コロナ禍で外出を控える人が増えている中、国内では飲食店のテイクアウトメニューやフードデリバリーの利用が増えています。飲食店の従来のビジネスモデルでは売り上げを伸ばせなくなってしまった今、新たな業態「ゴーストキッチン」に注目が集まっています。

ウーバー創業者も参入のゴーストキッチンとは

クラウドキッチンズ
(画像=Angelov/stock.adobe.com)

ゴーストキッチンとは、店舗を持たずに運営するデリバリー特化のレストランのことです。フードデリバリーを行いたい複数の事業者が、一つのキッチンをシェアする形で利用します。

このゴーストキッチンのビジネスは、中国やアメリカで盛んです。中国ではさまざまな分野でシェアリングエコノミーが拡大しており、ゴーストキッチン事業も流行しています。

クラウドキッチンを中国へ

ウーバーの共同創始者のトラビス・カラニック氏は、ゴーストキッチンが盛んな中国に自身が参画する「クラウドキッチンズ」を持ち込むことを考えました。遊休不動産を商用キッチンに改装して、ローコストで飲食店を運営したい企業にキッチンを貸し出すのです。

アメリカの新聞社の報道によると、カラニック氏はクラウドキッチンズの事業のために2018年から2020年の間に閉鎖されたレストランや自動車整備工場、倉庫などの物件を購入していたといいます。クラウドキッチンズはすでに約20都市で40件以上の不動産を購入していたというデータもあります。

コロナ禍でゴーストキッチンは加速するか

「外食」のハードルが上がっているコロナ禍の現在、クラウドキッチンズのようなゴーストキッチン事業は今後ニーズが高まると考えられます。スマートフォンが普及し、誰でもデジタル技術を簡単に使えるようになった今、国内でもシェアリングエコノミー市場は拡大していくことでしょう。

コロナの影響によって多くのレストランが閉店していることから、ゴーストキッチンに利用する店舗の入手も容易になっているはずです。ウーバーイーツがすっかり浸透した今なら、消費者もゴーストキッチンへの心理的ハードルもほとんどないと考えられます。

遊休不動産を活用して新たなチャンスをつかむ

遊休不動産を活用するビジネスは多種多様です。今回ご紹介したゴーストキッチンのほかにも、シェアハウスやコワーキングスペース、倉庫としての活用も考えられます。新型コロナウイルスは世界経済にマイナスの影響を与えましたが、その一方でこれまでとは異なるビジネスに利益をもたらしているのも事実です。Withコロナ時代に事業拡大を狙うのなら、トラビス・カラニック氏のように、多くの不動産を取得して新規ビジネスに乗り出すのも手ではないでしょうか。(提供:YANUSY

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