米大手銀行のCitigroup(シティグループ)が、暗号資産(仮想通貨)関連サービスの提供を検討していることがわかった。Financial Timeが報じた。
シティグループは、顧客からの需要の急増によってこのような動きに出ているという。
シティの為替部門でグローバル統括を務めているItay Tuchman氏がFinancial Timeに話したところによると、シティは暗号資産取引、資金共有サービス、カストディサービスの提供を検討しているとのことだ。
大手銀行が新たに暗号資産サービスに関心を示すのは初めての例ではない。現に、モルガン・スタンレーが5月からビットコイン投資信託を提供するとの報道がされている。
他にも、ゴールドマンサックスは6日、ビットコインデリバティブ取引サービスの提供開始を認めている。
Tuchman氏はFinancial Timeとのインタビュー内で、「様々な選択肢の中から、どのようなサービスが最も顧客のニーズに答えられるかを検討する必要があると考えています」とコメント。シティは本格的に暗号資産関連商品を提供する前に、慎重に検討を重ねるそうだ。
もっとも、この慎重な姿勢は暗号資産が根強く残るとの確信からきているという。
Tuchman氏は、「私はFOMO(取り残される恐怖)を全く感じていません。暗号資産事業はスピード勝負ではないでしょう」と述べている。
シティの暗号資産に対する考え方は、肯定的なものであると言っていいだろう。
同行は3月に発表された自社のレポートで、ビットコインこそが国際取引に向いている通貨ではないかと指摘している。シティの主張はビットコインの国際性やボーダーレスなデザイン、為替リスクの無さを評価してのことだった。
ただし、4月に公表した新たなレポートでは、ビットコインのエネルギー消費量に対して懸念を示している。
シティグループがビットコインを始めとする暗号資産に関心を抱き、メリットやデメリットを天秤にかけているのは明らかだ。
過去のレポートで指摘した点を踏まえて、同社が今後どのように暗号資産サービスの提供を検討していくかについて注視していく必要があるだろう。(提供:月刊暗号資産)