スイスのツーク州が、来年からビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)での納税を受け入れることが明らかになった。3日、ツーク州が発表した。
ツーク州によると、州による暗号資産(仮想通貨)納税の受付はスイス初だという。
2021年2月から企業や個人は最大10万スイスフラン(約1,170万円)までをこの2つの暗号資産で納税することができるようになるようだ。
ツーク州の財務省は、大手暗号資産ブローカーのBitcoin Suisseと協力したことで今回の取り組みが実現したと説明した。スイスの暗号資産取引所を通じて、ユーザーのビットコインとイーサリアムの納税額をスイスフランに変換するという。
財務部長のHeinz Tannler(ハインツ・タンラー)氏は、「クリプトバレーの本拠地として、日常生活で暗号資産を使えるよう促進し、簡素化させることが重要だ」と語った。併せて、「このビットコインやイーサリアムによる納税においても、スイスフランで受け取ることと同様、リスクは一切ない」とコメントしている。
今後数週間のうちに暗号資産での納税を試験的に開始する予定だとし、希望する人は税務署に連絡すると支払いに必要なQRコードが電子メールで送られてくるという。
同州の州都であるツーク市は、2016年からBitcoin Suisse経由でビットコインでの納税を受付開始。また、同国のツェルマット市とキアッソ市も、ビットコインでの納税を受け付けている。
スイスはブロックチェーン産業に積極的な国だ。特にその心臓部であるツーク市は、ブロックチェーン産業に盛んな地域として「クリプトバレー」と呼ばれている。
実際に、暗号資産を利用できるサービスも拡大している。
先月末にはスイス最大級のeコマースサイト「Galaxus」がステーブルコインの導入計画を発表した。
このステーブルコインはスイスの法定通貨であるスイスフラン(CHF)と1対1でペグされたデジタルスイスフラン(DCHF)を使用するという。
一部の先進企業だけではなく、国全体がブロックチェーン・暗号資産の普及を後押ししており、同国では、「暗号資産を利用できる場」が急増しているようだ。(提供:月刊暗号資産)