最近になって多くの人の働き方に変化が見られ、副業を認める企業が増えてきました。そのため、副業を始めたいと考えているサラリーマンの方も多いかもしれません。サラリーマンなどが副業を検討する際、どのような視点でその仕事を選べばいいのでしょうか。まずはストックビジネスなのか、それともフロービジネスなのかというところから考えてみることも重要かもしれません。
目次
ストックビジネスとは?
サラリーマンの給与を補ってくれるのがストックビジネス
副業としてのストックビジネス例
サラリーマンの副業にはストックビジネスが合っている
ストックビジネスとは?
ストックビジネスとは、継続的に利益を上げていくビジネスモデルのことを言います。最初に契約締結や会員の確保をすることによって、そこから定期的に売り上げを上げていく仕組みです。
たとえば、プリンターを販売して、その後メンテナンスやインクの交換を請け負うようなビジネスがそれに当たります。あるいは、塾やスポーツクラブなどの会員性ビジネスや、最近話題のサブスクリプションもストックビジネスのひとつです。
ストックビジネスの対比となるのが、フロービジネスです。フロービジネスとは、単発の取引を繰り返して利益を上げるビジネスモデルです。スーパーやレストランなどの販売が代表例でしょう。
また、サラリーマンの給与もフロービジネスと言えます。サラリーマンが仕事を通じて経験やノウハウを蓄え、さらに大きな業務をこなしていく側面はストック的と言えるかもしれません。しかし原則として給与は勤務をしないと支給はされません。
サラリーマンの給与を補ってくれるのがストックビジネス
ストックとは、「蓄え」という意味です。一方、フローは「流れ」です。ストックビジネスでは、契約や会員などが積みあがっていくまでは、なかなか大きな収益が生まれません。しかし、それらが蓄えられていくにつれ、売上は増えるとともに安定し、先々の数字も読みやすくなります。小売店などのフロービジネスでは、流れが強い時には大きな売り上げも期待できますが、景気や気候などによって大きく変動しがちです。
本当にやりたいことがあるなら、フロービジネスでもよいでしょう。ただサラリーマンなどの場合、本業に多くの時間が割かれることになりがちです。そこにさらにフロービジネスの副業を持つのは、肉体的にもきついかもしれません。
一方、ストックビジネスには、比較的自分の都合に合わせた時間帯や、時間量でできる仕事が多くあります。ストックビジネスの欠点は、当初はなかなか収益が上がりにくく、また、初期費用が回収できずに損失を被るリスクもあることです。しかし、サラリーマンには給与という収入がすでにあります。これがストックビジネスの欠点を少なからず補ってくれると考えられます。
副業としてのストックビジネス例
ストックビジネスがサラリーマンの給与を補ってくれると説明しましたが、具体的にどのようなストックビジネスがあるのでしょうか。以下に、いくつか例を挙げてみたいと思います。
副業としてのストックビジネス例1:株式運用
株式を保有し、配当で利益を上げていく手法です。ただし、値上がりを見込んで株の売買を繰り返す手法はフロービジネスであり、ストックビジネスとは異なります。
さほど時間を取られないのが利点ですが、大きな収益を狙うなら、それなりの原資が必要となるのが難点です。参考までに2020年9月14日現在、東証1部上場銘柄の平均配当利回りの前期基準は1.97%です。また、株式には当然価格が下落するというリスクもあります。
ストックビジネスにおける株式運用は長期保有が基本とはいえ、その企業の倒産や減配などといったリスクは当然避けなければいけません。そのため株式運用は、経済や国際政治などに興味があり、企業情報などにも常にアンテナをはれる人に向いていると言えます。
副業としてのストックビジネス例2:不動産賃貸業
マンションや倉庫、駐車場などを賃貸に出し、その賃料で収益を上げます。
通常、不動産の賃貸では契約が更新されることが多く、安定した収益が見込めます。管理などを専門の会社に委託すれば、大きな手間も労力もかかりません。
一方の難点としては、やはり初期費用が大きいことです。また、物件の目利きができることも必要となります。空室率が高いアパートなどを持っていれば、管理費用や修繕費用などで損失がどんどん増えるリスクもあります。
さらに不動産は株式とは違って、売却が簡単にできないことにも注意が必要です。不動産賃貸業は、不動産投資についてよく勉強して、適当な不動産を選別できる目を持ち、できるだけ大きなローンを組む必要がなく物件を購入できる人に向いていると言えます。
副業としてのストックビジネス例3:太陽光投資
太陽光投資では、太陽光電池パネルを使って発電した電力を電力会社に売却することによって、収益を上げます。太陽光投資用の土地を保有していなくても、土地付き太陽光電池パネルも多く販売されています。
太陽光投資の魅力は、「固定価格買取制度(以下、FIT制度)」という国の支援制度によって、利回りが安定しているという点です。
FIT制度とは、住宅用の太陽光発電で作られた電力を、電力会社などが国の定めた価格で20年間買いとることを定めたものです。この買取価格は、ここ数年徐々に切り下げられてきましたが、それでも利回りは平均で8~10%程度とされています。またメンテナンスなどの手間も、アパート経営などに比べれば比較的小さいといえます。
ただし自家使用でなく、売電によって収益を狙うための規模の投資であれば、初期投資にはやはりそれなりの金額が必要となってきます。物件によって価格は異なりますが、土地付き50kWシステムでの相場は2千万円前後とされています。
太陽光投資ではFIT制度もあって、投資資金に対する銀行融資が受けやすいとされます。ですがその返済を考慮すれば、当初の10~13年程度は収入が余り見込めないことになります。また、20年後以降の買取価格は保証されていません。そして250kW以上の太陽光発電だと入札価格となり、買取価格は固定されないことにも注意が必要です。
売却もアパートなどより更に難しいため、長期で運用できることが確実に見込める人に向いていると言えます。
副業としてのストックビジネス例4:書籍・電子書籍の執筆
販売された書籍や電子書籍の印税が収入となります。紙の書籍の場合、印税率は8~10%程度とされています。プラットフォームにもよりますが、電子書籍を個人出版する場合は、それよりずっと高い数十パーセントの印税率が見込めます。
一度出版されれば、書籍が売れる限りいつまでも印税収入が見込めるのが魅力です。ただし、その書籍には売れるだけの魅力がある必要があります。書くことが好きであり、また魅力のある文章が書ける人に向いている仕事です。
副業としてのストックビジネス例5:ユーチューバーやアフィリエイター
自身のYouTubeやブログなどに他社の商品の広告を掲載し、その広告を見た人がクリックしたり、または実際に商品を購入したりすると収益が発生します。
書籍同様に、そのサイトを訪問してくれる人がいれば収益の発生が期待でき、初期費用が非常に低く抑えられることも魅力です。
しかし、訪問者数を増やすためには、魅力的なコンテンツを作る必要があります。それには、それだけの努力とセンスが必要とされます。多くの訪問者を獲得するまでは、収益がほとんど生まれないことも想定しておくべきです。動画作成が好きで、ネタづくりのセンスに自信がある人、また費用やリスクを抑えた副業を行いたい人に向いているといえます。
副業としてのストックビジネス例6:アプリやゲームの開発
アプリやゲームを開発し、そのダウンロードや利用に課金することで収益を上げます。アプリやゲームは無料にして、代わりにそこに掲載する広告からのアフィリエイト収入を狙うこともできます。
ある程度のプログラミング能力は必要ですが、開発したアプリやゲームがヒットすれば、高収益を上げることが可能な仕事です。アフィリエイト同様、パソコンとインターネット環境さえあれば始められることも魅力です。
しかし一方で、ダウンロード数が少なければほとんど収益を得ることができません。努力と時間に応じた収益が必ずしも見込めるわけではないことを理解しておく必要があります。手堅い収益がなくても、アプリやゲームの開発自体がとにかく好きだという人に、向いている仕事でしょう。
サラリーマンの副業にはストックビジネスが合っている
ストックビジネスは、簡単に不労所得が得られるというようなものではありません。運用資金が必要なものには損失のリスクがあり、労力が必要とされるものはそれが無駄になることもあります。しかし、時間に制約のあるサラリーマンなどにとっては、副業にストックビジネスを検討する意味はあるのではないでしょうか。
ただし副業を始めるにあたって、所属する会社に副業をしてもよいかどうか、確認をとることは怠らないでください。株式投資や不動産賃貸業などの資産運用は禁止される副業には当たらないケースが多いとされますが、やはり事前の確認は必要です。
(提供:JPRIME)
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