「行動経済学」から解き明かす、投資で失敗しないための行動とは?
(画像=PIXTA)

人間は必ずしも合理的に行動できないもの。それでも投資で資産を増やすにはどうしたらいいのか−−。今回、数々のお客様の投資を見てきた金融アドバイザーとして、3つのポイントを紹介したいと思います。

多くの投資家がつまずく損失回避バイアス

投資をしているうちに手痛い失敗を重ね、「投資に向いてないのかな・・・」と感じている人も多いのではないでしょうか。実際に、リスクを承知で運用を始めたものの、自分の資産が下がり始めると、損失を最小限に抑えようと途中で売却してしまう方、逆に上がった時は今売らないと下がって損をしまうかもしれないという不安感を抱き、早期に株を売却してしまう方、そして最終的には自分は投資に向いていないと運用から撤退する方など、様々な方を見てきました。

こうした投資行動については、プロスペクト理論を提唱したダニエル・カーネマン氏やナッジ理論の生みの親であるリチャード・セイラー氏により、行動経済学の分野で明らかになっています。人間はそもそも非合理な部分を持ち合わせているものですが、人間は損をしたくない思いが強い生き物であるため、損得が絡む事象において特にその傾向が強くなります。行動経済学では損失回避バイアスと言われ、多くの投資家がここでつまずきます。

長年、金融商品アドバイスをする立場として様々なお客様と向き合ってきましたが、多くの投資家が同じような失敗をし、さらにその後も失敗を繰り返す傾向にあります。そして、これはお客様だけではなく、アドバイスをする証券会社の営業マンでさえ同じ間違いを犯すのです。

一方で、誰しもが非合理な行動をしがちだと理解できれば、打つべき手も見えてきます。バイアスがあることを認識し、非合理な投資行動を抑制することで効率よく資産形成をすることができるのです。

投資で失敗しないための3つのポイント

前置きが長くなりましたが、投資で失敗しないための3つのポイントについてお伝えしたいと思います。私たちが個人投資家の皆様にお話しする際に重視していることは、”準備”の大切さです。多くの経営者やスポーツ選手も“準備”の大切さを言っていますが、投資の世界でも同じことが言えます。

投資で失敗しないための3つポイントとは「ご自身のリスク許容度の理解」、「目的の明確化」、「PDCAのCheck」であり、この3つの準備が非常に大切なことであると考えています。

【1】ご自身のリスク許容度の理解

まず初めに、1点目のご自身のリスク許容度の理解について我々がどのように行なっているのかお伝えしたいと思います。ご自身のリスク許容度は、現在保有している、若しくはこれから購入予定の商品が、リーマンショック級の変動が生じた際にどの程度下落するのかを確認すると想像しやすいかもしれません。その時の下落率に耐えられるのか、またもしそうなった時にどのような行動を取るのか、是非想像してみてください。ご自身の行動メカニズムを理解することは、将来の非合理的な行動を抑制することにつながるはずです。

実際に、お客様とお話しする際は、「元本の年間損失率はどの程度まで許容できできますか?」「またその際に、あなたならどうしますか?」(すぐに売却し安定運用に切り替える/特に何もせず様子を見る/好転時により高い利益を得るため資金を追加するなど)とお聞きし、お客様のリスク許容度の確認を行なっています。

【2】目的の明確化

次に、2点目の目的の明確化について触れたいと思います。岩崎弥太郎の言葉に「川や海に魚が群れをなしてくることがあるが、機会が訪れるのもそれと同じだ。それっ、魚が集まった、といって網をつくろうとするのでは、間に合わぬ。いつ魚がきても、すぐに捕えられるように、不断に準備をしていて、その場になってまごつかぬようにしておかなければならぬ」とありますが、目的を明確にし、そのための準備をしておかないと不確実な未来に対応するための軌道修正もままなりません。

目的の明確化とはゴールを決め、達成のための道筋をつけることですが、この目的と道筋に正解はなく、まさに十人十色です。そのため、お客様にヒアリングする際は、老後資金なのか、教育資金なのか、ご自身の余暇のためなのか、また5年後なのか、10年後なのか、そしてその時いくら必要なのかなど、「目的」「期間」「金額」を明確化することに、特に重きをおいています。目的を明確化することで投資スタンスにブレが生じにくくなります。これを機会にしっかり考えてみてはいかがでしょうか。

【3】PDCAのCheck

最後に、PDCA(Plan Do Check Action)サイクルのCheckについて触れたいと思います。人の心は変わりますし、生活スタイルも日々変化します。5年前に決めたゴールが今のゴールとは違うことがしばしばありますので、「ご自身のリスク許容度の理解」と「目的の明確化」のチェックを定期的に行うことをお勧めしています。描いた道筋の修正をタイムリーに行うことがゴールへの近道になるはずです。

不確実な未来は皆平等に訪れるが、準備をするかしないかで個々人の未来の姿は大きく変わる

投資で失敗しないための3つポイントについてお伝えしましたが、こちらを片手間で行うのは大変なことだとも理解しています。どうしても「どのような商品が良いか?」などの運用手法にフォーカスしがちですが、先に述べた3つのポイントが極めて重要です。

不確実な未来は皆平等に訪れますが、準備をするかしないかで個々人の未来の姿は大きく変わります。自分だけではどうしても難しいという人は、プロのアドバイザーを利用するのも一つの手と言えるでしょう。

2020年は予測のできない出来事が多く起こった年となりました。私たちもコロナによるロックダウンなどを経験し、営業体制をオンラインに切り替えるなど、新しい試みをすることで前進した年となりました。

2021年は、読者の皆様にとって、素晴らしい年になることを社員一同願っております。それでは、よいお年をお迎えくださいませ。

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