歯科医院の集客施策4選と差別化のコツ・広告の注意点
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歯科医院を経営する中で集客(集患)に悩む院長も多いのではないでしょうか。数ある歯科医院の中から自院を選んでもらうためにどのような対策をすべきかは大きな課題です。この記事では、歯科医院が行うべき集客施策について解説し、差別化のコツや注意点も紹介します。経営の悪化を防ぐ対策として参考にしてください。

歯科医院が集客施策に取り組む重要性

厚生労働省のデータによると歯科医師数はここ数十年増加傾向にあり、人口10万人に対する歯科医師数は80.5人(2018年)と増え続けています。歯科医院数はほぼ横ばいの状態ですが、人口の減少を考えると来患数が減り、競争の激化が予想されるでしょう。

歯科医師の飽和状態が心配される中、歯科医師免許があるからと安心はできません。集客は医院存続のための大きな課題でもあります。

歯科医院が行うべき4つの集客施策

集客にもさまざまな手段があります。ここでは、歯科医院が行うべき集客施策について詳しく解説します。

ホームページを充実させる

今は、気になった情報をまずインターネットで検索する時代です。ホームページには、患者様の安心感を高められるような情報を多く掲載しましょうます。基本的な診療内容はもちろんですが、歯科医院のコンセプトや強みを数字で表現するなど患者様に伝わりやすいように表現することが大切です。

あるマーケティング支援会社の調査で歯科医院を選ぶ際に最も影響力のある媒体は「公式ホームページ」という結果だったことからも分かるように多くのユーザーがインターネット検索を利用しています。そのためホームページがGoogleやYahoo!などの検索エンジンの上位に表示されるように最適化するSEO(検索エンジン最適化)も重要な要素です。

Web上で情報発信をする

ホームページを充実させ、SEOで検索結果の上位表示を狙うことも重要ですが、SEOで成果を出すのは非常に難しいという問題があり、また、それだけで自動的にアクセスが増えて集客につながるわけではありません。SNSやWeb広告といった主体的な情報発信で歯科医院の周知を図りましょう。

TwitterやInstagram、Facebookなどを活用して院内やスタッフの紹介、日々の様子を写真付きで発信すれば親しみやすさを与えられます。また、症状や治療法など特定のキーワードで検索した際に表示させるWeb広告も取り入れるとさらにアクセスが期待できます。

Webサービスを活用する

利用できるWebサービスは積極的に活用しましょう。歯科医院の情報や口コミをまとめたポータルサイトへの登録は新患獲得に有効です。患者様の声は、ユーザーが歯科医院を選ぶ際の重要な判断材料になりますし、自院にとっても改善点を把握できるよい機会です。

店舗や会社のプロフィール情報を登録して公開できるGoogleマイビジネスでは、Google検索結果やGoogleマップに医院の詳細情報を無料で表示できます。検索で上位表示を狙うSEOに対して、地図検索で優先的に表示させるための対策をMEO(地図エンジン最適化)と呼びますが、マップへの表示は視認性が高く、集客効果が期待されている注目の施策です。

サービス精神を持つ

歯科医院はサービス業かと問われると見解が分かれるところではありますが、患者様の視点に立つことは必要です。例えば、厚生労働省が2001年に行った「患者満足度調査導入による病院の経営改善に係る調査研究報告書」では、医師の病状や治療方法の説明、次いで相談に対する応答や態度が重要視されていました。近年の医療系リサーチ会社の調査では診察室や待合室の環境が患者満足度と高い相関性を持つという結果も出ています。

歯科医院数と人口の減少から見ると今後、患者確保の競争は激しくなると予想され、サービス業で必要な接遇やコミュニケーションスキルを磨くことや院内環境を快適にすることが差別化のポイントになるでしょう。

歯科医院が集客で意識すべき考え方

効果的な集客施策を行うためには意識したいポイントがあります。歯科経営で求められるマーケティング視点について解説します。

ターゲットを定める

あえてターゲットを絞ることで必要な集客施策が明確になり、コスト効率のよい集客が可能になります。万人に向けた医療サービスの提供は難しく、患者様のニーズを捉えるのも容易ではありません。

商圏には年齢、性別、職業、ライフスタイルなどさまざまな属性がありますが、具体的なターゲット像をイメージすることが大切です。自院の強みを打ち出し、ターゲットが求めるポイントにアピールしやすくなります。

競合との差別化を図る

競合医院との差別化を図り、自院が選ばれるための武器を作ることが大切です。診療時間や診療日を工夫して忙しいユーザーが来院しやすい環境を作ることもアピールになりますし、無痛治療や個室診療などを取り入れることも差別化になります。

また、歯科医師の分野は虫歯治療や歯列矯正、インプラント、ホワイトニングなど多岐にわたります。それぞれに得意な分野を持つ歯科医師を在籍させ、診療の幅を広げるのもおすすめです。

なお、2019年の「歯科診療所経営実績分析売上」によると1億円を超える歯科医院は自由診療収入の比率が高い傾向にあり、医業収入全体の3割強との調査結果も出ています。自由診療を強化するのも手段の1つでしょう。

歯科医院が集客施策・広告で注意すべきポイント

歯科医院が広告を出す際は、厚生労働省が定める「医療広告ガイドライン」に沿って掲載可能な内容かチェックする必要があります。違反者には行政指導による罰則が適用されるため注意しましょう。なお、医療広告ガイドラインは2018年に改正されており、最新版に沿った対応が求められます。

ガイドラインの対象はチラシやWeb広告だけでなく、ホームページやブログも含まれ、広告が許可されているのは歯科、小児歯科、矯正歯科、歯科口腔外科のみです。自由診療による治療は保険の適用外であることや標準的かつ平均的な料金の記載が求められ、過度な治療効果を打ち出せないなどかなり厳しい内容となっています。

まとめ

近年はスマートフォンの普及も背景にあり、インターネットによる情報取得がメインになっています。そのため歯科医院の集客もホームページやSNSなどを活用したマーケティングが大きな役割を果たします。同時に診療内容の工夫やサービス性の向上を図り、競合医院との差別化を実現することが医院存続には必要です。

(提供:あきばれ歯科経営 online