本記事は、Nami Barden氏、河合克仁氏、Krishnaraj氏の著書『世界のエリートが実践する 心を磨く11のレッスン』(サンガ)の中から一部を抜粋・編集しています
苦悩を解消する「4つのステップ」とは
コンシャスネスとは「意識」の学びです。日本ではまだ耳慣れない言葉かもしれません。しかし、グローバルレベルでは、大変人気のある学びの1つです。
本書は、僕(河合)とナミ・バーデンさんの共著『世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業』(すばる舎)で紹介した「苦悩を解消する4つのステップ」を理解したことを前提として、さらなる高度なコンシャスネスの知恵を紹介するものです。より深く、広い角度からコンシャスネスについて学ぶことで、よりいっそう「4つのステップ」のコツをつかむことができ、理解を深めていくことができると思います。
なお、「4つのステップ」は苦悩を解消する上では絶対不可欠な内観方法であり、これをせずしてコンシャスネスの学びを深めることはできません。ここではおさらいとして簡単にお伝えしますが、ぜひ『世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業』をご一読の上、マスターしていただきたいと思います。
ステップ1 自分の心が「苦悩の状態」であることに気づく
僕たちは普段、自分の心の状態に気づかずに無意識に生きていますが、人間の心の状態は大きく2つに分けられます。
1つは幸福感、喜び、感謝の心が生まれる平穏な心の状態。この状態のことを「美しい心の状態」と呼びます。この心の状態でいるときは、頭の中がスッキリとクリアになり、クリエイティブなアイディアが浮かびます。集中力が現れるのもこの心の状態のときで、「今ここ」に意識があります。何をするべきかがはっきりしているので、行動も早く、結果が出しやすくなります。
もう1つの心の状態は「苦悩の状態」です。この心の状態になると、様々なネガティブな感情が出てきます。モヤモヤ、イライラ、怒り・悲しみ・嫉妬・不安・あきらめ・鬱などの感情が現れ、苦しくなります。周りが見えなくなり、視野は狭まり、他人との間に距離感を作り出します。また、頭の中の思考は「将来」と「過去」を行ったり来たりしており、集中力に欠けます。不安の中で行動を起こそうとするので、行動も小さくなり、思ったようにうまく結果を出すこともできません。
苦悩を解消するための最初のステップは、「自分はもう苦悩の状態になってしまっている」ということに気づくことです。気づけば、「苦悩を解消しよう!」と思えるのです。
ステップ2 頭の中の思考を15個挙げていく
心が「苦悩の状態」にあるとき、人の頭の中には様々な思考が浮かび、このごちゃごちゃとした思考が頭の中でグルグル回るようになります。思考が湧き上がっているために先が見えなくなり、どの選択肢を選んでいいのかも分からなくなり、まるで暗闇の中を、光を求めてさまよっているような感覚に陥ります。
このステップ2は、頭の中の思考をひとつひとつ見ていく作業です。「へぇ~、こんなこと考えているんだ」「あ、僕はこんなことも考えているんだな」と、まるで他人事のように、メタ認知のスタンスで一歩下がって見ていくことが大切です。
この作業をするとき、紙に書き出していくと、行き詰まってしまうことがあります。これはマインド(頭)だけで考えようとしているからです。すべて覚える必要はないので、座って背筋を伸ばし、目を閉じてまるでメディテーション(瞑想)をしているかのような恰好で、自分の頭に浮かぶ思考をひとつひとつ見ていきます。
15個挙げきったら、次のステップへ移ります。思考がたくさん出てくるときには、15個以上になっても構いませんので、すべて出し尽くす、ということが大切です。これができたら次のステップへ移ります。
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