本記事は、Nami Barden氏、河合克仁氏、Krishnaraj氏の著書『世界のエリートが実践する 心を磨く11のレッスン』(サンガ)の中から一部を抜粋・編集しています
2 「今」を生きることができるようになる
コンシャスネスとは「意識」の学びです。日本ではまだ耳慣れない言葉かもしれません。しかし、グローバルレベルでは、大変人気のある学びの1つです。
コンシャスネスを学ぶことには、3つの利点があります。今回は、2つ目の利点についてお伝えします。
マインドは、人類にとって最大の贈り物であると共に、最大のチャレンジとも言えます。
仕事で会議をしているときを思い出してください。物質的に自分の身体はそこに在る状態であったとしても、マインドはどこかうわの空、というときがあるのではないでしょうか。
家で過ごしているときもそうです。家族に求められるがまま、週末は家に「居た」としても、スマホを見ながらカラ返事。頭も感情もそこには「居ない」状態で、パートナーや親や子供と時を過ごしているつもりになっていませんか。
なぜ、私たちは完全に「今」に意識を持ってきて、そのままずっと生きることがこんなにも難しいのでしょうか。なぜ私たちのマインドは気がつかないうちに、どこか他のところに行ってしまうのでしょうか。
アメリカの神経科学者のアダム・ガザリー博士とラリー・ローゼン博士は、1つのことに集中するとき、脳内では2つのプロセスが交互に行われると説いています。
1つ目は「集中タスク」といって、今ここで行われているタスクに集中すること。2つ目は「非集中タスク」といって、今やっている課題に関連していない情報を消すタスクなのだそうです。
通常この2つが脳内で交互に行われていますが、人はたいてい集中するほうのタスクには長けている一方で、情報を除外する非集中タスクが苦手だと言います。実際に私たちは自分自身を高めるために、マルチタスクをこなし、隙間時間さえあればスマホを手に取り、様々な情報を脳内に入れ続けています。
つまり、私たちは集中タスクばかりやってきているのです。いったいどのくらいの人が「手放す」という非集中タスクをしているでしょうか。この「手放すこと」というのは、自分が「手放すぞ!」と強制的に集中したからといって、できるタスクではありません。私たちは、この思考や情報を「手放すこと」ができていないのです。
頭の中にどんどん情報を詰め込み、マルチタスクをこなすことで、頭は様々な思考でごちゃごちゃしてきます。大量の情報をマインドに入れ続け、いらない情報や不必要な思考や感情をそのままにしてきたため、頭の中がパンク寸前になっているのです。このままでは集中しようとしても集中できませんし、「今ここ」に意識を持ってこようとしても、すぐに「過去」や「未来」に意識が飛んでしまうのです。
自分の意識を「今ここ」に持ってくるためには、もっと根本的なところから見ていく必要があります。「今ここ」に意識を持ってくることができない理由は、自分の心の中に苦悩の思考や感情が渦巻いているからです。「苦悩の状態」になると、人の意識は「過去」か「未来」へ行きます。しかし、苦悩を解消し心の癒しを得て「美しい心の状態」になると、自然と「今ここ」に意識を持ってくることができるようになります。
コンシャスネスの知恵を学び、同時にメディテーションを行うことで、苦悩が解消され、いらない情報や頭の中のごちゃごちゃとした思考や感情が鎮まる、という経験をするでしょう。ネガティブな感情は解消され、自分の心の中にまっすぐな芯を持つことができます。
そのとき、「今ここ」に意識を置くことができるようになるのです。
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