株取引アプリを運営しているRobinhood(ロビンフッド)が、米証券取引委員会(SEC)へ新規株式公開(IPO)の申請を行ったことを発表した。同社は上場先として米NASDAQを選択している。

ロビンフッド
(画像=月刊暗号資産)

ロビンフッドが今回提出した書類は「フォームS-1」と呼ばれるもので、資金の用途や事業計画などの詳細な情報が記載される。SECがロビンフッドのフォームS-1を精査するプロセスが完了した後、市場やその他の状況に応じてIPOが開始する予定だ。

一連の事情に詳しい関係者がCNNに伝えた情報によると、IPOが正式に開始するまでには数ヶ月ほどかかるとのことだ。

今回の申請は非公開で行われたため、IPOの時期は明らかではない。またロビンフッドの公式ブログでは、発行される株式の枚数や価格帯は決定に至っていないと発表されている。

ロビンフッドはコロナ禍で若者ユーザーからの人気を集めた取引アプリで、暗号資産(仮想通貨)取引サービス「Robinhood Crypto」も展開している。

同社は、暗号資産取引のユーザーが2ヶ月で600万人増加したと発表した。2020年の1ヶ月の平均ユーザー数が20万人程度だった事と比較すると、暗号資産取引サービスのユーザーが大きく拡大していることがわかる。さらに、同社は今後暗号資産取引サービスの拡大を計画している。

ロビンフッドは今年1月に波紋を呼んだ米国ゲーム関連会社GameStop(GME)の株購入を禁止したことで大きな批判を集めた。

その一件で、同社のビジネスモデルや管理体制を疑問視する見方も増加している。何より顧客からの信頼を損ねたことから、不穏な空気を払拭しきれていないと言えるだろう。

ただしJMP Securitiesによると、同社は1月にアプリダウンロード数の新記録を更新したという。これはGameStop株に関する批判が相次ぐ中でも、同社の勢いは衰えてはいないことを裏付けるデータと言える。

ロビンフッドのIPOが公開した後に、世論がどのように動くか今後も注目が集まるだろう。(提供:月刊暗号資産