本記事は、Nami Barden氏、河合克仁氏、Krishnaraj氏の著書『世界のエリートが実践する 心を磨く11のレッスン』(サンガ)の中から一部を抜粋・編集しています
世界のエリートが学びを深める心の磨き方「コンシャスネス」とは?
コンシャスネスとは「意識」の学びです。日本ではまだ耳慣れない言葉かもしれません。しかし、グローバルレベルでは、大変人気のある学びの1つです。
米国最大手の自然食品店ホールフーズ・マーケットのCEOであるジョン・マッキー氏は、2013年に出版された彼の著書『コンシャス・キャピタリズム』で、パタゴニア、スターバックス、コストコ、そしてイケアなどの大手企業のCEOがなぜコンシャスネスの学びをし、それを彼らはどのように経営に取り入れているのか、ということを紹介しています。
アメリカのテレビパーソナリティー&慈善家のオプラ・ウィンフリーさんは、コンシャスネスの学びが人生を幸せに生きていく上で非常に大切であることを、著書やテレビ番組で紹介しています。また、精神世界分野の著者であるエックハルト・トール氏は、彼の著書『The Power of Now』でコンシャスネスの学びについて詳しく説明しており、彼の書籍は『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーとして一躍有名になりました。
コンシャスネスの学びをしているリーダーと、「コンシャスネスなんて、聞いたことも学んだこともない」というリーダーの生き方には、天と地の差が生まれます。
コンシャスネスの学びをしていない人たちは、知らない間に苦悩に陥り、その状態のまま行動に移り、それなりの結果で日々が過ぎ去っていきます。がむしゃらに働いて富と名声を手に入れたはずの人が急にポキッと折れてしまうのも、心の状態に無意識に生きてきたことが起因しています。「苦悩にどっぷり漬かりながら努力するのは『成功』を収めるための代償である」とばかりに、結果を出すことに必死になっている人もそうです。
コンシャスネスの学びを少しでも取り入れるだけで、同じ日常でもより穏やかに、充実感を持って過ごせるようになります。皆さんは今の時点で、どのくらい意識的に生きているでしょうか。次のリストのうち何個くらい自分に当てはまるか、数えてみてください。
コンシャスリーダー診断チェック
1.人との関係がうまくいかなくなることが多い。 2.「成功」しても長続きしない。 3.つい食べすぎたり、飲みすぎたりしてしまう。 4.「体重を減らさなきゃ」「運動しなきゃ」と思うけどなかなかうまくいかない。 5.幸せを実感できない。 6.ネガティブな感情を感じることが多い。 7.相手と心を通わせることができない。 8.自分さえ耐えればいいや、と思うときがある。欲望や感情を押し込めてしまうことが多い。 9.常にストレスを感じている。 10.努力をしているのに、なかなか認められない。 11.やる気がでない。鬱っぽくなることがある。 12.朝起きてもすっきりしない。 13.常に周りと比較してしまう。 14.いつも何かに追われている感覚がある。 15.常に不安を感じる。 16.最近よくイライラする。 17.なかなか思い切って一歩が踏み出せない。 18.どちらかというと優柔不断である。 19.頑張りすぎて疲れてしまう。 20.パートナーとうまくいっていない。 21.家族との関係がぎこちない。 22.両親と話すと、だんだんイライラしてくる。 23.自分の部屋はごちゃごちゃしているほうだ。 24.もっとできるはずなのに、自分の可能性が発揮できていないと思う。 25.過去にあった出来事から抜け出せないでいる。 26.暇になるとついスマホに手が出る。 27.マルチタスクをしていないと、時間を損した気分になる。 28.つい他人を批判したり、見下したりしてしまう。 29.自分に対して厳しいほうだ。 30.常に人の輪の中に入っていたいと思う。 31.集中できない。 32.忙しすぎて自分の好きなことができていないと感じる。 33.数多くの女性(男性)と身体の関係を持ちたいが、心の葛藤に苦しんでいる。 34.無意識にタバコを吸っていることが多い。 35.添加物の多いスナック菓子や食べ物を口にすることが多い。 36.ついキレてしまうことがある。 37.将来に希望を見出せない。 38.「人からどう見られるか」を気にして洋服を選ぶことが多い。 39.ついていないと感じることが多い。 40.人と会うと疲れてしまう。
あなたはいくつくらい当てはまりましたか?無意識に何かをしていることが多かったのではないでしょうか。1~5つだけ当てはまったという人は、すでに意識的な生き方を始めている方でしょう。
また、10個以上当てはまったという人は、仕事やプライベートで、なかなか自分の器量が発揮できていないと感じているのではないでしょうか。当てはまる数が多い人ほど、無意識に生きているという傾向にあります。でも、心配することはありません。本書を読み進めていくことで、大変大きな気づきが得られ、あなたの人生はどんどん良い方向へ向かっていきます。
僕たちは人生の中で、仕事でもプライベートでも様々な問題に直面します。それと同時に「苦悩の心の状態」になります。しかし数多くの人は「苦悩の心の状態」のまま、心の中にある葛藤を見て見ぬふりをしながら頑張ってしまうのです。
問題に直面したとき、自分の不満を相手にぶつけ、相手を変えることに必死になる人もいます。物事がうまくいかなくなった果てに、仕事や趣味に没頭する人もいるでしょう。様々な問題を抱えながら夜の街を歩き回り、ストレス発散を試みる人もいます。
高価なものを身の周りに置くことで、他人との格差づけを図る人もいます。自分の外側の素晴らしさをSNSで誇張して発信する人もいます。自分のレベルに達していないと判断した人を見下したり、反対に必要以上に相手を敬ったりする人もいるでしょう。これらの行動はすべて、コンシャスネスの学びを知らずに過ごしてきた結果、無意識にしている行動です。
コンシャスネス(意識)について学び、その学びを活用している人を「コンシャスリーダー」と呼びます。反対に、コンシャスネスの学びをしたことのない、苦しみながら無意識に生きているリーダーのことを「アンコンシャスリーダー」と呼びます。
リーダーと言っても、何も自分が経営者だったり、何らかの組織のトップであったりする必要はありません。自分自身の人生を導いていくという意味では、誰しもがリーダーなのです。僕たちは皆、コンシャスリーダーになることができます。コンシャスリーダーになることで今挙げたような心の葛藤が起こりにくくなります。
たとえ人との関係がうまくいかなくなったとしても、まずは自分の内面と向き合い、自分にとって何がいいのか、相手にとって何が最善の行動なのかを、感情に流されずに決めていくことができます。また、たとえ苦悩の状態に陥ったとしても、その苦悩を自分で解消し、自分の心をスッと切り替えていくことができます。
だからこそコンシャスリーダーは、すぐに人生のビジョンに向かって自分の力量を最大限に発揮していくことができ、素晴らしい結果を出し続けることができるのです。
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