16日にビットコイン価格が市場最高値2万ドル(約206万円)を超えたことで、100万ドル(約1億円)相当以上のビットコインアドレス数が6万6,540に上ったことがわかった。17日、大手ブロックチェーン分析企業Glassnodeが公式Twitterで明らかにした。

ビットコイン
(画像=月刊暗号資産)

Glassnodeによると、この1週間でビットコイン価格上昇と共に100万ドル(約1億円)相当以上のアドレス数が150%増加したという。

また17年末の暗号資産(仮想通貨)バブル時のビットコインアドレス数、2万台を大幅に更新した。

ビットコインの価格は16日夜に国内外の取引所で2万ドルの節目を突破し、17年12月に記録した過去最高値を塗り替えた。17日には2万3,642ドルまで価格を伸ばしている(CoinMarketCap参照)。

日本では1億円相当以上の資産を所有しているユーザーは「億り人」と呼ばれている。

今回、ビットコイン価格が2万ドルを超えたことで、国内でも「億り人」が増加したと予想される。

一方で日本の税制では、暗号資産取引による所得は「雑所得」に分類されるため損益通算はできず、税率も最大55%となる。

仮に1億円相当のビットコインを利確した場合、利益の半分以上は税金に取られる仕組みとなっている。もし、「億り人」になったとしても、翌年に支払う税金を考えて使わないといけない。

これに対して株取引やFXは他の所得とは分離して、確定申告によって税金を納める申告分離課税が適用され、税率は20%(所得税15%、住民税5%)となっている。

8月には日本の暗号資産取引業界の自主規制団体である日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)と日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が共同で「暗号資産による利益は分離課税対象とはされておらず、このことが利用者による適正な申告を妨げている側面がある」として、適正な申告がされていない実態があると指摘した。

11月、暗号資産取引で得た利益への課税を「20%の申告分離課税」とすることなどを盛り込んだ要望書を共同で取りまとめ、自民党の税制調査会に提出した。

現在、記事執筆時点で、ビットコイン価格は日本円建てにおいて約237万円(bitFlyer参照)で取引されている。

16日、ビットコインが2万ドルに到達してから、日本経済新聞のような経済紙からスポーツ紙までビットコイン急騰のニュースで賑わっている。

この上昇機運で世間の認知度も高まる中、これまで「雑所得」で片づけられていた暗号資産の税制も、政府で議論されることが望まれる。(提供:月刊暗号資産