マンション経営を考えている人にとって「優良物件を購入したい」と感じることは当然です。しかし優良物件とは、いったいどのようなマンションのことを指すのでしょうか。本記事では、マンションの優良物件の概要や土地の取得、実際の運営などオーナーに供給されるまでの流れを紹介します。

マンションの優良物件とは何か

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(画像=taka/stock.adobe.com)

マンションの優良物件とは、どのような条件を備えた物件を指すのでしょうか。優良物件の主な条件は以下の3つです。

1資産価値や需要が落ちにくい物件

新築マンションを購入しても年数が経過するにつれて資産価値は減少していきます。資産価値が下がると入居者の確保も次第に難しくなっていくのが一般的です。しかし東京都心など人気のエリアは、常時需要が高いため、「資産価値の減少が緩やか」という特長があります。築10年、20年と経過しても需要があまり落ちないことは、オーナーにとって最も大事な優良物件の条件といってよいでしょう。

2売却したいときに高値で売れる物件

賃貸マンション経営においては、出口戦略をイメージしておくことも重要です。ローンの支払いが終わって新築マンションに買い替えたい場合は、売却が必要になります。優良物件を保有していると資産価値が下がりにくいため、売却する際も比較的早く買い手が見つかる傾向にあります。また人気エリアの物件であればローンの支払い終了前でも買値を上回る金額で売却できる場合があります。

特にハイグレードマンションと呼ばれる質の高い物件は、需要が供給を上回っている状態で資産運用型マンションとして今後も伸びることが期待できるでしょう。

3入居者の属性が高い物件

マンション経営の基本的な収入は、入居者からの家賃です。いくら満室になっても家賃の滞納やトラブルが多い入居者であればまともな経営ができません。そのため収入に余裕があって家賃の滞納がなくゴミ出しのルールや管理規約を守る優良な入居者を選定することが理想的です。そのような属性の高い人が多く住むエリアのマンションも優良物件といえます。

具体的には、富裕層が多く住むようなエリアであれば入居者の属性は相対的に高くなることが期待できるでしょう。では、優良物件が開発されオーナーに供給されるまでの流れはどのようになっているでしょうか。次項では、優良物件の土地の調査と取得について解説します。(ワンストップサービスの一例で不動産会社によって異なる場合があります)。

優良物件は土地の調査と取得から

優良物件は、土地の調査と取得から始まります。土地の取得にあたっては、常にアンテナを張って情報収集をするだけでなく実際に街を歩いて人と出会い街の特性や街が抱える課題も調査することが欠かせません。なぜなら徹底した調査を行うこと「対象エリアの入居者の属性」を判断することができるからです。AI技術では、需要や相場は予測できても入居者の属性や地域性まで判断することはできません。

有力な不動産会社のWebサイトを確認すると優良物件が多いエリアとして共通しているのは東京23区です。各社が東京23区に力を入れる理由は、社会状況に左右されない高い賃料水準が望めるからでしょう。2020年12月に発表された東京カンテイの「三大都市圏・主要都市別/分譲マンション賃料月別推移」によると、2020年11月における東京都の1平方メートルあたりの賃料は3,696円(前月比マイナス0.1%)と依然として高い水準を維持しています。

首都圏全体では1平方メートルあたり3,156円(前月比マイナス0.2%)と微減で高止まり傾向にあり、周辺も含んだ東京エリアの安定感がうかがえます。この数字は、新型コロナウィルスの影響で社会的に停滞感がある中でのデータだけに賃貸マンション経営の安全性が改めて浮き彫りになった形です。

魅力的な建物の開発

土地を取得した後は、次に建物の開発が行われます。建設の際には、プロデュースする不動産会社が協力会社と打ち合わせを行い物件の仕様や外観・内装を決定。不動産会社は、常に建設の進捗具合をチェックしながら魅力的な物件に仕上げていきます。マンションの開発で大事なことは、入居者にとって快適に暮らせる物件にすることです。

特にワンルームマンションは、居住面積が広くないため、「収納にどのようなアイデアを組み入れるか」が大事になります。例えば、デッドスペースにウォールキャビネットを設置することで、広々とした空間を確保できます。キッチンも機能的なワイドサイズのものを導入することで、作業スペースを広くとることが可能です。

このようなアイデアを取り入れることで、自炊派のユーザーから選ばれる可能性が期待できるでしょう。

オーナーへの物件紹介

完成したマンションは、やがてオーナーへ紹介されます。オーナーが物件をチェックするときのポイントは「立地」「デザイン」「間取り」「セキュリティ」「価格」などです。建物は、これらの基本的な仕様がオーナーにとって満足が得られるものであれば成約に至る可能性は高いでしょう。マンション経営は、長期的な安定収入を生むだけでなくインフレ時のリスクヘッジができ、生命保険代わりにもなります。

これらのメリットを活かすことでライフプランに沿った最適な資産運用が提案されるでしょう。相談してきたオーナーには、年収・資産・家族構成および将来的な展望、理想のライフスタイルなどをヒアリングして最適な物件が紹介されます。

入居者募集でスタートをサポート

物件を取得したオーナーにとって心配なのは「入居者を確保できるか」です。一棟物件の場合であれば何部屋かは埋まる可能性が高いですが、区分所有の場合は入居者がいなければ家賃収入がまったくない状態になります。ここで頼りになるのが不動産会社の「リーシング部門」です。この部門では、入居者募集から内覧希望者に対する現地への案内、入居を希望した場合の審査・契約まで一括して行ってくれます。

メンテナンスと管理のアフターフォローが大事

マンション経営は、入居者が決まれば安心というわけではありません。取得した物件がいつまでも魅力的であるためには、メンテナンスと管理が大事になります。不動産会社でメンテナンスと管理を担当するのが「プロパティマネジメント部門」です。この部門では、入居者からの家賃集金とオーナーへの送金業務を行います。いわば入居者とオーナーをつないでくれる存在です。

また空室対策や家賃滞納、トラブルへの対応も行ってくれるため、本業がある忙しいオーナーでも安心してマンション経営を続けることができます。

優良物件を取得するにはワンストップサービスの不動産会社を活用する

ここまで優良な賃貸マンションがどのようにオーナーに供給され、サポートされるかを見てきました。従前の不動産販売では「不動産仲介会社は物件の仲介だけを行う」「不動産管理会社は建物の管理業務を行う」といった分業制が一般的です。また土地の調査・取得と建設は、別のデベロッパーが行っている可能性があります。

このようにそれぞれの会社が自分の受け持つ分野のみかかわる形だったのです。中間業者が多くなるため、その分コストが上乗せされて物件価格に反映されることになります。そこで最近注目されているのが、先に紹介した土地の調査・取得から開業後のアフターフォローまでを一括して行う「ワンストップサービス」の不動産会社です。

すべての工程に自社がかかわることにより窓口を一本化してオーナーに対応することができます。その結果、きめ細かなサービスが可能になるのです。これから賃貸マンション経営を始めるなら一連の流れを一括して行うワンストップサービスの不動産会社を選ぶことが優良物件取得の近道といえるでしょう。(提供:Incomepress


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