3日の暗号資産(仮想通貨)市場はNEM(ネム:XEM)の上昇が一際目立っている。前日比25%超を記録し、価格は一時90円を突破した。

この価格は2018年に発生したコインチェック事件でのXEM保有者に対して支払われた保証金額88.5490円を上回った形となる。

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(画像=月刊暗号資産)

NEMの次世代ブロックチェーンであるSymbolのローンチに向け期待感が高まっていることもあり、先月から価格右肩上がりに推移していた。

そのSymbolは最終ストレステストを完了し、先月22日には結果が良好であったことが発表。翌23日にはSymbolのローンチ日とそのブロックチェーン上で発行される「XYM(ジム)」のスナップショット日に関する発表が行われ、期待感は日に日に高まりつつある状況となっている。

スナップショットは2021年3月12日頃、ブロック高3,105,500で行われる予定。Symbolのローンチ日は3月15日を予定している。

XYMはスナップショット時の暗号資産XEMの数量に対して1:1の比率で配布される。対応している海外暗号資産取引所および国内暗号資産取引所に預け入れておくか、NEMウォレットでオプトイン(権利取得の意思表明)を行う必要がある。

国内取引所ではコインチェックやbitFlyer、Zaifなどが対応を発表している。ただし、国内取引所でのXYMの取扱いは現時点で未定だ。しかし海外取引所では続々と取扱いが決まりつつあり、Symbolのローンチ後、さらにその数は増加していくものとみられる。

Symbolはかつて「カタパルト」という名称でスタートした大型アップグレードプロジェクトだ。開発者および企業、個人向けに設計された次世代エンタープライズブロックチェーンとして、その活用に期待が集まっている。

なお、Symbolのローンチ後もNEMのブロックチェーンは稼働し、今後は並行して運用が行われるようだ。

3日の暗号資産市場はビットコイン、イーサリアムといった主要銘柄がやや価格を下げており、アルトコインも明暗を分けている状況となっている。

中でも、国内上場しているベーシックアテンショントークン(BAT)やエンジン(ENJ)はNEMに引けを取らない推移を見せている。

特にエンジンは執筆時点で前日比30%価格を上げており、今話題を集めているNFT(ノンファンジブル・トークン)との親和性が高いことから、その需要に対する思惑買いが進んでいるものとみられる。(提供:月刊暗号資産