カードローンは、急ぎでお金を調達したい人にとってとても便利なものです。しかし未成年は利用できません。では、未成年であっても“社会人”の場合はどうでしょう?
そこで今回は、未成年の社会人でもカードローンは利用できるのかを解説します。また「カーローン」や「学資ローン」など、未成年でも利用できるお金の調達方法もまとめました。ぜひ参考にしてください。
未成年はカードローンに申し込めない
まずは、カードローンの申込可能年齢を確認してみましょう。多くの会社が「20歳以上」としています。つまり「カードローンは20歳未満の未成年の人は申し込めない」のです。
一般的に未成年であっても結婚していれば成年扱いになるため、携帯電話やマンション・アパートの契約であれば親権者の同意が不要で行えます。
しかし、カードローンの場合はやはり申込条件が20歳未満となるため、申込自体ができないのです。この点も注意しておきましょう。
社会人でも、未成年の場合はカードローンに申し込めない
未成年の場合は、社会人で安定した収入があっても契約や申し込みはできません。勤続年数なども関係なく20歳未満であれば申し込みはできないのです。
カードローンの申込条件の中には「安定した収入がある人」というものがあります。成人していて安定した収入があれば、正社員や契約社員、パート・アルバイトなどの就業形態は問われない傾向です。また収入についての条件もないため、給与の多い少ないも関係ありません。
カードローンに頼らない!未成年者の資金調達方法を紹介
2021年2月時点では、社会人であっても未成年者のカードローン申し込みは難しい傾向です。では、カードローン以外に、未成年者の資金調達にはどのような方法があるのかを見ていきましょう。
「カーローン」などの目的別ローンを利用する
「カーローン」「学資ローン」「運転免許ローン」など資金の利用目的がはっきり決まっている人のためのローンです。
目的別ローンは仕事をしている18歳以上であれば申込可能です(カーローンの場合は就職内定者でも申込可能な場合もあり)。
ただし未成年者が申し込む場合は「親権者の同意および親権者の保証人が必要」という条件が付くことがあります。申込者の就業形態、同意する親権者の人数など条件は金融機関によって異なるため、事前に確認してください。
資金使途は自由ではありませんが、金利は1%台のものなどもあり、低めに設定されています。金利が10%を超えるケースもあるカードローンに比べると、その低さが分かるのではないでしょうか。
アルバイトをする
未成年の人が最も思いつく資金調達方法ではないでしょうか。
労働基準法第56条により、15歳になった年の最初の3月31日を過ぎると働くことができます。ただし未成年者の場合は、勤務先によって親権者の承諾が必要になることもあるため注意が必要です。
また15~18歳未満の人は労働時間が「1日8時間まで、週40時間まで」と制限されている点も気を付けておきましょう。
親や親族から借りる
「とにかく急いでお金を調達したい」という場合に便利な資金調達方法です。
親しい間柄での貸し借りになるため、返済に対しての考えが甘くなりがちですが親子間・親族間であっても返済義務は生じるため注意しましょう。
貸し借りの事実をあいまいにしないために「借用書を作る」「返済期日を決めておく」といったことをおすすめします。
クレジットカードのキャッシング
クレジットカードのサービスの一つに「キャッシング」があります。限度額範囲内でお金を借りられるサービスで、銀行・コンビニATMなどから行うことができます。
クレジットカードの契約自体は、18歳以上で法定代理人の同意があればできますが、キャッシングは20歳以上にならないと利用できません。
しかし未成年であっても、安定した収入のある既婚者の場合は利用が認められることもあります。その際は、利用限度額が数万円程度と少額になる可能性もあります。
中古品を売却する
リサイクルショップで中古品を売って資金化する方法もあります。未成年者でも利用できますが、売却に保護者の同伴や同意書が必要になることもあるため、必ず確認しておきましょう。
また不用品をネット上で売買するフリマアプリもありますが、大手フリマアプリでは未成年者でも利用可能となっていることが多い傾向です。
ただしこちらも親権者などの法定代理人の同意が必要となっています。必要に応じて法定代理人に確認の連絡が行く場合もあるため気を付けてください。
クラウドファンディングでの資金調達
ネットを通じて不特定の人たちから資金提供を受けるのが「クラウドファンディング」です。「チャレンジしてみたい事業があるから資金が欲しい」などネット上で目的を伝え、賛同した人たちから資金が提供されます。
クラウドファンディングも未成年者の利用が可能です。ただし利用する際は、親権者の同意を得てください。同意した旨の書面の提出が必要な場合もあるため、よく確認しておきましょう。
未成年がカードローンを申し込めない理由とは?
未成年は、学生・社会人のどちらでもカードローンの申し込みができません。その理由を詳しく確認してみましょう。
民法の規定
未成年がカードローンを申し込めないのは、民法の規定も理由の一つにあることも押さえておきましょう。
2021年2月時点、民法第4条では「20歳で成人」としています。また未成年が契約などの法律行為をする際は、親権者や未成年後見人といった「法定代理人の同意」が必要です。
もし同意を得ずに契約をした場合は、民法第5条に基づき未成年者本人、もしくは法定代理人がその契約を取り消すことができます。
契約の取り消しが実現すると主に以下の効果があります。
・契約時にさかのぼり契約無効となる
・すでに支払っているお金があれば返金請求できる
・支払い義務がなくなる
民法第5条は、知識や経験が少ない未成年者を守るためのものです。カードローンの未成年者契約ができないことが多いのも、民法に準じているカードローン会社が多いのが理由といえるでしょう。
民法改正で20歳未満のカードローン契約は変わる?
民法改正により2022年4月から成年年齢が18歳に変更されることが決定しました。この改正に伴い、18歳になると親権者などの法定代理人の同意なく、さまざまな契約が可能になります。
そのため各種ローン契約についても18歳以上であれば親権者の同意なしに契約できるようになるでしょう。ただしカードローンの申込可能年齢については、民法改正に合わせて申込可能年齢の引き下げがあるのか、現時点では不明です。
民法改正に伴い2022年4月以降は、カードローン会社の申込条件が変わる可能性も十分あるため、動向に注目しておきましょう。
未成年者は社会人でもカードローン利用不可!別の調達方法を考えよう
2021年2月現在、各カードローン会社の申込条件は民法の規定により20歳未満の未成年者のカードローン利用は不可となっています。
もし未成年者でお金が必要な場合は「アルバイトをする」「親に借りる」「中古品を売る」など別の調達方法を考えることをおすすめします。ただ2022年4月からは民法が改正され成人年齢が18歳に引き下げられますので、カードローンの利用に関しても変更の可能性があります。
この改正を受けてカードローンを取り巻く申込条件などが変わる可能性があるため、今後の動きを注視しておきましょう。
文・田尻宏子
複数の金融機関での勤務経験や証券外務員第一種、ファイナンシャル・プランニング技能士2級の資格を活かし、金融関連専門のライターとして活動中。生損保・不動産・ローンの情報を中心に「誰でも分かりやすい記事をお届けする」をモットーに執筆。
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