1株や10株単位で取引できる「ミニ株」や「単元未満株」は、少ない金額で投資を始められるのが魅力です。本記事では、ミニ株(単元未満株)に投資する場合におすすめのネット証券を5社紹介します。

ミニ株(単元未満株)の仕組みや注意点についてもわかりやすくまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

ミニ株とは?

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(画像=ネット証券,ミニ株,おすすめ)

まずはミニ株の意味を簡単に確認しましょう。

ミニ株の意味と通常の株式との違い

ミニ株と通常の株式の違いは以下の通りです。

  通常の株式
(単元株)
ミニ株 単元未満株
取引単位 100株 10株 1株
取引の場所 取引所 取引所以外
取引できる銘柄 基本的に制限なし 証券会社によって違う

通常の株式は、証券取引所で100株単位の売買を行います。取引所の売買単位を「単元」というので、100株を1単元と数えます。

一方「ミニ株」は10株単位、「単元未満株」は1株単位で売買。取引所では売買ができないため、証券会社が取引の相手方になり、取引を成立させてくれます。

売買できるのは証券会社が指定する銘柄だけ

ミニ株や単元未満株の売買は、証券会社が指定する銘柄だけです。証券会社によって取り扱い銘柄が違うので注意しましょう。

ミニ株投資におすすめのネット証券5選

ミニ株投資をするのにおすすめのネット証券を5社紹介します。

  取引単位 取り扱い銘柄 手数料
概要 銘柄数
SBIネオモバイル証券
(S株)
1株 上場銘柄
(ETF含む)
約4,000 月220円~
※月額制
SBI証券
(S株)
1株 0.55%
LINE証券
(いちかぶ)
1株 指定の銘柄
(ETFあり)
約1,000 0.2~1.0%
ferci(フェルシー)
(ワン株) 
1株 上場銘柄
(ETF除く)
約3,700 0.55%
日興フロッギー
(キンカブ)
100円 指定の銘柄
(ETFあり)
約3,700 100万円以下の取引
買い:0%
売り:0.5%
100万円超の取引
1%
※取り扱い銘柄は売りしかできない銘柄も含む

SBIネオモバイル証券(S株) 毎月200円分のTポイントがもらえる

SBIネオモバイル証券は取引の手数料は無料ですが、月額の手数料が掛かります。取引がなくても最低220円掛かってしまいますが、毎月200円分のTポイントがもらえます。もらえるポイントはSBIネオモバイル証券でしか使えないので注意しましょう。

SBIネオモバイルの月額利用料
月の取引金額 月額利用料
0~50万円以下 220円
300万円以下 1,100円
500万円以下 3,300円
1,000万円以下 5,500円
以下100万円ごとに1,100円加算

SBI証券(S株) ほとんどの銘柄を取引できる

SBIネオモバイル証券と取引の仕組みは同じですが、取引手数料に違いがあり、SBI証券では取引ごとに0.55%の手数料が掛かります。

なお、東証に上場していない銘柄は売却のみ可能です。

LINE証券(いちかぶ) 単元未満株のリアルタイム取引ができる

ミニ株や単元未満株の取引はリアルタイム取引ができない場合がありますが、LINE証券はリアルタイム取引に対応しています。

参考に、各社の取引時間を表にしました。

SBIネオモバイル証券 ・0~7時までの注文:当日9時に約定
・7~10時半までの注文:当日12時半に約定
・10時半~13時半までの注文:当日15時に約定
※以降は翌日の注文扱い
※東証以外は取引ルールが異なる
SBI証券
LINE証券 注文を出したタイミングで約定するリアルタイム取引
21時までの夜間取引にも対応
※夜間取引はグループAのみ
ferci(フェルシー) ・11時半までの注文(11時半~17時まで受け付け無し)
※17時以降は翌日の注文扱い
日興フロッギー ・0~2時、5~8時までの注文:当日9時に約定
・8~11時半までの注文:当日12時半に約定
※以降は翌日の注文扱い

ferci(フェルシー ワン株) SNS機能で情報交換しながら投資できる

ferciは「マネックス証券」のサービスで、SNS機能で情報を交換や投資の相談をしながら単元未満株の取引ができます。

日興フロッギー(キンカブ) 記事から株式を買える dポイントも

日興フロッギーは「SMBC日興証券」のサービスで、上場企業を紹介した記事から株式を買えるサービスに特徴があります。企業の特徴や強みを理解しながら投資でき、dポイントを使うことも可能です。

ミニ株投資におすすめの銘柄10選

次は、ミニ株や単元未満株におすすめの銘柄を10紹介します。「株価が高い株(値がさ株)」と「配当利回り」でそれぞれランキング形式で5社ずつ紹介していきます。

値がさ株(株価が高い株)ランキング ミニ株なら買いやすい

ミニ株や単元未満株で取引するのですから、せっかくなら株価が高くて100株単位では買いにくい銘柄を選んでみてはどうでしょうか。

株価が高い株を「値がさ株」といいますが、東証1部上場の値がさ株ランキングから5銘柄見てみましょう。

<東証1部上場 値がさ株(株価が高い株)ランキング>

銘柄 株価
(2020年
10月21日
終値)
概要
ファーストリテイリング
(9983)
72,090円 「ユニクロ」や「ジーユー」を展開
SMC
(6273)
57,390円 空気圧制御システムの世界的大手
任天堂
(7974)
56,250円 世界的ゲームメーカー
キーエンス
(6861)
48,780円 FAセンサーなど検出・計測制御機器大手
東京エレクトロン
(8035)
29,050円 半導体の製造装置大手

値がさ株ランキングTOP5の株式は、通常だと300~700万円程度の資金が必要ですが、ミニ株や単元未満株なら数万円から投資が可能です。

配当利回りランキング ミニ株でも配当がもらえる

ミニ株や単元未満株でも配当をもらえます。企業の予想配当利回りランキングを確認してみましょう。

<東証1部上場 予想配当利回りランキング>

銘柄 株価
(2020年
10月21日
終値)
配当利回り
(会社予想) 
概要
JT
(2914)
1,984円 7.77% 日本たばこ産業
食品や医薬品も
芝浦機械
(6104)
2,194円 7.45% 成形機、工作機械メーカー
ソフトバンク
(9434)
1,226円 7.10% ソフトバンクグループ中核の携帯会社
子会社にヤフー
あおぞら銀行
(8304)
1,770円 6.93% 中堅銀行 
GMOグループと協業
三井住友
フィナンシャルG
(8316) 
2,995円 6.41% メガバンクの一角

ミニ株(単元未満株)投資をするメリットと注意点

ミニ株や単元未満株に投資するメリットや注意点を確認しましょう。

ミニ株(単元未満株)投資をするメリット

まずはミニ株や単元未満株のメリットを確認しましょう。

・メリット①:少ない金額でも投資の選択肢が増える

値がさ株ランキングでもご紹介したように、ミニ株や単元未満株のメリットは、株価が高い銘柄にも投資しやすくなる点です。

・メリット②:買い足して100株に達すれば単元株扱い 早く始めることができる

ミニ株や単元未満株の取り引きで株数を買い足していき、100株に達すれば通常の株式と同じように取引できるようになります。値上がりする前に少しずつ買い足していくことが可能です。

ミニ株(単元未満株)の注意点

ミニ株や単元未満株の注意点を確認しましょう。

・注意点①:議決権はない

株主総会での議決権は通常1単元(100株)が必要です。ミニ株や単元未満株では議決権がないので注意しましょう。

・注意点②:通常の取引より手数料が高い場合がある

ミニ株や単元未満株の取引手数料は、100株単位の株式取引より高い場合があります。

たとえば本記事で紹介したネット証券で、ミニ株(単元未満株)と通常取引の両方を取り扱っている3社の場合は以下のようになります。

<10万円の取引をする場合>

  ミニ株(単元未満株) 100株単位
SBI証券 片道550円 無料
(アクティブプラン)
LINE証券 日中:片道50円
夜間:500円
買い:無料
売り:176円
マネックス証券
(ferci フェルシー)
片道:550円 片道:110円
(取引毎手数料コース)

・注意点:③株主優待はもらえない可能性がある

ミニ株や単元未満株でも配当はもらえますが、株主優待はもらえない可能性があります。企業の条件のほか、証券会社の取り扱いによって変わってきます。

詳細は次の章「ミニ株(単元未満株)投資Q&A」でご説明します。

ミニ株(単元未満株)投資Q&A

ミニ株や単元未満株の投資でよくある質問をQ&A形式で確認しましょう。

Q:ミニ株と単元未満株は違うの?
A:どちらも単元未満株と言えますが、ミニ株は10株単位の取引、単元未満株は1株単位の取引を指すことが多いです。

単元株
(通常の株式)
100株単位の株式
単元未満株 100株未満の株式
(ミニ株、単元未満株)
参考)端株(はかぶ) 1株未満の株式

Q:ミニ株だと配当はどうなるの?
A:ミニ株や単元未満株の投資でも配当はもらえます。

Q:ミニ株だと優待は受けられるの?
A:条件を満たせば、ミニ株や単元未満株でも株主優待を受けられることがあります。

その“条件”とは次のようなものです。

【ミニ株(単元未満株) 優待をもらえる条件】
・条件①:株主優待が100株未満を対象にしている
・条件②:株主名義が自分の名前になっている(証券会社名義になる場合がある)

まず、株主優待を実施している企業が、「100株に達していない株主に対しても優待を出す」という取り決めをしている必要があります。株主優待はあくまで企業の任意なので、株数に条件を付けていることがあります。

次の条件は株主名義です。ミニ株や単元未満株の取引では、複数の注文を証券会社が1つにまとめ、「〇〇証券会社投資口」などの名義で株式を調達する場合があります。株数はそれぞれに割り充てられますが、名義はあくまで証券会社のままです。

配当は株数に応じて証券会社が割り充てますが、株主優待は割り充てないか、あるいは換金して割り充てるケースがあります。

本記事で紹介したネット証券では、ミニ株や単元未満株の名義を以下のように取り決めています。

  株主の名義
SBIネオモバイル 顧客
SBI証券
LINE証券
ferci(フェルシー)
日興フロッギー 証券会社
※100株に達したら顧客

ミニ株や単元未満株の、配当や優待、議決権について以下にまとめました。

  通常の株式 ミニ株/単元未満株  
株主の名義 顧客名義 顧客名義 証券会社名義
配当
優待 ×
議決権 × ×

Q:ミニ株は儲けられるの?
A:ミニ株や単元未満株でも、通常の株式と同じく、株価が上昇すれば利益が出ます。ただリスクに関しても同様なので、絶対に利益が出るわけではありません。

注意点に気を付けて気軽にミニ株投資を始めましょう

少ない金額で取引きできるミニ株(単元未満株)投資は気軽に始めることができます。注意点に気を付けながら取引を始めてみてはいかがでしょうか。

文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有。

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