10日の暗号資産(仮想通貨)市場は乱高下の様相を描いている。

ビットコインは9日頃から上昇すると、10日午前には一時600万円を再び突破した。

テスラ
(画像=月刊暗号資産)

しかしドルベースで見た際に5万6000ドル(約608万円)を意識したこともあってか、その後急落。一時580万円台まで下落した。

記事執筆時点でビットコインは590万円を推移しており、短期的には午前中に壁となった5万6000ドルの突破を再び目指すことになる。

ビットコインは先月22日に約620万円まで上昇し過去最高値を更新したものの、その後ネガティブ要因が相次いだこともあり大幅に下落していた。

先月末から今月初めにかけては一時450万円まで下落する場面も見られたが、世界的にビットコインをはじめとした暗号資産を取り入れる動きが強まったこともあり近頃は回復傾向にあった。

また、株式市場などにおいても懸念されていた米国長期金利の動向がやや落ち着きを見せたことも要因の1つと言える。その米国ではバイデン政権が掲げる200兆円規模の大規模な経済対策案が可決間近であり、株式市場においてもリスクオンの流れが再び強まる予兆が見られている。

その例として、9日の米国市場における米電気自動車大手テスラ社の株価は急反発し、前日比20%ほど上昇した。

世界的な金融緩和は今後しばらくの間継続される見込みで、新興株や暗号資産にとっては追い風となる可能性が非常に高い。

大台に復帰したビットコインだが、アルトコインも同時に価格を上げている。

特にアルトコインの代表例とされるイーサリアムは先月22日以来となる20万円台に復帰し、最高値となる21万5,000円を射程圏に捉えている。

ビットコイン同様、執筆現在においては少々値を落としてはいるものの、イーサリアムのガス代(手数料)の改善案が可決されたことや、香港の上場企業による大量購入などといったポジティブ要素も散見されているため、引き続き上値を狙う動きに期待がかかる。

暗号資産市場は昨年末からの価格高騰に伴い、非常にボラティリティが高い状況にある。

ポジティブな要因が多い状況となっているものの、常に警戒心を持って推移を見守る必要があるだろう。(提供:月刊暗号資産