長期の保有で、高利回りの配当が継続的に得られる銘柄があることが魅力の米国株。また、史上最高値を塗り替え続ける成長性にも注目が集まっている。米国のマーケットで売買できる銘柄は実に6,000を超えており、日本の証券会社経由でその半数以上が購入可能だ。 この記事では米国株の投資をするのにおすすめの証券会社と、初心者におすすめの米国株の投資方法を解説する。

米国株とは

米国株,初心者
(画像=ZUU online)

米国株とは米国のニューヨーク証券取引所やナスダック市場に上場している株式のことである。アップルコカ・コーラフェイスブックなど日本でも馴染み深い企業があり、それらに投資できることも特徴だ。

日本株のTOPIX(東証株価指数)と同様の指数があり、「ダウ平均」「S&P500」「ナスダック総合」がよく利用される。

また、日本株では「7203(トヨタ自動車)」のように銘柄コードが4桁の数字で表されるのに対し、米国株では「DIS(ウォルト・ディズニー)」、「AAPL(アップル)」のようにティッカーシンボルと呼ばれるアルファベットが用いられる。

さらに、日本株では売買できる単位が「100株」と単元株が定められてる。一方で、米国株では「1株」から購入可能だ。このように米国株は日本株と異なる点があるため、その分魅力も多いと言えよう。

米国株のメリットとは

米国株に投資をするメリットは主に以下の4つだ。

米国株に投資をするメリット

●継続的な値上がりが期待できる

●配当が3ヶ月に1度受け取れる

●配当利回りが日本株よりも高い

●1株から取引できる

日本の株式は原則として100株単位での取引なので、株式投資を始めるのに数十万円ほどの初期費用が必要になる。一方、米国株はMicrosoftやApple、Googleなどの一流企業を含めて、あらゆる株式を1株から取引できるので、数千〜数万円程度で投資を始めることが可能だ。

とはいえ、3,000を超える銘柄から長期にわたって上昇する可能性の高い銘柄を見つけるのは、初心者には難しいことだろう。そこで初心者にもおすすめできるのが、米国株のETFだ。ここからは、そのETFについてわかりやすく解説していく。

外国株専門家のコメント

米国株のETFとは

米国ETFとは、日本の投資信託のようなものだ。ただし、いわゆる投資信託と違ってマーケットに上場しているので、株式と同じように取引時間中に売買できる。

米国ETFには、S&P500やNYダウといった代表的な株式指数と連動するものや、債券の指数や再生可能エネルギーなどの指数に連動するものなどさまざまだ。資産運用のプロが、こうした指数をベンチマークとして対象銘柄の運用を行っている。

以下の3点が、米国ETFの代表的なメリットだ。

米国ETF

米国株のETFを選ぶときの3ポイント

多くの米国ETFの中から、どれを選んだらよいのだろうか。ポイントを3つに絞って紹介する。

米国株のETFを選ぶときの3ポイント

・流通量

・自分の投資スタイルとポートフォリオは合っているか

・経費率

・流通量

ETFのメリットとして、リアルタイムで取引できることが挙げられるが、このメリットを活かすために大切なのは常日頃の出来高が多い銘柄を選ぶことだ。出来高が少ないと良いタイミングで取引できないケースもある。

・自分の投資スタイルとポートフォリオは合っているか

米国ETFのポートフォリオは「高配当利回りの銘柄が中心」「S&P500構成銘柄のみで構成」といったように、それぞれに特徴がある。自身の目的にあった投資スタイルのタイプを選びぶとよいだろう。

・経費率

投資先の分散目的でETFを選ぶ初心者の場合、注意するべきはコストだ。つまり、経費率が低いものを選ぶことが重要となる。

また、国内株式にはない為替手数料などのコストも発生することも理解しておいたほうがよいだろう。

高配当利回り銘柄おすすめETF3選

高配当利回りを狙うETFの中から、おすすめのものを3つ紹介する。

・「SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF」

S&P500指数採用銘柄の中から、S&P500高配当指数をベンチマークとして連動する。分配金の利回りは4.95%だ。

・「iシェアーズ・コア米国高配当株ETF」

ベンチマークをモーニングスター配当フォーカス指数と連動し、財務状態が健全なクオリティの高い74銘柄から構成されている。ただし、銘柄が少ないので分散効果は限られるといえる。

・「バンガード米国高配当株式ETF」

ベンチマークはFTSEハイディビデンド・イールド・インデックスとし、大型株を中心としてできている。長期間にわたって安定的に分配金が得られる期待ができるタイプだ。

S&P 500構成銘柄おすすめETF3選

S&P500とは、2つの米国マーケットに上場しているものから、500の代表的銘柄の株価を浮動株調整後の時価総額比率にて加重平均し、はじき出された指数だ。

・「iシェアーズ・コアS&P500ETF」

米国大型株で構成されるS&P500指数と同レベルの投資効率を狙った銘柄。実際に米国マーケットの大型株と値動きが連動する。

・「SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF」

S&P500の中から高配当利回りのトップ80で構成されるS&P500高配当指数をベンチマークに運用される。利回重視の一般消費財セクターと不動産セクターの割合が多いので、景気の下降フェーズでは値動きがやや大きくなるようだ。

・「SPDRS&P500(SPDRトラストシリーズ1)」

米国のETFの草分け的な存在。高い流動性のおかげで、売りたいときにすぐに売ることができる銘柄でもある。

ナスダック100指数連動おすすめETF3選

ナスダック市場に上場している銘柄を、時価総額加重平均して算出された指数に連動するETFのおすすめを3つ紹介する。

・「iFreeNEXTNASDAQ100インデックス」

米国株に投資し、ナスダック100指数の円ベースの動きに連動した成果を狙う銘柄。

・「NEXTFUNDS NASDAQ-100®連動型上場投信」

ナスダック総合指数の中から金融を除いて、流動性と時価総額が最も高い約100銘柄でできているナスダック100指数への連動を狙う銘柄。

・「インベスコQQQトラストシリーズ1ETF」

ナスダック100指数に連動する成果を狙う銘柄で、組み入れ銘柄は大手IT企業の割合が多く、値上がり益を期待できる。

米国ETF投資におすすめの証券会社

前述のように、初心者でも少額から手軽に「分散投資」に取り組めるのがETFの良いところだ。ここでは、そんなETF投資を始めるのにおすすめの証券会社を紹介する。

【マネックス証券】
米国株の取り扱いに強く、ミニ株も取引できて手数料も安いのが魅力だ。

【SBI証券】
口座開設数ナンバーワンで、投信本数や外国株取扱国数もナンバーワンとなっている。

【楽天証券】
口座開設数第2位で、外国株や投資信託に強く、提供しているマーケットスピードというアプリを利用することできる。

 ネット証券会社名
 取引手数料※1  米国ETF取扱数※2  特徴
monex詳細はこちら  最低0ドル
 約定代金の0.45%
 311銘柄  米国株取引で最大3万円キャッシュバック
sbi詳細はこちら  最低0ドル
 約定代金の0.45%
 258銘柄  口座開設数国内No.1
rakuten詳細はこちら  最低0ドル
 約定代金の0.45%
 312銘柄  米国ETF取扱数No.1
 買付手数料実質無料
※1:最大取引手数料は20ドル
※2:2020年12月23日現在

米国ETFが初心者におすすめの理由

日本の証券会社で取引できる米国株は3,000銘柄を超えており、初心者が自分で見極めることは至難の技だ。しかし、ETFであれば専門知識がなくても、保有するだけで自動的に分散投資ができる。

また、少額から投資することができるため「試しに米国株投資を始めたい」という初心者にもトライしやすいシステムとなっている。

米国ETF(アメリカETF)の3つの特徴

ここでは、米国ETFの特徴を3つの項目に絞って分かりやすく解説する。

米国ETFの3つの特徴

・低コストで運用できる

・リスクを分散できる

・取引がリアルタイム

・低コストで運用できる

米国ETFは、経費率が低く設定されている。一般的な投資信託の経費である信託報酬と比べて、経費率が低い。経費は保有しているかぎり継続的にかかってくるコストなので、非常に大きなメリットになる。

・リスクを分散できる

数多くの銘柄をポートフォリオに組み込んだ平均値でできているEFTは、特定の銘柄だけに投資するよりも、リスクを分散できる投資法だ。

分散投資は投資の基本だが、初心者が始めたばかりでは行うには、資金的にも専門知識の面でも困難な場合がある。しかし、EFTなら投資の知識が浅くても、資金が少額でも、スペシャリストによる采配で分散投資ができるところが魅力だ。

・取引がリアルタイム

内容としては投資信託でありながら、米国ETFはマーケットに上場している。価格の変動を見ながら、マーケットでリアルタイムに売買が可能だ。

一般の投資信託では、取引価格は毎日夜に確定する基準価額が適用される。注文する時点では約定代金そのものは分からないが、米国ETFはその場で約定価格を見ながら取引が可能だ。

ETF市場が成長する背景

近年、証券投資の収益率が低下する中、米国を中心に機関投資家がコストを強く意識する傾向が高まっている。

そういった背景からも、低コストが売りであるETFの成長につながっている面がある。

米国ETFは品揃えが豊富

海外ETFの中では米国の比率が多く、実に日本の10倍近い数の銘柄が上場している。たとえば、ヨーロッパやアジアなどのまとまったエリアの株価指数やさまざまな債券の指数、あるいは特定の事業の株価指数に連動するものなどだ。

さらには、特定の商品の指数に連動するものや、海外REITの指数に連動するものなど、多種多様な指標に連動している。その結果、ポートフォリオのバランス調整をするものとしても広く使われるに至っている。

米国ETFを購入する際の注意点

米国ETFのメリットを最大限に活かした投資をするために、注意しておくべきポイントについて触れておこう。

ETFはそもそも基準価額の値動きに対象指数の値動きが、さまざまな理由によって連動しない場合がある。基準指数が上がっていても必ずしも上がるとは限りらない。

高利回りの銘柄には、赤字が続いている株式や、信用格付けが低めの社債などの比率が高いという潜在的なリスクがある。

高利回りをメインに選ぶのであれば、利回りが5%程度までの銘柄を選ぶのが賢明だろう。それを超えるものであれば、ナスダックやS&P500などから組み入れる銘柄を選んだものなら安全性が高いといえる。

実際に米国株投資を始めてみる

投資の初心者に向けて、比較的取り組みやすくてリスクも分散できる米国ETFを紹介した。

関心をもった人は、ここでおすすめとして紹介した楽天証券、マネックス証券、SBI証券などのサイトをチェックして、検討してみてはいかがだろうか。

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