「子どもの教育費を計画的に貯めたい。でもどうすればよいかわからない」というも多いのではないでしょうか。自力でコツコツ貯金していくという方法もありますが、「学資保険」や「ジュニアNISA」を使えばもっと効率的にお金を準備できるかもしれません。

学資保険とジュニアNISAはそれぞれどのような制度なのか、どちらがどのような家庭に適しているのか把握して、「我が家にぴったり」を選びましょう。

目次

  1. 教育資金、実際にいくら必要?
  2. 学資保険とは?その特徴やメリット・デメリット
  3. ジュニアNISAとは?その特徴やメリット・デメリット
  4. 学資保険とジュニアNISA、今から選ぶならどちら?
  5. 教育費の貯め方は1つじゃない!「我が家にちょうどいい」を見つけよう

教育資金、実際にいくら必要?

学資保険orジュニアNISA、子どものために今から始めるならどっち?
(画像=Pixel-Shot/stock.adobe.com)

教育費はいくら用意しておけばよいのでしょうか。まずはその目安を確認しておきましょう。

教育費の目安

幼稚園から高校までの1年間あたりの平均教育費は以下のとおりです。

▽幼稚園から高校まで、1年間あたりの平均教育費

公立 私立
幼稚園 22万3,647円 52万7,916円
小学校 32万1,281円 159万8,691円
中学校 48万8,397円 140万6,433円
高校 45万7,380円 96万9,911円

(文部科学省「平成30年度 子供の学習費調査の結果について」をもとに著者作成)

子どもが大学生になると、次のような費用がかかります。

▽大学生 1年間にかかる費用

自宅から通う 学校の寮を利用 下宿、アパート等
授業料 96万3,900円 85万6,800円 89万2,100円
その他の学校納付金 14万2,800円 12万7,500円 10万9,300円
修学費 4万5,200円 4万7,000円 4万7,600円
課外活動費 3万700円 6万8,000円 4万700円
通学費 9万7,300円 1万3,700円 1万9,900円
小計(学費合計) 127万9,900円 111万3,000円 110万9,600円
食費 10万4,900円 25万9,600円 28万4,600円
住居・光熱費 31万9,200円 47万1,300円
保健衛生費 3万9,400円 3万4,000円 3万8,200円
娯楽・嗜好費 15万600円 12万8,500円 15万6,900円
その他日常費 13万9,200円 14万7,100円 16万400円
小計(生活費合計) 43万4,100円 88万8,400円 111万1,400円
合計 171万4,000円 200万1,400円 222万1,000円

(日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査」をもとに著者作成)

大学1年目はこれに加え、30万円程度の入学金がかかるのが一般的です。教育資金は子どもが中学生くらいまでが「貯め時」といわれます。そのあたりから負担感が増してきて、大学でまとまったお金が必要になります。この大学進学資金を貯めるために、子どもが小さいころからコツコツとお金を積み立てている方も多いようです。

近年、幼稚園や保育園の無償化、私立高校の実質無償化、大学等の高等教育の修学支援(授業料減免や返済不要の奨学金)など、教育費の負担を下げる政策が続々とスタートしています。今後もこの流れが継続すればいいのですが、制度によっては年収が高い世帯が対象外になるケースもあります。

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では、次は教育費を貯めるための具体的な方法について見ていきます。

学資保険とは?その特徴やメリット・デメリット

教育費を貯めると聞くと、真っ先に「学資保険」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。昔から広く利用されている学資保険ですが、あらためて概要を整理しておきましょう。

学資保険の概要

学資保険は、親が子どもの「学」びに必要な「資」金を用意するための保険です。基本的には、子どもが高校を卒業する18歳の満期まで毎月保険料を支払っていき、満期を迎えたら今まで支払ったお金+運用で増えたお金が受け取れるという仕組みです。

保険ですので、もし途中で親に何かあった場合は保険金が支払われます。

学資保険のメリット&デメリット

学資保険の主なメリットとデメリットを確認しておきましょう。

▽学資保険の主なメリット

  • 入学などの節目で祝い金などを受け取れる
  • 契約者(親)に万が一のことがあった際は支払い免除になったり、子どもの学費分を確保できたりする補償制度がある
  • 貯蓄性があり、満期時には満期保険金を受け取れる

▽学資保険の主なデメリット

  • 途中で解約すると元本割れの恐れがある
  • 予定利率(返戻率)が低い場合はうまみが少ない

ジュニアNISAとは?その特徴やメリット・デメリット

子どもの学費を貯めるには「ジュニアNISA」という制度もあります。2016年に登場した国の制度で、正式名称は「未成年者少額投資非課税制度」です。

ジュニアNISAの概要

NISAは国が投資を促すために作った制度です。NISAを利用すると、お金を運用して出た利益にかかる税金(通常約20%)が非課税になります。NISAは対象年齢が「20歳以上」なのですが、それを「0歳~19歳」にしたのがジュニアNISAです。

1人につき1年あたり80万円までの「非課税投資枠」があることが特徴で、その範囲内で投資した分は利益が出ても税金がかかりません。

ジュニアNISAの口座名義は子ども自身で、親はその子の代理でお金を出したり運用したりしているという形になります。子どもが成人すると、ジュニアNISA口座からNISA口座に自動的に変わり、その後も子ども自身が運用を続けていくことができます。

ジュニアNISAは廃止が決定している

実は、ジュニアNISAは制度廃止が決まっています。新しく利用開始できるのは2023年までです。2023年末までに利用開始していた方は、子どもが成人するまで継続することができます。

ジュニアNISAのメリット&デメリット

ジュニアNISAについても、メリットとデメリットを確認しておきましょう。

▽ジュニアNISAのメリット

  • 年間80万円までの非課税枠があり、利益が非課税になる(最大5年間)
  • 運用によって利益が出れば学資保険より増やせる可能性がある
  • 非課税期間終了後も20歳まで非課税で運用できる

▽ジュニアNISAのデメリット

  • 開設者が18歳になるまで引き出せない(2020年の制度改正により、2024年1月以降は18歳未満での引き出しも可能)
  • 運用に失敗するとマイナス(元本割れ)になる可能性もある
  • 損益通算ができない
  • 2023年で制度が終了するため効果が限定的

学資保険とジュニアNISA、今から選ぶならどちら?

子どもの教育資金づくりのため、検討したい学資保険とジュニアNISA。それぞれにメリットとデメリットを見てきました。以下で、まとめて比較します。利用の向き・不向きについても検討していきましょう。

▽学資保険とジュニアNISAの比較表

学資保険 ジュニアNISA
利用できる金額 保険契約次第
(ジュニアNISAより大きな金額を投入することも可能)
1年間に80万円まで
契約者の名義 両親のどちらか一方とするのが一般的 子ども自身
積み立てたお金の運用者 保険会社の運用のプロ 自分
お金の増え方 満期で1-4%前後 自分の運用次第
途中で解約した場合 元本割れする そのときの運用成果次第でプラスになることもマイナスになることもある

学資保険に向いている人

学資保険を利用するのに向いている人は以下の通りです。やはり、掛金を大きく用意できて、自分で運用する自信がない人には魅力的といえるでしょう。

▽学資保険に向いている人

  • 自分で運用する自信がない
  • 収入が安定している、お金に余裕がある~~ 、途中で解約する可能性が低い~~

ジュニアNISAに向いている人

一方、ご自身が他にも投資をしており、子どもの教育資金についても同じように運用しながら作っていきたい人、そして、子どもとともに投資を学びたい人にとっては、ジュニアNISAを利用するのに向いているといえるでしょう。

▽ジュニアNISAに向いている人

  • 投資経験があり、学資保険の返戻率よりも高い利回りで運用できる自信がある
  • 子どもの金銭教育の一環として使いたい

学資保険、ジュニアNISA以外の「第3の選択肢」も

教育費の貯め方は「学資保険」か「ジュニアNISA」の2択ではありません。最後に、そのほかの方法についても見ておきましょう。

・積立定期預金

一度設定しておくと、毎月自動的に一定の金額を普通預金から定期預金口座に移してくれる仕組みが「積立定期預金」です。多くの銀行で同様のサービスが存在します。

「お金が余ったら貯金する」より「必要な分を先に取り分けておく」ほうが、お金が貯まりやすくなります。定期預金は一般的に普通預金よりお金を引き出しにくいので、ついつい使ってしまったという事態も防げるでしょう。

定期預金は、普通預金口座に置いておくよりは金利が高く設定おり、運用結果や解約時期次第で元本割れするというリスクも基本的にありません。お金が増えることより減らさないことを重視したい人におすすめの貯め方です。

・低解約返戻金型終身保険

学資保険ではなく、終身保険で貯めるということもできます。終身保険は、亡くなった場合に保険金を受け取れる生命保険(死亡保険)で、保険料が掛け捨てにならないタイプの保険です。学資保険同様、一定の時期まで保険料を支払い続けると、支払った保険料よりも多い金額を受け取ることができます。

終身保険には学資保険のように「満期」という概念がありません。長い期間続けるほど受け取れる金額が増えていきます。18歳時点で保険を解約する必要がなかった場合は、その後も加入し続けて老後資金に充てる、といった使い方も可能です。

・つみたてNISA

ジュニアNISAと同じNISA制度の1つ「つみたてNISA」もおすすめです。こちらは親が自身の名義で口座を開設します。1人あたりの非課税枠が年間40万円、非課税期間は20年で、ジュニアNISA同様、非課税枠内の投資で利益が出た場合は非課税になります。

ジュニアNISAでは投資先として選べるのは株式や投資信託などでしたが、つみたてNISAで選べる金融商品は、金融庁が「長期・分散・積立投資に適している」と認めた投資信託とETFだけです。

・いくつかの商品や制度を組み合わせることもできる

ジュニアNISAと学資保険、両方取り組むことも可能です。たとえば、最低限用意したい金額だけは積立定期貯金を使いつつそれ以上の分はジュニアNISAを利用して運用するなどの組み合わせも可能です。

教育費の貯め方は1つじゃない!「我が家にちょうどいい」を見つけよう

教育費を貯めるために役立つ商品や制度はいくつもあり、お金の増え方や使い勝手が違います。それぞれ優劣があるわけではなく、家庭によって合う方法と合わない方法があります。どんな貯め方があるのか把握して、家計の状況やお金の価値観と照らして検討して、最適と思われる方法を選びましょう。

文・馬場 愛梨
所属・ばばえりFP事務所 代表
関西学院大学商学部卒業後、銀行にてクレジットカードやカードローン、投資信託などの金融商品を扱う窓口営業に従事。 その後、不動産会社や保険代理店での勤務を経て、独立。 お金にまつわる解説記事を数多く執筆。保有資格:AFP、証券外務員一種、秘書検定1級