SBIホールデングス(SBI HD)は1日、三井住友フィナンシャルグループ(SMBC グループ)と共同で、デジタル資産を取り扱う「大阪デジタルエクスチェンジ(略称:ODX)」(大阪市北区)を共同で設立したと発表した。2022年春をめどに一般株式の取引を開始し、その後、ブロックチェーンなどの電子的手段を用いて発行されるセキュリティトークンの取り扱いを開始する。

デジタルエクスチェンジ
(画像=月刊暗号資産)

1日に設立したODXは、SBI HD子会社のSBI PTSホールディングスが株式の60%を保有し、SMBCグループが40%保有する。資本金は2億5,000万円で、代表取締役には北尾吉孝氏(SBI HD代表取締役社長)と朏仁雄氏(SBI証券執行役員 STOビジネス推進部長)の両名が務める。

SBI HDによるとSMBCグループと合弁会社を設立した目的について、「ODXは、流通・換金機会の整備による投資家の利便性向上と企業の柔軟な資金調達を支援することを目的に、セキュリティトークン(ブロックチェーン等の電子的手段を用いて発行される有価証券を指し、金融商品取引法上の電子記録移転有価証券表示権利等に位置付けられるもの)を取り扱う国内初のPTS(Proprietary Trading System/私設取引システム)を運営することを目指します」と述べた。

PTSは証券会社が開設する取引システムで、取引所を介さずに株式の売買ができるシステムだ。旧来、証券は取引所集中義務があったが、90年代の「日本版金融ビッグバン」の一環で98年にPTSが解禁された。

一時は7社が参入したが、取引量が増えず撤退が相次ぎ、現在はSBI HDが49%出資するジャパンネクスト証券と、米ファンド系のチャイエックス・ジャパンの2社が運営を続けているものの、国内の株取引シェアは合わせて約8%にとどまり、東証が9割以上を占めている。

しかし、2020年10月1日の東証のシステム障害で株取引が丸1日停止するという前代未聞の事案が発生したことを受け、代替としてのPTSへの期待が高まっていた。

今回の発表でSBI HDは「社会のインフラを担うPTS運営会社として、日本の証券市場の信頼を守るべく、安定した運営及び健全な市場間競争の促進に努めることで、国内外の多様な投資者から高い支持を獲得し、資本市場の持続的な発展、さらには日本経済全体の発展に寄与していきます」と抱負を述べた。(提供:月刊暗号資産