2.0」に搭載されることになっている。
ただ、Ethereum 2.0へのアップグレードは、これまで何度も延期されており、予想よりも時間がかかる可能性がある(提供:月刊暗号資産)