東京株式市場では、1月相場が終わりました。

日経平均株価の月末終値は27,663円39銭となり、前月末終値に対し、+0.8%と上昇を維持して月足としては3ヵ月連続の「陽線」となりました。ただ、日足チャートは月末に「つつみ足」を形成し、2月の波乱を予期させるかのような形状です。

2月に株主優待の権利が確定する銘柄は、小売・外食他、生活に密着した業種の銘柄が多く、その株主優待も多彩です。そのため、株主優待に強い関心を寄せる投資家にとっては、要注目の月となるでしょう。

そこで、今回は2月の株主優待銘柄をご紹介したいと思います。

20万円で買えて、投資家も関心の「2月優待」銘柄をピックアップ

日本株投資戦略,上方修正期待銘柄
(画像=PIXTA)

今回は、東証上場銘柄の中から2月に権利が確定し、株主優待について投資家の人気が高く、配当も期待できる銘柄を20銘柄選びました。投資家の皆さんがリスクを分散する際、パッケージ投資がしやすいように最低投資金額が20万円未満で、株主優待の権利が確定する銘柄を15銘柄ご紹介します。また、その他にも「ご参考」として、最低投資金額に関係なく5銘柄を選びました。

(1)東証上場銘柄(広義の金融を除く)であること。
(2)2月(権利付き最終日は原則2/24で一部2/17もあり)に株主優待の権利が確定する予定の銘柄であること。
(3)最低投資金額が20万円未満で、株主優待の権利が確定する銘柄であること。
(ただし、図表2に最低投資金額未考慮の銘柄も掲載)
(4)株主優待の権利を獲得するために、別途継続保有期間の条件がない銘柄であること。
(5)前期または上半期に配当の実績、または配当実施計画がある銘柄であること。
(6)直前四半期までの累計営業利益が黒字の銘柄であること。
(7)株主優待の内容が旅行や宿泊中心のものでない銘柄であること。

上記、すべての条件を満たす銘柄を、投資家の当社WEBサイト閲覧回数が多い順に並べたものが図表1(最低投資金額未考慮の銘柄は図表2)になります。

株主優待の権利が確定する最低投資単位については、トライステージ(2178)が400株、マルゼン(5982)が300株で、他はすべて100株となります。また、銘柄によっては、株主優待の権利を得るための最低継続保有期間が条件に付く場合もありますが、今回はこうした条件がない銘柄を選定しています。

株主優待の権利が確定するための最低投資金額が20万円未満の銘柄については、投資金額が100万円であった場合、5銘柄以上の分散投資が可能です。リスクを低減させるために、分散投資を行うことも有効な投資方法の1つでしょう。

20万円未満で株主優待の権利が確定し、投資家が関心の「2月優待」15銘柄
(画像=SBI証券)

図表1 20万円未満で株主優待の権利が確定し、投資家が関心の「2月優待」15銘柄
コード / 銘柄 / 株価(円)(1/29) / 株主優待の権利確保に必要な最低投資単位での株主優待内容の概要
< 3543> / コメダホールディングス / 1,888 / 1,000円相当の自社電子マネー
< 8905> / イオンモール / 1,692 / 3,000相当のギフトカードまたはカタログギフト
< 3048> / ビックカメラ / 1,130 / 買物優待券(1,000円)×2枚
< 2882> / イートアンドホールディングス / 1,866 / 3,000円相当の自社製品(冷凍餃子等)
< 2930> / 北の達人コーポレーション / 571 / 2,838円相当の自社製品(機能性表示食品)
< 3546> / アレンザホールディングス / 1,298 / JCBギフトカード1,000円相当
< 2337> / いちご / 288 / 抽選でJリーグ観戦チケット
< 7545> / 西松屋チェーン※ / 1,407 / 1,000円相当の買物カード
< 2918> / わらべや日洋ホールディングス / 1,630 / 1,000円相当のクオカード
< 7512> / イオン北海道 / 992 / 優待券(100円)×25枚
< 3222> / ユナイテッドスーパーマーケットホールディングス / 1,139 / 買物優待券(100円)×30枚、または食品
< 2178> / トライステージ / 433 / 400株で優待権利。クオカード1,000円相当
< 9414> / 日本BS放送 / 1,193 / 「ビックカメラ」商品券1,000円相当
< 3333> / あさひ※ / 1,620 / 優待券(1,000円)×4枚
< 2685> / アダストリア / 1,914 / 買物券3,000円相当

【ご参考】投資家が関心の「2月優待」5銘柄
(画像=SBI証券)

図表2 【ご参考】投資家が関心の「2月優待」5銘柄
コード / 銘柄 / 株価(円)(1/29) / 株主優待の権利確保に必要な最低投資単位での株主優待内容の概要
< 2292> / S Foods / 3,480 / 自社グループ製品カタログ販売
< 2294> / 柿安本店 / 2,641 / 株主優待利用券(500円)×2枚
< 3141> / ウエルシアホールディングス / 3,560 / 自社グループ買物券3,000円相当他
< 5982> / マルゼン / 1,802 / 300株以上で権利。1,000円相当のクオカード
< 2669 / カネ美食品 / 3,050 / 「セレクトグルメ配達便」3,000円相当

※図表1、図表2は会社公表データ、SBI証券株主優待検索ページ等をもとにSBI証券が作成。銘柄名右横に※印のある銘柄は権利確定日が2/17(水)で、その他の銘柄は2/24(水)。特に断り書きのない場合、100株を投資した場合の株主優待内容の概要。いずれの銘柄も、株主優待内容のすべてを記載した訳ではありません。株主優待内容の詳細については会社発表の情報をご確認ください。また、株主優待の内容等は、当レポート作成時のデータを使用しており、その後変更される場合があります。

株主優待の魅力

株式投資には、値上がり益を期待できることや、株主として配当金をもらえることなど、さまざまな魅力がありますが、株主優待が他の魅力と大きく異なるのは、その会社を実感できる可能性がある点ではないでしょうか。

ある会社へ投資を検討するとき、決算資料を読んだり、チャートを眺めたり、新聞や雑誌など、多くの情報を通して、その会社を知ろうとします。一方、株主優待は主に会社の商品やサービスの提供を受けることによって、その会社を直感的に知ることができます。

2月に株主優待の権利が確定する銘柄は、当該企業の店舗で使い、その商品やサービスを体験できるような内容のものが多くあります。その意味で、投資対象企業を「実感できる」チャンスは大きいように思われます。

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大により、株主優待のサービスを利用しにくい場合も出てくるため、今回は株主優待の内容が旅行や宿泊中心のものについては、ご紹介を控えています。

では、図表1または図表2で紹介した銘柄の一部について、株主優待等のご紹介を補足します。

≪イオンモール(8905)≫

大手流通企業であるイオン(8267)が56.8%の株式を保有し、イオンのショッピングセンターを開発・運営しています。国内中心の収益構造ですが、セグメント利益の一部が中国になっています。

2/24(水)時点で100株以上保有する株主にイオンギフトカードまたはカタログギフト3,000円相当が贈呈されます。500株以上では5,000円相当、1,000株以上では10,000円相当となります。優待品に代えてカーボンオフセットサービスの購入も可能です。また、3年以上継続保有した場合、上記優待品をさらに多く受け取ることができます。

なお、親会社のイオン(8267)も株主優待で人気の銘柄のひとつです。

2/24(水)時点で100株以上保有する株主に買い物金額の3%を返金する「優待カード」が贈呈されます。また、同じイオン系で首都圏中心に食品スーパーを展開するユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(3222)や、北海道中心のイオン北海道(7512)も、投資家の関心が高い株主優待を贈呈しています。

≪あさひ(3333)≫

大規模自転車専門店を直営中心に展開しています。生産は中国、台湾に委託、プライベートブランドの比率が5割弱に達します。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、感染予防につながる移動手段として自転車が注目され、直近についても、2020年12月の既存店売上高が前年同月比46%増となるなど、業績拡大に期待が高まっています。

2/20(土)が決算期末であるため、株主優待の権利付き最終日は2/17(水)となります。この日までに100株以上保有する投資家に対し、「サイクルベースあさひ」「ロハスサイクルあさひ」の全店舗及びインターネット通販(オンラインショップのみ)で利用できる優待券1,000円相当分が贈呈されます。500株以上保有で10枚、1,000株以上で20枚、5,000株以上で40枚が贈呈されます。

図表3 イオンモール(8905)・週足

イオンモール(8905)
(画像=当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。)

図表4 アレンザホールディングス(3546)・週足

アレンザホールディングス(3546)
(画像=当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。)

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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鈴木英之
SBI証券 投資調査部

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