九州最北端に位置する福岡県に関して「美食の街」などのイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。福岡県は人々が住みやすく移住しやすい環境を作るために様々な施策を実施している県のひとつで、様々な理由から不動産投資を行うためのエリアとしても注目が集まっています。
本記事では、なぜ福岡県が不動産投資に向いているのかについて「物価」「人口の推移」「移住支援制度」の3点からご説明します。地方での不動産投資を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
物価の安さ
九州といえば物価が安いとのイメージを持たれる人も多いのではないでしょうか。実際に福岡は月々のコストが関東圏などと比べて安い傾向にありますので、それぞれ政府が公表しているデータを元に解説いたします。
総合物価
福岡の魅力の1つは物価の安さにあります。総務省統計局が公表している「小売物価統計調査(構造編)」によると、平均値を100とした場合の2019年の全国の消費者物価地域差指数は、東京都が104.7であるのに対し、福岡県は96.8でした。この物価の安さは、調査年では宮崎県・鹿児島県・群馬県に次いで全国第4位です。
<消費者物価地域差指数(総合)(都道府県)>
都道府県 | 指数 | |
---|---|---|
1位 | 東京都 | 104.7 |
2位 | 神奈川県 | 104.0 |
3位 | 埼玉県 | 101.0 |
4位 | 千葉県 | 100.7 |
5位 | 京都府 | 100.6 |
43位 | 岐阜県 | 97.3 |
44位 | 福岡県 | 96.8 |
45位 | 群馬県 | 96.6 |
46位 | 鹿児島県 | 96.3 |
47位 | 宮崎県 | 96.0 |
参照:総務省統計局「小売物価統計調査(構造編)」
都市別の消費者物価地域差指数を見ても、北九州市・福岡市はそれぞれ全国の都市と比較して、6位と7位の物価の安さ誇っています。
食料物価
前述の小売物価統計調査を参照すると、福岡市の食品にかかる水準は全国平均よりも「-1.29ポイント」と、低い数値をマークしています。また、総務省の公開している「平成26年(2014年)全国消費実態調査の集計結果」を元にすると、福岡では単身世帯は月々約3万円前後の食費で生活することが可能です。
福岡に移住する人の中には、食が充実しているという理由で選ばれる人も多いのではないでしょうか。博多ラーメンや明太子などが全国的に有名な県ですが、それらを楽しんだ上で食費を安く抑えられるというのは、大きな魅力であると感じられる人も多いはずです。
家賃
月々の家賃で比べてみても、福岡は関東の主要都市と比べると非常に安く抑えられます。総務省統計局の「住宅・土地統計調査」の情報をベースにすると、1ヵ月あたりの家賃平均は東京都で8万円前後、神奈川県で7万円前後です。
福岡では5万円前後で済むという調査結果が出ており、全国平均としても非常に安い数値となっています。
若者に人気の街で人口が増加している
不動産投資の観点から見た場合、家賃の安さはあまり魅力的ではないと感じるかもしれません。しかしながら、福岡県の人口は2020(令和2)年9月時点で約511万人となっています。
この人口数は、全国で比較しても上位に位置する数値です。次の項目からは、そんな福岡県の人口の推移についてより詳しく解説します。
福岡の人口が増えている
全国水準で見ても人口が多い福岡県ですが、特に福岡市に住む人の数は年々増加傾向にあり、2015年10月の時点で153万人強だった福岡市の人口は、2020年9月時点で160万人を超えています。これは横浜市・大阪市・名古屋市・札幌市に次いで政令指定都市第5位の数値です。
そもそも、2020年は新型コロナウイルス感染拡大に伴って、都市部への一極集中のリスクに対する関心が高まりました。それに伴って、全国的に地方移住の流れが促進されています。総務省の「住民基本台帳人口移動報告」によると、2020年10月時点での東京都における人々の移動は、転入者より転出者が多くなっていました。
それに反し、東京都以外の地方では転入者数が増え、転入超過数がプラスになったのが2019年では10府県であったのに対し、2020年では23道府県に増えています。福岡県もその内のひとつです。転入者が増えている理由としては、前述の物価の安さに加え、飛行機・船・鉄道などの交通の便が発達しており、日本やアジアの主要都市への移動手段が豊富であるという点もあるでしょう。
中でも15〜24歳の人口があと10年は増加する
福岡市は、若者の人口が多い都市でもあります。2015年の国勢調査によると、福岡市の10代から20代の人口の割合は22.05%であり、2015年時点では全国の政令指定都市中第1位の数値でした。
若者が増えている理由の1つとして、福岡における大学の多さが考えられるでしょう。福岡市内には大学・大学院が10以上あり、短大高専、専修学校を含めると100を超える数になります。人口10万人当たり短大・高専・大学・専修学校の数は、東京都を加えた全国21大都市との比較でも第1位となっています。福岡市は、数多くの若者を招き入れ、人材を輩出するための土壌が整っている都市なのです。
コンパクトにまとめられた福岡中心街には、若者に人気のスポットも多数あります。石畳の道・唐草模様の天井・れんが造りの壁などの19世紀ヨーロッパの街並みをイメージした「天神地下街」や、若者のファッション&グルメエリアとして人気の「大名」などが全て徒歩圏内に揃っています。
福岡市の移住支援が充実している
福岡で今後人口が増えていくと予想される理由の一つとして、行政が積極的に行っている移住支援制度があります。
移住体験制度
福岡では移住を考えてる人を対象にして、地域の「暮らし体験」「住民との交流」などをお試しで経験できる「移住体験イベント」を実施しています。
この取り組みでは、各市町村が整備した住宅に滞在することができ、各地域での普段の生活を体験可能です。お試し居住施設がある市町村としては北九州市や大牟田市をはじめとする10都市で、いずれの都市も食文化や暮らしに関する様式に違いがあります。
その他にも福岡では、東京都23区から就業や起業を理由とした移住者に対し、最大100万円の補助金が出る制度もあり、行政が外部から人材の流入を図っています。今後さらに活気づく可能性があるのではないでしょうか。
移住コーディネーターが手厚くサポート
福岡県では、県内への移住定住を考えている人に対して移住相談の専門窓口「ふくおかよかとこ移住相談センター」が開設されています。窓口は福岡だけでなく東京都にもあり、専門の移住コーディネーターが、仕事・住まい・交通・子育て環境など生活に関わる相談を受け付けてくれます。
それ以外にも、移住コーディネーターは県内市町村の移住・定住支援制度に関しても紹介しており、移住に関して不安を抱いている人を手厚くサポートします。
福岡での不動産投資は魅力的
福岡の物価が安く交通の便もあり、実際に人口は増加傾向にあります。特に、総人口に対する10代・20代の若者人口の高さは注目すべき点であり、今後ますますの発展が期待される土地と言えるのではないでしょうか。福岡県は、不動産投資の選択肢としても魅力的なエリアですので、地方での不動産運用を検討されている人は、ぜひ今のうちから注目してください。
(提供:Spacible)