米国不動産トークン市場においては分散型取引所であるUniswapを活用した取引が行われており、インフラストラクチャの整備によって市場の拡大が見込まれています。

米国ではSEC登録免除規定であるRegulationに準拠してSTOが実施されるため、その多くは適格投資家向けに販売されます。

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(画像=STOnlineより)

このことがSTO市場の発展を遅らせている1つの理由であるとも考えられ、適格投資家基準の緩和への取り組みなどが行われています。

2019年から今年にかけてはSTOに対応した法規制(Regulation)が明確であった事から急速な発展を遂げた米国STO市場ですが、今後は投資家の参入をどのように呼び込むかが課題であると言えます。

その他の国々では引き続き、証券/不動産のデジタル化に対応した法律の整備やイノベーションの推進に向けた規制の緩和が重要なフェーズになると考えられ、トークン化による不動産情報の透明性向上など様々なメリットを享受できる市場環境の整備が期待されます。

目次

  1. 不動産トークン市場の現状
  2. 不動産投資ファンドトークンの可能性
  3. 日本における不動産トークン市場について

不動産トークン市場の現状

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STO市場全体の時価総額は$554,877,747.23(10月12日17時 時点)となっており、ここ数ヶ月は安定した取引高を記録しています。

不動産トークンの代表的な銘柄としては、「AspenCoin (St. Regis) Token:ASPD」、「16200 Fullerton Ave Token:RealT」があり、不動産市場においてもセカンダリーマーケットの形成が着実に進行していることがわかります。

一方で、現在主流となっている不動産の所有権を担保にしたトークンに関して、セカンダリーマーケットにおいては資産の価値とリスクを判断することが難しく、単一不動産の場合は供給量が少ないために流動性が生まれにくいといった課題も存在しています。

従来の不動産投資は高利回りのインカムゲイン型の投資商品として普及し、投資家は投資元本の回収期間中は権利を保有していることが一般的でした。

そのような投資商品としての特徴があるため株式市場と比較するとスケーラブルなビジネスモデルの構築は難しいと言えますが、一般投資家も参加できるセカンダリーマーケットが小規模であれ創出されることで不動産市場のさらなる発展が期待されています。

不動産投資ファンドトークンの可能性

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不動産投資ファンドは、複数の不動産を購入してポートフォリオとして保有/管理し、定期的に投資家に配当を分配するビジネスモデルであることからその株式や収益配当権をトークン化し、資金調達を行うことでさらなる事業拡大(不動産購入)が実現できます。

不動産投資ファンドトークンは、セカンダリーマーケットにおいては資産の価値とリスクを判断することが難しいといった不動産トークン市場の課題解決に向けても有効であると考えられ、ファンドマネージャーが投資する不動産のポートフォリオからの収益分配によって、より安定的な市場の形成を実現することが期待されます。

安定的な利回りの不動産商品が流通することで、市場への積極的な投資家の参画が見込まれ、不動産投資ファンドにとってもトークン化によって、プライマリーマーケットにおいてより多くの投資家から効率的な資金の調達が見込まれます。

従来の産業構造の効率が向上することで、市場の流動性を提供するプレイヤーの参画など、様々なメリットがもたらされるとも想定され、最近では米国セキュリティトークン発行プラットフォームを運営する「Vertalo」と商業用不動産ファンド「REI Capital Growth」が協業。

PCV・インターバルファンド形式の不動産ファンドSTOである「$50 million Equity STO for Growth」、実質利回り4.00%の「$50 million Debt STO for Income」といった2つのプロジェクトを予定しており、不動産投資ファンドトークンの普及が米国では始まっています。

日本における不動産トークン市場について

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日本においても不動産特別事業者法の施行によって不動産の小口化への取り組みが行われており、最近では株式会社LIFULLとSecuritize Japan株式会社が不特法事業者向けにセキュリティトークン発行/スキーム提供を発表するなど不動産STO市場の形成が進行。

不動産ファンド(第一種金融商品取引業者)による匿名組合出資持分のセキュリティトークン化や不動産特定共同事業法を活用したスキームの提供など、今後も多くの取り組みによるSTO市場の多様化が期待されています。

ブロックチェーン技術を活用し、これまで紙や手作業で行われていたバックオフィス業務の効率化に関する取り組みも行われ、不動産市場全体のデジタル化にも注目が集まります。

AIを活用した賃貸住宅価格の自動算出やブロックチェーン技術を活用した不動産情報管理・共有の効率化など、最新技術を活用したデジタル化への取り組みは不動産市場に新たな革新をもたらすことでしょう。(提供:STOnline