暗号資産(仮想通貨)市場は4月に入っても好調をキープしている。

特に、ビットコインは過去最高値付近を推移しており、上値をうかがっている状況だ。しかし大きな節目である6万ドルを意識してか、狭いレンジでの取引が続いている。

リップル
(画像=月刊暗号資産)

ビットコインの動きが鈍くなった反面、アルトコインへの資金流入が顕著だ。

3日には、時価総額2位に位置付けるイーサリアムが高騰し、23万7,000円ほどまで上昇した。ドル建でも2150ドル手前まで上昇し、過去最高値を更新した格好だ。

現在ブームとなっているNFT(Non-Fungible Token)や、昨年から需要を集めているDeFi(分散型金融)などでイーサリアムプラットフォームが間接的に関わっていることから、関心の高まりとともに価格も上昇したものとみられる。

また、大型アップデート「Berlin(ベルリン)」が今月14日頃に予定されていることも大きく影響しているだろう。

このアップデートはブロック高12,244,000で実行が予定されており、イーサリアムネットワークの攻撃耐性強化や一部ガス代(手数料)に関する調整が施される見込みだ。

一方、好要因が揃うイーサリアムを横目に暗号資産リップル(XRP)の上昇もめざましい。

今月に入り右肩上がりに推移していたが、5日になり続伸。前日比約20 %増の79円ほどまで上昇し、年初来高値を更新した。

記事執筆時点では少々値を下げており、昨年から大きな壁となっている0.7ドルを上抜けるかどうかに注目が集まる。

XRPを発行する米リップル社は近頃、需要が高まりつつある東南アジアでの事業拡大に注力し、動きを加速させている。

また、スイスの暗号資産取引所LykkeがXRPの再上場を発表するなど、ポジティブな材料が散見されていたことが急騰に影響した可能性がある。

リップル社は現在、米証券取引委員会(SEC)に提訴され、XRPの有価証券問題を指摘されている状況にある。

裁判は長期化する可能性もあり、依然として和解に至るか否かも不透明な状況だが、この問題に解決の糸口が見えた際にはXRP価格にも何らかの影響は必至と言える。

今月もこの有価証券問題の裁判に関する予定が複数あるため、引き続き動向を見守る必要があるだろう。(提供:月刊暗号資産