不思議なことにナスダックが急落していたのに日本の株は買われていました。昨日も例外ではありません。日本の鉱工業生産が良かったことと菅総裁の選出が好感されて円高と株高が進みました。日経平均は0.7%のプラス、TOPIXは0.9%のプラスとなりました。上海/深セン株は0.5%のプラス、香港は0.6%のプラスで引けています。オーストラリア株は0.7%の上昇、ニュージーランドは0.4%のプラスで引けています。
ヨーロッパ株は方向感なくまちまちな動きで終了しています。ドイツDAXは-0.1%、フランスCACは0.4%プラス、英国FTSEは-0.1%のプラス、スペインIBEXは+0.18%マイナス、スイスは+0.2%プラスで引けました。米国株はファイザーのワクチン供給が年内にも行われるという報道に加えNVIDEAによるARM買収、オラクルによる米国TIKTOK事業の提携等々M&A絡みの話を好感して3指数とも大きく上昇しています。ダウが1.2%プラス、S&Pは1.3%プラス、ナスダックは1.9%プラスでした。カナダは0.9%のプラスでした。ソフトバンクGが巨大なコールオプションを購入していたことに端を発した(という噂で)ナスダックの下げは終了したのでしょうか?
金銀は反騰しています。金については中長期的なダウントレンドが6週間前に始まったと考えていますが、テクニカルには50日移動平均がサポートとになっており、8/12の急落後の売りのフォローも限定的で、8/12の安値1874ドルをトライもしていませんので、もう一度高値を更新する可能性はまだ残っています。10年長期金利は0.674%から0.671%まで少し下がりました。10年金利は中長期的には上昇トレンドに入っていると考えられます。原油価格は変化ありませんでしたが、中長期的にはダウントレンドに入っているようです。先ほど発表されたOPEC月報によると今年の世界の原油需要は70万バレル減であると報告しています。
為替については、ドルインデックスが急落したためにドル円は106円前半から105円ミドルまで急落しています。ドルスト通貨も強く推移していますが、クロス円は弱くなっています。ドルインデックスは中長期的には売り圧力がかりそうですが、短期的には上昇もあり得ます。その場合はドルストは下がります。ナスダック株が昨日は久しぶりに戻していますが、再びハイテク株が騰勢を増せば、日経などの株も上昇し、ドル円の反発となるかもしれません。
今週は米国、英国、日本の中央銀行による政策発表が予定されています。明日のFOMCについては先月のジャクソンホールでのインフレ政策見直し以上の緩和策なければドルが底堅く推移する可能性もあります。(提供:Investing.comより)
著者:杉田 勝