(本記事は、山下 勁氏・福井 元明氏の著書『長期×短期最強の組み合わせ投資』の中から一部を抜粋・編集しています)
「いい会社」だから投資するというのは雑なトレード
みなさんが、トレードをする際、もっとも頭を悩ませているのは銘柄選びではないでしょうか?
どの銘柄に投資するかによって、トレードの成否が決まってくるといっても過言ではありません。とはいえ、東証一部に上場している企業だけでも、日本取引所グループによれば2171社(2020年8月末現在)もあります。そのなかから、投資対象となる銘柄を選ぶのですから、悩むのは当然。この章では、福井さんとボクの銘柄選びのポイントをお話ししたいと思います。
その前に、みなさんに聞いておきたいことがあります。
みなさんにとって「いい会社」ってどんな会社でしょう?
「就職するなら“いい会社”」とか「あの人は“いい会社”にお勤めしている」といった話を耳にしたことはありませんか?
こういうときの「いい会社」とは─誰もが知っている有名企業、小規模でも業績がすごくいい企業、自分の夢が実現できる企業、地元の家族的な企業……さまざまな企業が浮かぶと思います。
〇投資するのに「いい会社」の定義を考えよう
では、投資をするのに「いい会社」とは、どんな会社でしょう?
それは、投資に見合った利益を得ることができる会社です。この“利益を得る”ということをしっかり頭に入れておいてください。
「名前が知れているし、いい会社だから買ってみよう」
「証券会社の格付けが上がって目標株価が上がったからいい会社」
「上方修正したからいい会社に違いない」
そんな「なんとなくいい会社」という曖昧な判断で、銘柄を選び、売買してしまう人が案外多いのです。上方修正したからといって株価が上昇しなければ、投資するのに「いい会社」とは言えません。
実は、「いい会社だから買ってみる」は雑なトレードです。
投資を判断するときの「いい会社」は、先ほどお話しした「“いい会社”にお勤め」の「いい会社」とは異なります。さらに、ボクと福井さんでも「いい会社」の判断は違います。
これから解説していく銘柄選びは、投資するのに最適な「いい会社」の定義だと考えてください。
〇テクニカルとファンダメンタルズの「いい会社」
先ほど“福井さんとボク”でも「いい会社」の判断は違うと話しましたが、それは言い換えれば“ファンダメンタルズとテクニカル” では銘柄選びのポイントが違うということです。
第1章を思い出してください。
テクニカルは短期投資向き、ファンダメンタルズは長期投資向きとお話ししました。その違いが銘柄選びの違いにもなります。
数多くある銘柄のなかには、ファンダメンタルズでは売買に適さない銘柄でもテクニカルでは利益が期待できる銘柄もあります。
その反対に、テクニカルではトレンドが判断できず、エントリーしにくい局面でも、ファンダメンタルズでは業績や成長性から売買の対象になる銘柄もあります。
テクニカルとファンダメンタルズ、両者で銘柄の選択ができればどちらか一方でエントリーを判断するより、ぐっと精度が上がります。つまり、勝率が上がっていくのです。
◎1986年神奈川県生まれ。大学在学中の20歳のときに、株式投資を始める。初めての株式投資で、原資の50万円を600万円に増やすビギナーズラックを経験。ちょうどその頃、20歳からの2年間、束縛の強い彼女に軟禁されながら、「再現性のある儲かる株式投資」を追究。23歳で1200万円の原資を3200万円に増やし、25歳のときには、独自のテクニカル投資を完成させる。2019年の株式投資による利益は1億円超。
◎現在は「副業アカデミー」で株式投資の講師を務めるかたわら、主夫として家事・育児に尽力中。趣味は「ポケモンGO」。
◎著者に『中華屋アルバイトのけいくんが年収1億円を稼ぐ1日1分投資』『見習いカメラマンのけいくんが年収1億円を稼ぐ 月3分投資』(小社刊)などがある。
◎1985年鳥取県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、みずほ銀行に入行。在籍期間中に、数々の社内表彰を受賞するとともに、税理士法人やプライベート・バンキング業務を行うスイス現地法人への出向を経験し、国内外の幅広い金融商品や金融知識に精通。富裕層および国内外のファミリーオフィス、事業法人向けの資産運用、助言、融資業務などを行う。
◎2019年、真に顧客志向の金融サービスを提供するために独立起業し、現職に就く。総資産数百億から数千億円規模の顧客(上場企業の創業家、芸能人、スポーツ選手、政治家など)の資産運用・資産保全に従事する。
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