ドージコイン(DOGE)価格はこれまで米自動車大手テスラのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏のツイートが後押しする形で、度々高騰する場面がみられてきた。ドージコインは柴犬がモチーフとなっているコインで、古くから親しまれている暗号資産の1つだ。
そんなドージコインについて頻繁に言及するマスク氏は14日、自身のTwitterで「柴犬を飼おうと思う」とツイートした。
このツイートにより、今回もまたドージコインへの資金流入が見られるかと思われたが、影響は限定的であった。
その一方で、柴犬をモチーフとした別の暗号資産「SHIBA INU(SHIB)」が、マスク氏のツイート後、たった数時間で最大300%上昇した(コインゲッコー参照)。
マスク氏がこのSHIBを指していたかどうかは不明だが、ユーザーの間で憶測が広がり今回の暴騰に繋がったものとみられる。なお、マスク氏がドージコインについて示唆したのか、それとも本当に柴犬を飼おうとしているのか、真意はわかっていない。
ユーザーの一喜一憂を誘いやすいドージコインではあるが、近頃は投機対象としてだけでなく、決済手段としても導入されるようになってきた。
米バスケットリーグNBAのダラス・マーベリックは今月5日、試合のチケットや関連商品を購入する際、ドージコインを決済手段として利用できるようにした。
同社のオーナーであるMark Cuban氏は暗号資産に好意的な姿勢を見せる人物であり、先月には「ドージコインは経済を学ぶ教材に利用できる」と持論を展開していた。
また14日には、カナダのソーシャルプラットフォームであるHello Palが、ドージコインとライトコインのマイニング事業へ投資を行ったと発表。その直後、同社のウェブサイトにアクセスが集中し、サイトは一時的にダウンした。
Hello Palの創業者であるKL Wong氏はこの件に触れ、「弊社のウェブサイトとHello Palアプリに対するアクセスが急激に増加したことは、ドージコインだけでなく暗号資産全般に対する弊社の立場を裏付けるものだ」とコメントした。
ドージコインは昨今の暗号資産を象徴するような存在と言える。
昨年末、ドージコインは日本円にして0.5円ほどを推移していたものの、執筆現在においては6円ほどを推移しており、価格は実に12倍にもなっている。その影響で、一時は時価総額順位においても7位にランクインした。
この熱狂ぶりから見るに、現在の暗号資産市場は1つの要因に対しての反応が非常に大きい状況と言える。
しかし、ジョークのような形で誕生したドージコインも、今では業界全体がその動向に注目する存在になっている。
暗号資産市場の盛り上がりも含め、今後もこういった「市場の盛り上がり」を象徴する暗号資産が出てきても不思議ではない。(提供:月刊暗号資産)