金ETFは手軽に金に投資できるとして注目され、人気を集めている金融商品です。金ETFには、現物の裏付けの有無によって2つの種類があります。今回は、裏付けがある金ETFの魅力と注意点を詳しくみていきましょう。

金ETFは「有事の資産」として人気

金融
(画像= Unshu/stock.adobe.com)

金ETFは、金を投資対象とするETF(イー・ティー・エフ:上場投資信託)です。金ETFへの投資は年々増えており、2020年1~5月には約3.6兆円の資金が流入しました。では、金ETFが人気の理由はなんでしょうか。

金ETFが人気の理由1:「金」は資産としての価値が高い

金は採掘量が限られており、希少価値が高い金属です。金貨や宝飾品としてはもちろん、美術品や精密機器などにも多く使われ、他の金融商品のように価値が減ることはありません。

加えて、有事の際にはさらに価値が上がるとされています。その理由は、株や債券といった実体がない金融資産とは異なり、現物資産に投資する金には「価値が減らない」という安心感があるからです。そのため、市場や経済・政治など世の中が不安定になると、金の価値が上昇するといわれています。

金ETFが人気の理由2:ETFを利用することで金への投資が手軽にできるようになった

金へ投資するには、金を直接購入する方法と、金ETFに投資する方法があります。それぞれのメリット・デメリットを下表で確認しましょう。

  金を直接購入 金ETFへ投資
メリット 現物を手元で保有できる ・少額で始められる
・保管場所が不要
・いつでも取引できる
デメリット ・まとまった投資資金が必要
・安全な保管場所が必要
現物を手元で保有できない

金ETFの魅力は、手軽に金投資ができる点です。そのため、分散投資の1つとして、金ETFを資産に組み入れる人が増えているのです。

金ETFを選ぶなら「現物の裏付け」がある銘柄を

金ETFには、現物の裏付けがある銘柄と裏付けがない銘柄があります。金ETFのデメリットは「金の現物を受け取れない」点ですが、そのデメリットに対応したのが、現物の裏付けがある金ETFです。現物の裏付けがあるETFには、以下の特徴があります。

現物の裏付けがある金ETFの特徴1:運用会社破綻時のリスクを抑えられる

現物の裏付けがあるETFは、運用会社が保有する金の残高に応じて発行される仕組みです。そのため万が一、運用会社が破綻したとしても金の現物が残るため、資金を回収できなくなるリスクを抑えることができます。

現物の裏付けがある金ETFの特徴2:投資資産を金に交換することもできる

現物の裏付けがあるETFのなかには、投資資産を現物の金に交換できる銘柄があります。少額で投資を始めて、まとまった金額になったら現物で保有したいと考えている人は、そのような銘柄を選ぶとよいでしょう。

金ETFを現物に交換する際の注意点

金ETFを現物の金に交換する際には、以下の注意点があります。

金ETFを現物の金に交換する際の注意点1:交換時に手数料がかかる

金ETFを現物の金に交換する際には、運用会社や信託銀行に支払う、事務手数料や運送費用などがかかります。交換する現物の量によっては、手数料が大きくなるケースがあるため、あらかじめ確認しておくと安心です。

金ETFを現物の金に交換する際の注意点2:交換できる証券会社が限られる

金への交換は、指定された証券会社でなければできません。将来的に金への交換を検討している人は、指定の証券会社でETFへの投資を始める必要があります。

資産分散の1つとして金ETFを活用しよう!

金ETFは、少額から手軽に金投資できる金融商品です。現物の裏付けがあるETFを選べば、金の実物と交換することもできます。分散投資の1つとして金ETFを資産に組み入れ、有事にも強い資産形成を目指してみてはいかがでしょうか。