米リップル社は18日、Brooks Entwistle氏を東南アジアのマネージング・ディレクターとして迎えたことを発表した。

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(画像=月刊暗号資産)

Entwistle氏は金融サービスとテクノロジーの両方の業界で30年に渡り最前線で活躍する実力者だ。リップル社に入社する前には、フードデリバリーサービス・UberEATSなどを手掛けるUberの国際部門における最高業務責任者として、アジア太平洋地域の成長戦略チームを率いていた。

またUberに入社する前はゴールドマン・サックスで20年間勤務し、東南アジア事業のパートナー兼会長を務めたこともある。

こういった経歴からも、Entwistle氏が東南アジアにおけるビジネス事情に精通していることがうかがえる。

今回の発表に際し、Entwistle氏は「私は30年間、金融サービスとテクノロジーの両方の業界で企業の設立や拡大に尽力してきたが、金融とテクノロジーの調和を考えるとリップル社のような業界のリーダーに参画することは当然の選択であり、決済のイノベーションが加速しているこの地域ではなおさらだ」と語った。

現在、東南アジアでリップル社の国際送金ネットワークである「リップルネット(RippleNet)」に加わっているのは14ヶ国にのぼる。リップル社によれば、昨年東南アジアで締結された案件数は前年比で2倍以上となり、同地域のリップルネットでのトランザクションは前年比で10倍を記録したとのこと。

東南アジア最大規模の銀行であるDBS銀行を例に挙げ、同行におけるリップルネットでの取引件数が50万件を突破し、前年比でインバウンド送金量が300%増に、アウトバウンド送金量が500%増になるなど、需要が増してきていることを指摘した。

さらに、東南アジアの成長に貢献しているとし、タイのメガバンクであるSiam Commercial Bank (SCB)の名を挙げた。

SCBは昨年、リップルネットとの新規接続を8つ立ち上げた。特にリップルネット上で動作するSCBの決済アプリ「SCB Easy」は、ユーザーがスマートフォンから海外の家族や友人などにリアルタイムかつ低コストで送金することを可能にしたことから、多くの需要を集めていると説明した。

リップル社はこういった背景から成長著しい東南アジアでの事業を加速度的に拡大させていく上で、Entwistle氏をマネージングディレクターとして起用したものとみられる。

同地域におけるスペシャリストが加わることで、リップル社がアジア地域での事業拡大に本腰を入れ始めたとみていいだろう。(提供:月刊暗号資産