デジタル証券の発行・管理プラットフォームを提供するSecuritize Japanは11日、NTTデータと日本市場向けセキュリティトークン(ST)プラットフォームの実現に向けた協業を2020年10月より開始したことを発表した。

セキュリティは「有価証券」を指し、トークンはブロックチェーンを活用して発行された「デジタル資産」を示す。

開発
(画像=月刊暗号資産)

STは「デジタル証券」とも呼ばれ、これを用いた株式や不動産などの「トークン化」に注目が集まっている。

協業の第1段階として、STプラットフォームに関する共同研究を完了したという。

今回の共同研究では、発行体を中心とした米国の私募市場における証券発行・流通ビジネスモデルをベースとしたSecuritizeの「STソリューション」を、日本の資本市場の性質を加味し対応させることを目的としている。

両社は、日本におけるSTビジネスは証券会社等の販売会社が取引の中心(販売会社モデル)となることが多いと指摘。

そのため今回の共同研究では日本市場の特性を考慮した、より広範囲に利用可能なSTソリューションを目指し、12月にソリューションの基本的な評価や今後の対応方針を整理したという。

具体的には、販売会社モデルにおいて必要となる業務機能や既存システムとの連携、UXを考慮した投資家秘密鍵の管理方針の整理、ブロックチェーン基盤との接続性の確認などを検討した。

こうした対応方針の整理により、これまでよりも迅速かつ低コストで販売会社モデルのST事業立ち上げを支援することが可能になるという。

NTTデータ・技術革新統括本部・システム技術本部長の田中秀彦氏は「Securitize社との共同研究により、国内のセキュリティートークンプラットフォームの整備が進み、お客さまに対してよりよいサービスを提供できることを期待します」とコメントした。

Securitizeは、発行から流通市場まで対応したブロックチェーン技術を活用したセキュリトークンソリューションを提供し、「資本市場の再構築」を掲げている企業だ。

Securitizeのソリューションにより、投資家はコンプライアンスに準拠しながら、効率的で流動性の高い資本市場により容易にアクセスできる。

Securitizeはすでに欧米を中心に60以上の顧客数を誇り、この領域において世界で最も実績のある企業の1つとなっている。(提供:月刊暗号資産