中国で政策相場が本格化しそうだ。注目は第14次五カ年計画(2021~25年)のテーマ株。AIや半導体、新エネルギーなどの次世代分野から、内需、スポーツ、健康関連まで幅広く物色が進むと思われる。
動意付きそうなニューエコノミー株
新・五カ年計画は、3月5日から開催予定の全国人民代表大会(全人代)での審議・認可を経て正式決定する。昨年11月に公表済の簡易版「建議(提案)」から株式市場及び関連株の動向を探ってみる。 重要政策方針として「イノベーション推進」「産業高度化」などが挙げられているが、これらを推し進めるのは社会のデジタル化だ。クラウドやビッグデータという観点からテンセント(00700)、アリババ集団(09988)など、いわゆるニューエコノミー株への注目がより高まりそう。5Gの普及で恩恵を受ける小米集団(01810)や美団(03690)、スマートファクトリーを手掛ける海爾智家(600690)などもウォッチしておきたい。
また、内需拡大も重要なテーマ。新型コロナの落ち着きと共に中国国内の移動及び旅行が復調してくると思われ、同程藝龍控股(00780)や中国旅遊集団中免(601888)などが物色されそうだ。スポーツやヘルスケア産業も政策の後押しが期待され、安踏体育用品(02020)や阿里健康信息技術(00241)、平安健康医療科技(01833)などが動意付くと思われる。 さらに二酸化炭素の排出削減という大きなテーマから、新エネセクターも注目の的だ。ソーラーパネルで世界最大手の隆基緑能科技(601012)、風力発電で中国トップの新疆金風科技(02208)などが代表格。新エネ車では吉利汽車控股(00175)、BYD(01211)など中国地場系の動きを注視してきたい。
奥山要一郎(おくやま・よういちろう)
東洋証券 上海駐在員事務所 所長
2007年入社。本社シニアストラテジスト等を経て、2015年より現職。
中国現地で株式動向のウォッチや上場企業取材などを行い、中国株情報の発信・レポート執筆を手がける。
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