本記事は、Nami Barden氏、河合克仁氏、Krishnaraj氏の著書『世界のエリートが実践する 心を磨く11のレッスン』(サンガ)の中から一部を抜粋・編集しています
コンシャスネスの学びで得られること
コンシャスネスとは「意識」の学びです。日本ではまだ耳慣れない言葉かもしれません。しかし、グローバルレベルでは、大変人気のある学びの1つです。
コンシャスネスを学ぶことには、3つの利点があります。
まず、過去の傷を癒せるということ。次に、「今ここ」に意識を持ってきて「今を生きる」ことができるようになるということ。そして最後に、「すべては1つ」という壮大なコンシャスネスの本質を知り、多大なる安心感を得ることができるという点です。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1 過去の傷を癒すことができる
過去の傷を癒さずに生き続けると、どうなるでしょうか。例えば、信頼していた人から騙されたことで、とても苦い思いを経験したとします。信頼してお金を貸したのに、返してもらえなかったとか、信頼して投資をしたのに大損してしまったとか、誰でも似たような経験があるのではないでしょうか。そんなとき、私たちはショックを受け、傷つきます。
そしてドロドロとしたネガティブな感情が生まれてくるのです。
この「騙された」ことに対する心の傷を癒さずにいると、どのようなことが起こるでしょうか。おそらく人を信じるのが怖くなるでしょうし、仕事上でも信頼関係を築いていくことが難しくなるでしょう。「二度と騙されないぞ」とばかりにガードは固くなり、ディフェンス(守り)の姿勢で仕事をしていくことになります。
また自分が傷つかないように、深い友人関係を作ることすら避けるかもしれません。「誰にも騙されないように、絶対に間違いを起こさないようにしなければ」と考え、がんじがらめになってしまい、行動範囲は狭まり、飛躍できない状態になってしまうのです。
このように、過去の出来事により「また騙されるのでは」という恐れの心から、自分の目を曇らせたまま世の中を見ることになります。過去の心の傷をそのままにしておくというのは、くすぶった炭をそのまま胸に潜めていることと同じで、いつしか何かのきっかけで発火します。
過去の傷を癒すということは、過去の嫌な記憶から解き放たれ、「苦悩の状態」から解放されるということです。これは、ディフェンスのスタンスで生きていくのではなく、自分の夢に向かって飛躍していくことができるということです。
過去の傷を癒すことによって、嫌な経験が原因でかけてきた色メガネをはずし、世界をありのままの姿で見ることができるのです。将来を見据えた決断をするときには、この過去の出来事をシンプルに情報として利用することができ、メリットとデメリットを対比しながら、クリアな頭で決断していくことができます。心の傷を癒すことで、過去の経験はその人の知恵となるのです。
コンシャスネスの学びでは、自分と向き合うことを大切にします。過去に傷ついた経験を持つ人の中には、自分と向き合うことを「過去の苦悩を掘り起こす」ことだと思ってしまう人もいるかもしれません。でも、そのようなことはありません。苦悩を掘り起こして、さらに苦しみ続けるというプロセスではないのです。実際には、コンシャスネスの知恵を用いて自分の心と向き合うことで、過去と現在の苦悩を解消することができるのです。
ここで、実際にご自身の経験を振り返ってみましょう。
●過去の騙された経験、お金を返してもらえなかった経験、ショックを受けた経験、辛かった経験などを思い出します。そのときあなたは、痛みに蓋をして「見て見ぬふり」をして頑張ってきませんでしたか。「自分は大丈夫」とばかりに、強がっていませんでしたか。
●過去の傷を癒さずに生きてきた結果、不安を感じて生きていませんか。「過去の傷に触れたくない」「また傷つきたくない」という「恐れ」が将来への不安を呼び起こし、一歩が踏み出せない生き方を強いられてはいないでしょうか。
このような過去の経験に引きずられた辛い生き方から抜け出すには、まずコンシャスネスの学びを基に、自分と向き合う練習をしていきましょう。自分と向き合い、気づきを得て、過去の傷を癒すことができると、自然と自分の素晴らしい面を発揮して、さらなる飛躍をしていくことができるでしょう。
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