お金がない時はどうしても気分が落ち込んでしまい、前向きな行動に移しにくいですよね。対処法をご紹介するので、できるだけ早くお金がない状態から抜け出しましょう。お金がない時は、「どのような理由でお金がないのか」の確認が大切です。
なぜならお金がない理由によって対処法が異なるからです。本記事では、お金がない理由について以下のポイントごとにまとめてみました。
・一時的にお金がない
・借金返済でお金がない
・慢性的に生活のお金がない
それぞれの対処法を分かりやすく解説します。
一時的にお金がない時の対処法
まずは、一時的にお金がない時の対処法をご紹介します。いつもは大丈夫だけど今月はピンチ……そんな時の対処法を確認しましょう。
ご祝儀などで一時的にお金がない
結婚式や出産などのご祝儀、急な引越しなどで一時的にまとまったお金が必要な場合、以下の方法を試してみましょう。
・カードローンでお金を借りる
「カードローン」は、お金を借りられるサービスの1つです。最短で即日お金を借りることができるので、手軽にお金の用意ができます。なかには、はじめての契約や借入に限って利息がない「無利息キャンペーン」を実施している場合もあるので、一時的にお金を借りるならおすすめです。
・クレジットカードのキャッシングでお金を借りる
普段利用しているクレジットカードに「キャッシング枠」が付帯している場合、提携ATMなどですぐにお金を借りることができます。キャッシング枠を利用するにあたって改めて審査が不要なため、面倒な手続きの必要なくお金を借りることが可能です。
・不用品を売る
不用品を売ることも選択肢の一つです。フリマアプリなどの買い取りサービスを利用してみましょう。急ぎの場合は、その場で買い取ってくれる店舗型のサービスをおすすめします。
・短期・単発アルバイトをする
短期や単発のアルバイトで収入を得る方法もあります。ただし勤務先の就業規則で副業が禁止されている場合もあるので、後でトラブルにならないためにもしっかりと確認してから検討しましょう。
ケガをして一時的にお金がない
上述した方法は、さまざまな状況で使えます。しかしケガや病気の場合は、以下のような社会保険や労働保険を利用できるケースもあるため、覚えておきましょう。
・傷病手当金
勤務先で健康保険に加入している場合、業務外の病気やケガで仕事を休まないといけない時に一定の条件で「傷病手当金」を受け取れるケースがあります。勤務先の人事担当者などに確認するとよいでしょう。
・労働災害保険
傷病手当金は“業務外”の病気やケガで支給されるのに対し、“業務中”や通勤中のケガは「労働災害保険」から給付を受けられる可能性があります。勤務先が手続きしてくれる場合もありますが、相談したい場合は労災保険ダイヤルで確認するとよいでしょう。
職を失い一時的にお金がない
職を失った場合には、以下の方法も選択肢となるため押さえておきましょう。
・失業給付、再就職手当
職を失うと雇用保険から「失業給付」を受けられるケースがあります。(正確には「基本手当」)ほかにも職業訓練などを受けると「技能習得手当」や「寄宿手当」が支給されるケースも。
また失業給付の受給中に就職が決まると「再就職手当」などの支給を受けられるケースがあります。職を失ってしまいこれらのお金を受け取るためには、ハローワークで手続きをすることが必要です。
・銀行の預金担保貸付を利用する
銀行で定期預金を持っている場合、定期預金を担保にお金を借りられるサービスが「預金担保貸付」です。定期預金を解約したくない場合、利用を検討しましょう。
・生命保険の契約者貸付を利用する
「契約者貸付」とは、解約返戻金がある生命保険に加入している場合、解約返戻金の一定の範囲内でお金を借りられるサービスです。
保険を解約すれば解約返戻金を受け取れますが、保険を解約してしまうと万が一の際の保障が受けられなくなるデメリットもあります。契約者貸付であれば、保険契約を継続させながらお金を借りることが可能です。
借金返済でお金がない時の対処法
借金の返済でお金がない時は、以下の対処法を試してみましょう。
「おまとめローン」で有利に借り換え
カードローン会社などが行っている「おまとめローン」は、法令が規定する一定の条件を満たした「顧客に一方的に有利なローン」を指します。
現在の借金をおまとめローンでまとめると「金利が下がる」「毎月の返済負担が減少する」といった点がメリットです。おまとめローンにも審査があるため必ず利用できるわけではありませんが、一度申し込んでみてはいかがでしょうか。
どうしても返済できないなら債務整理
借金の返済がどうしてもできない場合「債務整理」を検討しましょう。債務整理とは、法的に借金の減額や免除を行う手続きを指します。デメリットもあるため気軽に行える手続きではありませんが、最後の手段として選択肢には入れておきましょう。
慢性的に生活に必要なお金がない時の対処法
一時的ではなく慢性的にお金がない時は、以下の方法を試してみましょう。
公共料金などの支払い猶予を利用する
新型コロナウイルス感染拡大を受けて、国は公共料金などの支払い猶予の制度を設けるよう指示しています。そのため電力会社や通信会社などで手続きすれば、料金の支払い猶予が受けられる場合があります。
公的な支援を利用する
公的な支援の利用も検討しましょう。国は、以下のような支援を行っています。
・生活福祉資金貸付制度
必要なお金をほかから借りられないなどの場合に、国から借りることができる制度です。目的ごとに借りられる金額の上限に目安があります。
例えば、日常生活を送る上で一時的に必要な経費の場合は、50万円が借入上限の目安です。保証人を立てなくても借りられますが、保証人を立てると無利子で借りることができます。(保証人なしは年1.5%)
・総合支援資金
生活再建に必要なお金を継続的に借りられる制度です。2人以上世帯の場合は、月最大20万円、単身世帯は月最大15万円を原則3ヵ月間(最長12ヵ月間)借りることができます。こちらも保証人を立てると無利子で借りられ、保証人がいなくても年1.5%で借りることが可能です。
・住居確保給付金
離職や廃業、新型コロナウイルスの影響で収入が減少している場合に、家賃の補助を受けられる制度です。支給される金額は、市区町村と世帯人数で異なりますが、実際の家賃額を原則3ヵ月間(最長9ヵ月間)受けられます。
・生活保護
預貯金や資産などが一定以下で収入が最低生活費に届かない場合、最低生活費に不足するお金を受け取ることができる制度です。生活保護は「福祉事務所」で受けられます。どうしても生活が立ち行かない場合は、相談に行きましょう。
・生活困窮者自立支援制度
生活保護を受給していないものの、生活保護に至る可能性がある方の自立を支援する制度です。上述のような公的支援のほか、就労準備や家計相談などさまざまな事業を包括的に提供しています。
お金がない状態を抜け出そう
ここまでお金がない時の具体的な対処法をご紹介しました。一時的にお金を調達したり借りたりすることができたとしても、普段から気をつけておかないと、またお金がなくなってしまう時が来るかもしれません。
お金がない状態から抜け出すには、普段の行動が大切です。以下のような行動でお金のない状態から抜け出しましょう。
家計の目標は「収入>支出」 収入を増やし、支出を減らす
基本中の基本ですが収入より支出が小さければ当然お金は残ります。お金のない状態から脱するには、「収入>支出」を大原則とし「収入を増やして支出を減らす」といった行動を心がけましょう。
まずは、家計簿をつけて全体の収支を把握することが大切です。手書きが面倒であれば家計簿アプリを利用してみてはいかがでしょうか。
支出を減らす
家計簿で支出を把握した後は、毎月の固定費を見直しましょう。特に家賃や通信費など金額が大きい固定費を見直せると大きな効果が期待できます。
食費などの変動費は、スーパーやコンビニなど普段から「お金を使う場所」に近づかないようにするとよいでしょう。例えば、毎日お弁当を作れば通勤中に寄り道しなくなりますし、食料品などはまとめ買いすれば無駄づかいを減らせます。
収入を増やす
支出を減らすのと同時に、収入を増やす方法も考えましょう。勤務先が禁止していなければ、「副業」がすぐに取り組める選択肢の一つです。インターネット上で副業を見つけられる「クラウドソージング」を利用すると、より手軽に副業が始められるでしょう。
本格的に収入を増やしたいのであれば「転職」も視野に入れることが必要です。忙しくて転職先を見つけられない場合は「転職エージェント」を利用するとよいでしょう。代わりに転職先を提案してくれますし、利用料は原則かかりません。
普段から予備資金を準備する
家計収支を改善できたら、普段から予備資金を準備しておきましょう。今後も一時的にまとまった支出が出てくる可能性はあります。そのたびに「お金がない」と悩まないように、予備資金で備えておくと安心です。
お金がない時も冷静に対処しましょう
お金がない時には、まずお金がなくなってしまう理由をじっくりと考えてみましょう。それぞれの理由に応じて、本記事で紹介したような対処法を試してみればきっと乗り越えることができます。またお金がない状態から抜け出すには、普段からの行動が大切です。家計簿をつけて家計全体の収支を把握し「収入>支出」を心がけましょう。もしもの時を考慮して予備資金の準備も大切です。
文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有。
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