「失業してお金がない」「無駄遣いしているつもりはないのになぜかいつも金欠状態」「急な出費が重なり生活費がピンチ」など、お金に困っている状態は苦しいものです。

「とにかくお金がない!やばい!」と思って本記事を開いた方、大丈夫です。ここでは、状況別にお金がないときにやるべき10の方法をご紹介します。落ち着いて自分に合った対処法を試してみましょう。

常にお金がない人には理由がある

お金,ない,やばい
(画像=kei907 /stock.adobe.com)

お金がなくなるには、理由があります。代表的な4つの理由をまとめますので「なぜかいつもお金がない」という方は、自分が当てはまっていないかチェックしてみましょう。

お金,ない,やばい
(画像=fuelle編集部作成)

それぞれ説明します。

家計収支を把握できていない

お金がない方は、家計収支を把握できていないことが多いのではないでしょうか。

家計収支を把握できていれば自然と使っていいお金の範囲に気付けるでしょう。しかしこれができていないため、つい使いすぎてしまいお金がない状態に陥っているのです。

毎月の固定費が大きい

固定費とは、家賃や通信費など毎月発生するお金のことです。

固定費が大きいということは、大きな支出を毎月繰り返しているということ。お金がなくなりやすい典型的な例です。

「先取り貯蓄」をしていない

先取り貯蓄とは、お金を使う前に貯蓄を行い残りのお金で生活することです。

お金がない方の多くは、毎月の支出から余った分を貯蓄に回そうと考えます。結果、給与のほとんどを使い切ってしまっている可能性があるでしょう。

無駄な借金がある

借金もお金がない原因の一つです。特に旅行やお買い物など生活に必要性の低い使い道で借金している方は注意しましょう。

本当にやばい!1~2日以内にお金が必要なときにやるべきこと

ここからは、お金がないときに実行すべき10の方法をご紹介します。まずは、近日中に必要なお金がないときの方法です。

1. 質屋やリサイクルショップで物を売る

身の回りの物を売ってお金を作る方法です。質屋やリサイクルショップなどの買い取りサービスを利用しましょう。

売れる物は意外に多くあります。バッグや時計などの服飾品が典型的ですが、スマートフォンなどの家電やインテリア雑貨など幅広い物が買い取りの対象です。

急いでいるときは、店舗型のサービスを利用しましょう。インターネット上のサービスの場合、物の発送やお金の振り込みに時間がかかるケースがありますが、店舗型であればその場でお金が支払われます。

【質屋は「質入れ」 お金を返せば物は返ってくる】

厳密にいうと質屋は「物を預ける代わりにお金を借りる」サービスです。期限内に返済すれば物が返ってきます。しかし返済をしなくても問題ありません。(その場合、預けた物は返ってきません)

「お金を返すか」「そのまま売るか」を選択できるサービスといえるでしょう。

若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

2. 親などから借りる

親などの家族にお金を借り急場をしのぐ方法です。事情を話せば親身になってお金を貸してくれるかもしれません。

ただし親しい家族でもお金の返済はきちんと行いましょう。お金を返さないと後でトラブルに発展する可能性があります。

また、「金銭消費貸借契約証書」などを作成しないと借り入れではなく贈与とみられる可能性もあります。年間110万円を超える場合は注意が必要です。

3. 単発のアルバイトをする

働いて給与を得る方法です。ただし通常のアルバイトは給与の支払いが遅くなる可能性があるのですぐに給与が支払われる日払いなどの単発のアルバイトを探しましょう。

最近では「ギグワーク」という働き方もあります。これは、数十分~2時間といった短い時間のアルバイトを連続でこなす働き方です。1回の労働時間を短くできるので普段フルタイムで働いていても隙間時間を活用して収入を得やすいメリットがあります。

例えば「ショットワークス」は、即日払いの単発アルバイトを紹介しているサイトです。また「タイミー」なら登録不要で選んだ仕事の条件をクリアしていればすぐに働くことができます。

給与は、アプリ内に反映され24時間いつでも即時引き出しの利用が可能です。(メンテナンス時間を除く)

4. クレジットカードのキャッシング枠を利用する

お持ちのクレジットカードに「キャッシング枠」が付帯している場合は、面倒な申し込みや手続きをしないでもお金をすぐに借りることができます。提携ATMにカードを差し込むだけで利用可能です。

1ヵ月以内にお金が必要なときにやるべきこと

すぐにではないものの1ヵ月以内に必要なお金がない場合、以下の方法を試してみましょう。

5. アルバイトや副業を始める

1ヵ月以内なら単発以外の通常のアルバイトも選択肢に含められます。また自分の知識や能力を活かして副業を始めるのも方法の一つです。

副業の場合は、インターネット上の「クラウドソージング」サービスから始めるのもよいでしょう。さまざまな依頼があるので自分に合った仕事を探しやすい点がメリットです。

6. フリマアプリなどで不用品を売る

インターネット上の買い取りサービスやネットオークション、フリマアプリなどで身の回りの物を売る方法です。

お金が振り込まれるタイミングに注意が必要ですが、比較的時間に余裕がある方であれば検討してもよいでしょう。

7. 緊急小口資金や生活支援費など公的制度の補助を受ける

国は、生活が困難な方を対象に「生活福祉資金貸付制度」を行っています。一時的にお金を貸し出す制度で保証人がいれば無利息、保証人がいなくても年1.5%の利息でお金を借りることが可能です。

概要
総合支援資金 生活支援費 1ヵ月に最大20万円(単身世帯は15万円)
を原則3ヵ月間借りられる制度
一時生活再建費 最大60万円借りられる制度
福祉資金 福祉費 最大580万円借りられる制度
※日常生活上一時的に必要な経費は50万円が目安
緊急小口資金 最大10万円借りられる制度

生活福祉資金貸付は各地の社会保険福祉協議会が実施しています。一度相談してみましょう。

8. カードローンや金融機関からの融資を検討する

金融機関からお金を借りる方法です。生活費に使う場合は、使い道に制限がない「カードローン」などが主な選択肢となります。消費者金融会社だけでなく銀行なども商品を提供しています。

カードローン以外に銀行などの金融機関から借りる方法もあります。使い道が制限された「目的ローン」の場合、どのような支払いに使えるか確認してから申し込みをしましょう。

お金がなくて生活が苦しいときの最終手段

どうしてもお金がない……そんなときは最終手段として以下2つの方法を試してみましょう。

9. 債務整理をする

借金のためにお金がない場合「債務整理」を視野に入れましょう。

債務整理とは、借金の猶予や減額、免除などを行う法的な手続きです。主に以下の方法があります。

仲介者 概要
任意整理 なし
(または弁護士など)
当事者同士で話し合い、
支払える金額について合意を得る手続き
破産手続き 裁判所 免責を受けて借金の免除を得る手続き
個人再生手続き 一定額を返済のうえ残りの免除を得る手続き
特定調停 裁判所が仲介となり当事者同士で話し合い
支払える金額について合意を得る手続き

いずれのケースでも専門的な内容となるため、弁護士など専門家への相談が望ましいです。

費用に不安がある場合は、上述した生活福祉資金貸付の「一時生活再建費」を申請するか、または費用を一時的に立て替えてくれる「法テラス」の利用を検討しましょう。

10. 生活保護制度を利用する

持っている資産や能力などあらゆるものを活用してもなおどうしても生活が立ちいかない場合は、「生活保護」を受けましょう。生活保護は、憲法で保障されている私たちの権利です。

憲法25条
・すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する
・国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない

出典:日本国憲法

生活保護の手続きは、各地の自治体や福祉事務所で行います。申請に不安がある場合は、上述の法テラスやNPO法人のサポートを受けるとよいでしょう。

慢性的な金欠状態を解消するには

「いつもお金がないにもかかわらず理由がわからない」という方は、金欠体質の改善が急務です。金欠状態を脱するため、お金が貯まる貯蓄体質へ変えていきましょう。

お金の流れを把握する

金欠状態の解消には、お金の流れの把握が出発点です。ここがわからないままでは対策しようがありません。「どれくらいの収入があり、なににお金を支払っているか」など確実に把握できる状態を目指しましょう。

家計簿が典型的な解決策ですが、忙しくて手書きは面倒な方は「家計簿アプリ」が便利です。レシートをスマホで撮影すれば代わりに家計簿を作ってくれます。

【家計把握まではキャッシュレス決済をSTOP】
クレジットカードなどキャッシュレス決済は便利ですが使いすぎが心配です。家計を把握できるまでいったん使わないようにしましょう。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

支出を減らす 

支出を減らせばお金は貯まります。さまざまなアイディアがありますが以下の方法を試してみてはいかがでしょうか。

【固定費の削減】
・格安スマホに変える
・家賃の安い住居に引っ越し
・サブスク(月額サービス)を解約

【無駄遣いの防止】
・先に貯蓄し残りのお金で生活
・財布やカードを家に置いておく(通勤用のミニ財布を用意する)
・お弁当を作りコンビニに立ち寄らない
・食料などのお買い物は週に1回にまとめる
・楽天やAmazonなどのECアプリをアンインストール

【家計簿ができてから……ではダメ 後回しにせず同時に実行】
家計収支の把握は出発点ですが1ヵ月分の家計簿を作るためには、当然1ヵ月かかってしまいます。

お金がないなら支出の削減は避けられません。家計簿の完成を待たず「お金がない状態から抜け出す!」と決意した今、同時に行いましょう。

若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

収入を増やす

支出を減らすのと同時に収入を増やすことも考えましょう。家計収支をさらに改善できる可能性があります。

今の勤め先で資格手当があるなら取得を目指すのも一つの手です。職場環境や給与に不満がある場合、転職を検討しましょう。「転職エージェント」を利用すれば転職案件を代わりに探してくれますし費用も発生しません。

上述した副業を伸ばすことも選択肢の一つです。ただし働きすぎで体を壊しては元も子もありません。本業とのバランスに注意しましょう。

お金がない人のための公的制度は意外と多い

国や自治体の制度について知っておくことは大切です。上述した「生活福祉資金貸付制度」「生活保護」以外にもさまざまな支援策が用意されています。

ただし基本的には申請が必要で、制度側から自動的に支援が始まることはありません。制度の存在を知っておかないと申請もできないため、自分のケースで使える公的制度はないか調べる癖をつけておくとよいでしょう。

「状況は深刻だけどどんな公的制度があるかわからない」という方は「生活困窮者自立支援制度」を利用しましょう。全国の福祉事務所が相談窓口となり公的制度を含めたさまざまな方法で解決を手伝ってくれます。

リボ払いやカードローンの多重債務は要注意

一時的にお金がないときリボ払いやカードローンは、便利なサービスです。ただし金利や仕組みをきちんと理解せず安易に利用していると後で返済に悩むことになりかねません。

またお金がないからといって別のカードローンを作り続けると「多重債務」となってしまい最終的に債務整理しか選択できないケースに陥りかねないため、注意が必要です。

これらのサービスは、計画的かつ慎重に利用することを心がけましょう。

お金がないときも落ち着いて 自治体やFPなどに相談を

お金がないとどうしても気持ちが焦ってしまいますが、できる対策は必ずあります。本記事で紹介した方法を試して、お金がない状態から抜け出しましょう。

お金がない状態を助ける公的な支援もあります。お近くの福祉事務所や自治体へ相談にいくとよいでしょう。お金の専門家となるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみることも方法の一つです。

文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有。

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