カードローンを利用すると「信用情報」が「信用情報機関」に登録されます。信用情報は他のローン審査でチェックされる、とても重要な情報です。

「信用情報機関に登録される」というと、なんだか怖いイメージがありますよね。しかし、信用情報が登録されることは特に怖いものではありません。また、カードローンの利用自体が信用情報に悪い影響を与えることもありません。

本記事ではカードローンにまつわる「信用情報」の概要をご紹介します。信用情報がどう登録されるか理解すれば、カードローンの正しい利用方法や、やってはいけない利用法がわかってくるでしょう。

「信用情報」という言葉になんとなく怖いイメージを持っている方は、ぜひ参考にしてください。

カードローン利用で登録される「信用情報」とは?

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(画像=PIXTA)

信用情報とは「ローンの履歴」のこと

信用情報とはローンに関する履歴です。「これまでどのようにローンを利用し、返済しているか」が記録されています。

✔︎信用情報は3つの機関に登録される
信用情報は「信用情報機関」に登録されます。信用情報機関には以下の3社があります。

・CIC:主にクレジットカード会社が登録
・JICC:主に消費者金融会社が登録
・JBA:主に銀行や信用金庫などが登録

3社は情報を共有しているため、利用者にとってそれぞれの違いはほとんど関係ありません。例えば「CIC」会員の金融機関で起こした延滞は、「JICC」や「JBA」でも共有されます。

「信用情報」はどう使われるの?

ローン会社が審査で信用情報を確認する

審査の際、ローン会社は信用情報機関を照会し、ローン申込者の信用情報をチェックします。そのため別のローン会社で返済が滞っている場合、審査には通りにくくなるでしょう。

スマホの分割払いなど、ローン会社以外で確認されることも

信用情報機関に登録しているのは、いわゆる金融機関だけではありません。分割払いでお買い物できるお店などが幅広く登録しています。

代表的なものが携帯通信会社です。各携帯通信会社は、以下のように信用情報機関に登録しています。

携帯通信会社 加入している信用情報機関
CIC JICC JBA
NTTドコモ 提携
au 提携 提携
ソフトバンク 提携
楽天モバイル 提携 提携

スマホの機種代などを分割払いで支払っている方も多いと思いますが、分割払いは実質的にローン取引になります。

延滞は信用情報に登録されてしまう可能性があるので、注意しましょう。

カードローンの利用自体は悪影響ない?

正しく返済していればOK

「カードローンを利用すると信用情報が悪化する」という話を聞いたことはないでしょうか。結論から言えば、カードローンの利用だけでは信用情報が悪化するとまではいえません。

延滞など返済が滞ってしまった場合には、信用情報の悪化が考えられます。正しく返済していればその記録も残りますので、きちんと返済しましょう。

「信用情報の傷」=ローン審査時の印象が悪い記録

いわゆる「信用情報の傷」とは、延滞や自己破産など、ローン会社にとって「きちんと返済しない人」と思わせる情報です。

上述の通り、信用情報は各社で共有されているので、信用情報の傷があると別のローン審査にも影響があります。

どんなものが信用情報の傷となるのでしょうか。次章で詳しく見てみましょう。

ローンに悪影響!「信用情報の傷」の例 

いわゆる「信用情報の傷」として、代表的なものは以下の3つです。

①返済の遅延や滞納
②債務整理などの法的手続き
③短期間で複数のローン申し込み

それぞれ確認しましょう。

①返済の遅延や滞納

カードローン返済の遅れ、または滞納の記録は代表的な信用情報の傷です。契約の際に指定された返済日や金額は、決して忘れないようにしましょう。

どのくらい遅れると信用情報に記録されるかは、信用情報機関によって異なります。例えばCICは、「61日以上または3ヵ月以上の遅延」を対象としています。

またこの期間内に返済したとしても、「いつ入金したか」の記録も残っていますので、1日でも遅れれば「遅延した」ということが分かります。

そのため「少しの延滞なら大丈夫」と過信するのは危険です。少しの遅れでも信用情報に登録される可能性があるので、カードローンの返済は1日も遅れないようにしましょう。

②債務整理などの法的手続き

カードローンをどうしても返済できなくなった場合、法的にローンを削減または免除してもらう手続きを「債務整理」といいます。信用情報には債務整理の記録も残ります。

債務整理は法的に認められた手続きです。ローン会社にとっては「きちんと返済されなかった」記録としてみられ、信用情報の傷として扱われます。

③短期間で複数のローン申し込み

カードローンの申し込み自体も信用情報に登録されます。

カードローンの申し込みだけでは信用情報の傷とはいえませんが、短期間にたくさんの申し込みが登録されていると「資金繰りが厳しいのでは」と判断されてしまうかもしれません。

審査基準はカードローン会社によって異なるため一概にはいえませんが、短期間に複数のローンに申し込むのは避けた方がよいでしょう。

信用情報の傷が消えるまでの期間と確認方法は?

信用情報は期限を過ぎると登録がなくなります。信用情報の登録期限は、信用情報の内容によって異なるため、それぞれ確認しましょう。

カードローンの申し込み:約6ヵ月間

カードローン申し込みの記録は、ローン会社が信用情報機関に照会した日から6ヵ月間登録されます。

短期間でたくさんのローンに申し込みをすると信用情報の傷になるとお伝えしましたが、半年間過ぎるとローンの申し込み情報は抹消されます。

ローンを複数申し込む場合、6ヵ月以上期間を空けた方がよいでしょう。

返済の遅延:約5年間

カードローンの返済を遅延してしまった場合、情報は5年間登録されます。比較的長い間記録が残ってしまうため、注意が必要です。

✔︎遅延中は残り続ける できるだけ早く解消を
延滞の登録期間の5年は、延滞が解消してから起算します。つまり、延滞中は記録が残り続けてしまいます。

延滞が発生中は残り続けてしまいますので、できるだけ早く解消するようにしましょう。

債務整理などの法的手続き:5~10年間

債務整理を行った記録は原則5年間残ります。ただしJBAの場合、債務整理のうち、官報に載る「自己破産」や「民事再生手続き」の記録は10年間残り続けます。

債務整理手続きに関しては、信用情報が最も長く残る可能性があります。慎重に判断しましょう。

信用情報は自分でも確認できる

各信用情報機関は、個人の信用情報の開示を受け付けています。「自分の信用情報はどうなっているだろう?」と疑問に思ったら、開示請求をしてみましょう。

信用情報の開示は、信用情報機関それぞれで行いましょう。費用がそれぞれかかってしまいますが、信用情報は3社で共有されているため、1社だけで開示してもあまり意味がありません。

信用情報の開示はいくつか方法がありますが、以下に「郵送」で開示する場合の費用と本人確認書類をまとめます。

  費用 本人確認書類
CIC  1,000円(税込) 運転免許証、マイナンバーカードなど2点
JICC 1,000円(税込) 運転免許証、マイナンバーカードなど1点
※健康保険証など、顔写真がないものは2点
JBA 1,000円(税込) 運転免許証、マイナンバーカードなど2点

カードローンで信用情報に傷を付けない方法

信用情報に傷が付くと、回復まで長い時間がかかってしまいます。信用情報に傷を付けない工夫をするのが望ましいでしょう。

信用情報に傷を付けない利用法を確認しましょう。

多数のカードローンに同時に申し込みをしない

多数のカードローンへの同時申し込みは避けましょう。

複数のローンに申し込みたい場合、1社に申し込んだら、登録期間の6ヵ月以上空けてから申し込むようにしましょう。

返済の遅延はしない 口座振替が便利

返済の遅延に関しては、資金繰りに気をつけるのは当然のことですが、返済忘れにも気を付けるようにしましょう。

特に毎回振り込んで返済する場合、つい忘れてしまう可能性が考えられます。また忙しくて返済できない場合もあるでしょう。

返済忘れを防ぐためにも返済方法はできるだけ口座振替を利用しましょう。もちろん、残高不足には気をつける必要があります。

✔︎遅延状態はできるだけ早く解消する
もし遅延状態が発生してしまった場合、できるだけ早く解消しましょう。上述の通り、遅延状態が解消されない限り、信用情報が残り続けてしまいます。

また、カードローン会社への連絡も忘れないようにしてください。信用情報に登録されるだけでなく、カードローンの停止など、さらに悪い影響が考えられます。

早期返済し、完済の記録を残すのも手

信用情報は完済の記録も残りますから、早期完済することで信用情報の改善が期待できます。

カードローンは完済しても契約が残ります。カードローンを完全に解約したい場合は別途手続きが必要ですが、実は信用情報には、完済だけでなくカードローン契約の終了も記録に残ります。

カードローンの契約を残していても特にデメリットはありませんが、信用情報にはカードローン契約が残っている記録が残ります。信用情報を完全にきれいにしたい場合、使わないカードローンを解約するのも手です。

カードローンに信用情報は付きもの 正しく使えば怖くない

カードローンを利用すると、確かに信用情報に登録されますが、信用情報の登録自体は問題ではありません。正しく返済していればその記録も残りますので、むしろ信用情報を向上させる効果も期待できます。

ただし、返済の遅延などは、一般的に悪い信用情報として扱われます。大切なのは、「カードローンを利用する私たちが正しく返済すること」だといえるでしょう。

文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有。

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