マンション経営はいつ、どのようなタイミングで始めるのがよいのでしょうか。初めて投資用マンションを購入する場合は、最適なタイミングを見極めたいと考えるかもしれません。また、マンション経営は投資額が大きいので、損をするのが怖くてなかなか一歩踏み出せない人もいるでしょう。
そこで今回は、マンション経営を始めるタイミングの見極め方や物件を購入するときの注意点について解説します。
マンション経営は家賃収入が目的ならいつ始めてもいい
マンション経営で得られる利益には、「売却益(キャピタルゲイン)」と「家賃収入(インカムゲイン)」の2種類があります。売却益を得るには、相場の動向を確認しながら物件価格が安いときに購入し、価格が上がったときに売却する必要があるので、始めるタイミングを見極めなくてはなりません。
一方、毎月の家賃収入が目的なら、購入した物件を長く保有するほど家賃収入の累計額は増えていくので、長期保有できる物件を選ぶことが重要になります。家賃収入が目的であれば、マンション経営はいつ始めても構いません。むしろ、少しでも早く始めたほうが有利といえるでしょう。
売却益を得るのは難しい
1980年台後半のバブル景気のときは、不動産価格は短期間で大きく上昇していたので、物件を購入して短期間で売却しても大きな売却益(キャピタルゲイン)を得られました。しかし、バブル崩壊によって不動産価格は暴落し、その後はバブル期に比べると値動きは緩やかになっています。
<主な主要都市における住宅地の「平均」価格の推移>
現在はバブル期とは異なり、短期間の値動きはそれほど大きくないため、売却益狙いでマンション経営を始めても利益を得るのは難しいでしょう。物件を売買するときは諸費用や仲介手数料がかかるため、短期取引は損失が生じる可能性が高くなります。
相場を読むことはできない
バブル期ほど値動きが大きくなくても、「少しでも安いときにマンションを購入したい」と考えるのではないでしょうか。不動産価格が下がったタイミングで購入すれば、利回りが向上してマンション経営の収益性はアップするかもしれません。
しかし、将来の不動産価格がどのように推移するかを見極めることは不可能といえます。誰にも相場を読むことはできないので、マンション経営を始める最適なタイミングを見極めようとするより、少しでも早く始めて家賃収入を最大化するほうが合理的といえるでしょう。
すでにマンション経営に関する基礎知識や自己資金があるにもかかわらず、相場を読もうとして始めないのは機会損失となる恐れがあります。
区分マンションはリスク軽減が可能
マンション経営は、区分マンションならいつ始めてもリスク軽減が可能です。
資産運用には、複数の資産・銘柄に投資先を分散して資産が目減りするリスクを抑える「分散投資」という考え方あります。マンション経営の場合、物件の購入時期やエリアを分散することでリスク軽減が期待できます。
購入時期を分けて複数戸の区分マンションを購入すれば、購入価格が平準化されるため、マンション経営を始める時期にこだわる必要はなくなります。
マンション経営を始める前に必要な3つの準備
家賃収入を目的とした長期投資をするならばマンション経営はなるべく早く始めるほうが有利ですが、始める前に必要な準備があります。ここでは、物件購入前に必要な準備をまとめました。
基礎知識を身につける
まずはマンション経営に必要な基礎知識を身につけることが大切です。最初の物件を購入する前に入門書を読んだり、不動産会社のセミナーに出席したりして、マンション経営に対する理解を深めましょう。
ただし、マンション経営は実際に始めてみないとわからないことが多いのも事実です。勉強に時間をかけすぎると、知識を得ただけで満足してしまい、始めるタイミングを逃してしまう恐れがあります。
ある程度基礎知識が身についたら、思い切って行動することを心掛けましょう。
貯金しておく
マンション経営を始める前に、ある程度の貯金をしておくことも大切です。投資用マンションは高額なので、一般的には金融機関の融資を利用して購入します。家賃収入からローンを返済できますが、入居者が退去すると家賃が入ってこなくなるため、空室期間中は自己資金でローンを返済する必要があります。
空室リスクが低い物件であっても、マンション経営では定期的に空室が発生するのは避けられません。空室が発生しても問題なくローンを返済できるように、まとまったお金を準備しておきましょう。
複数の不動産会社から話を聞く
マンション経営では、複数の不動産会社から話を聞いた上で物件紹介や賃貸管理を依頼する会社を決めましょう。
不動産会社によって取り扱う物件の種類や手数料、賃貸管理物件の入居率、サービス内容などは異なります。1社だけで判断せず、複数の会社を比較するほうが、自分に合った不動産会社を見つけやすくなります。わからないことがあれば、積極的に担当者に質問しましょう。
「あまり話を聞いてもらえない」「契約を急がせる」「威圧的な態度をとる」など、対応に問題がある場合は要注意です。物件購入後にトラブルとなる可能性があるので、契約は避けたほうがいいでしょう。
初めて物件を購入するときの4つの注意点
マンション経営で初めて物件を購入するときの注意点は以下の通りです。
焦って契約をしない
マンション経営を成功させるには、空室リスクが低く、長期にわたって安定収入が得られる物件に投資する必要があります。
不動産会社の担当者から「非公開物件」「今だけ」などと言われると、すぐに契約したくなるかもしれません。しかし、その場で焦って契約せず、一度持ち帰って冷静に判断することが大切です。優良物件の数はそれほど多くないので、魅力的な物件が出てくるまでじっくり待ちましょう。
ただし、すべての条件を満たす物件は簡単に見つかるものではありません。「物件価格」「エリア」「最寄り駅からの距離」など、自分の中で優先したい条件を決めておくと購入判断がしやすくなります。
まずは小さく始める
どんな投資にも当てはまることですが、まずは小さく始めることを心掛けましょう。最初から大きな金額を投資すると、うまくいけば大きな利益を得られるかもしれませんが、失敗すれば大きな損失が生じます。
投資額を増やすのは、マンション経営に慣れてからでも遅くはありません。「なるべく価格が安い物件を選ぶ」「いきなり複数戸を購入しない」など、可能な範囲で投資額を抑えることを検討しましょう。
いつでも撤退できるようにしておく
マンション経営では、いつでも撤退できるようにしておくことも重要です。身の丈を超える借金をして物件を購入した場合、途中でやめたいと思っても物件の売却代金でローンを返済できなければ売るに売れない状態になってしまいます。
融資を利用して物件を購入できるのは、マンション経営の魅力の一つです。ただし、無理な借り入れをせず、売却代金と手元資金でローンを完済できる状況で始めるようにしましょう。
無理に始める必要はない
資産形成方法はマンション経営だけではありません。ローンを利用すれば効率的に資産を増やせますが、借金をすることに抵抗がある人もいるでしょう。「どうしても怖い」「自分には難しい」と思うなら、無理をする必要はありません。
今は始められなくても、しばらくしたら「やっぱり始めたい」と思うかもしれません。一度距離を置いて、あらためてマンション経営に挑戦するタイミングを検討するのも一つの方法です。
マンション経営を思い立ったら今すぐ行動しよう
家賃収入を目的に物件を長期保有するなら、マンション経営はいつ始めても問題ありません。早く始めるほど家賃収入を最大化できるので、物件を購入できるのに始めないのは機会損失になる恐れがあります。マンション経営を思い立ったらすぐ、行動に移しましょう。(提供:Incomepress )
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