経済産業省が一般社団法人環境共創イニシアチブを通し公募している事業「地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業」において、京セラ株式会社、株式会社A.L.I. Technologies、株式会社REXEVの3社が採択された。9日、小田原市などが発表した。
この事業は、神奈川県小田原市と湘南電力株式会社などとコンソーシアムを立ち上げ推進していく取り組みで、持続可能な地域社会の構築に向け、太陽光発電を最大限に活用した地域マイクログリッド構築を目指すものだ。
具体的には、小田原市内の一般家庭に設置された太陽光発電の余剰電力を大型蓄電池やEVに供給するとのこと。
発表分によると、REM (Region Energy Management:地産地消のエネルギーモデル)により発電・需要・余剰の運用を一元的に行い、ブロックチェーンによる地域の再エネ共有モデル構築を目指すとしている。
地域マイクログリッド構築事業イメージ
電力取引市場において、ブロックチェーン技術への取り組みは非常に注目されており、日本においても2017年から何度も実証実験が行われている。
発電量や電力消費量などの情報が改ざんできない点や、価値証明となるトークン取引などを組み合わせることで取引を簡略化できる可能性がある点などが検討されている。
本事業においてブロックチェーンは、再生可能エネルギーの共有モデルを構築する目的や、スマートメーターのブロックチェーンノード化によるデータの利活用に採用される予定で、A.L.I. Technologiesが担当する。
またコンソーシアム全体の取りまとめや太陽光パネル・蓄電池の導入や運用などは京セラが、EVによる調整力機能の提供やそれを支える基盤の構築はREXEV、地域内への電力供給や管理・調整は湘南電力、取り組みなどの発信は小田原市が担当するなど、それぞれが明確に役割を分けて進めていく体制が取られている。
本事業は2020年9月から2022年2月までの間で行われる。
再生可能エネルギーの導入拡大に必要な仕組みを構築するとともに、今後も官民連携を図りながら持続可能な地域社会の実現に取り組むと、小田原市は述べている。(提供:月刊暗号資産)