昨日の日経平均は前日の米株の暴落を受けて1.0%の下げ、TOPIXも1.0%の下げとなりました。上海/深セン株は2.3%の下げ、香港は0.6%の下げでした。再ロックダウンしていたオーストラリアのビクトリア州の消費者信頼感指数が爆上げしたにもかかわらずオーストラリア株は原油価格が下がったことを嫌気して2.2%もの下げとなりました。ニュージーランドも1.3%のマイナスで引けています。

その後欧州時間に入って米株が時間外取引で戻していることからドイツDAXは2.1%プラス、フランスCACは1.4%プラス、英国FTSEも1.4%プラスで引けています。スペインIBEXは1.0%のプラス、スイスは1.5%プラスでした。米国株は3日ぶりの反発で米国ダウは1.6%、S&Pは2.0%、ナスダックは2.7%と大きく上昇しました。カナダは1.8%プラスでした。最近急落していたソフトバンクGやテスラ株はかなり反発しています。アストラゼネカ社がコロナワクチンの治験を一時中断するという発表を行いましたが市場の反応はありませんでした。

金銀は若干上げて終了しています。金については中長期的なダウントレンドが始まったと考えています。ただし、すでに4週間も売りのフォローが限定的で急落した8/12の安値1874ドルをトライもしていませんので、もう一度高値を更新する可能性はまだ残っています。10年長期金利は若干上昇しました。長期債利回りの上昇トレンドに変化はありません。原油価格は株価の反騰とともに3%強上昇しましたが、中長期的には下げトレンドに入っているように見えます。

為替については、昨日ドルインデックスはニューヨーク時間直前まで上昇していましたが、その後急反転しました。それを受けてユーロ、ポンド、オセアニア通貨、カナダドル、スイスフラン等のドルストは急反騰しています。ドルインデックスの昨晩の反落が本物かどうかの鍵を握るのは本日のECB理事会かもしれません。ユーロは経済見通しが良好になってきているので、1兆3500億ユーロのPEPP(パンデミック緊急購入プログラム)以外の追加緩和策は打ち出されないと考えられることから、ラガルド総裁からのネガティブ発言は出ないと思われます。とするとドルインデックスが上がる可能性は低いと思います。

ドルインデックスのテクニカルに重要なポイントは8/12につけた93.99です。他の要因でこれを超えるようなことになると、しばらくドルの上昇も考えられます。ドルストは急落となるでしょう。 そうなった場合ドル円は株価が安定すれば上昇していくことになりそうです。クロス円も底が固くなるかもしれません。ドル円のみドルインデックスとあまり相関なく動いているからです。むしろ株価が上昇するリスクオン相場では円は売られ、株価が下がるリスクオフ相場では円が買われるという影響が色濃く出ているようです。

ポンドに関しては、英国が北アイルランドとの国境を作らないとの新たな法案を通そうとしていて合意なきBREXITが現実的になるかもしれません。ドル円のみドルインデックスとあまり相関なく動いています。むしろ株価が上昇するリスクオン相場では円は売られ、株価が下がるリスクオフ相場では円が買われるという影響が色濃く出ているようです。(提供:Investing.comより)

著者:杉田 勝