株式会社大林組は、株式会社digglueの協力のもと、建設業界におけるブロックチェーン活用に向けた実証実験を開始した。24日、同社がプレスリリースで発表した。

大林組によると、今回の実証実験は建設現場で利用するコンクリート受入検査システムの検査データをブロックチェーン上に記録するシステムを活用する。建設業での施工プロセス透明性の確保を狙っているという。

暗号資産
(画像=月刊暗号資産)

大林組は「今までも改ざんを防止・検知する機能をコンクリート受入検査システムに実装していましたが、システムの脆弱性を突かれ、外部からの攻撃によりデータを改ざんされるリスクがありました」「そのため、新たにブロックチェーンの仕組みを利用し、建設現場での検査データの信ぴょう性をさらに高める取り組みに着手しました」とブロックチェーン実証実験、活用の目的を説明した。

具体的には、digglueのブロックチェーンを使った検査履歴管理システムで、建設現場のコンクリートを受け入れる際に、コンクリート受入検査システムへ測定値や写真などのデータを記録する。

そして検査履歴管理システムのデータベースへアップロードすると同時に、データのハッシュ値をブロックチェーンに書き込むという。

検査の際には、コンクリート受入検査システムのデータから再作成したハッシュ値と、ブロックチェーン上のハッシュ値を照らし合わせ、一致すれば改ざんがないことを証明できる仕組みだ。

一方で、一致しなかった場合には、検査履歴管理システム上に記録された変更履歴とブロックチェーン上のハッシュ値を照らし合わせることで、改ざんが発生したタイミングを追跡することが可能となり、検査履歴の透明性の向上も期待できるとしている。

大林組は「今回の実証実験により、コンクリート受入検査システムを対象とした検査履歴管理システムの有効性を確認し、今後は建設現場内のさまざまなシステムのブロックチェーンとの連携を検討していきます。さらに、協力会社との取引においても納品や返却などの情報を共有化し、突合作業を簡素化するなど現場業務の平準化をめざします」と展望を語った。(提供:月刊暗号資産