少額投資非課税制度であるNISA(ニーサ)は、コストを抑えた投資ができる制度です。主要ネット証券の1つである楽天証券には、NISA口座を開設するべき3つのメリットがあります。デメリットもあわせて解説しますので、確認しましょう。また、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAと3種類あるNISA口座の選び方を知り、あなたの投資スタイルに合った資産運用をスタートしましょう。

目次

  1. 口座数が400万を超えた楽天証券。3つの特徴を確認しよう
  2. NISA口座は3種類。投資スタイル別の選び方とは?
  3. 楽天証券でNISAを始めるメリットを3つ紹介。注意点は?
  4. 楽天証券のデメリット
  5. まとめ:楽天証券のNISA口座で将来に向けた資産形成を始めよう

口座数が400万を超えた楽天証券。3つの特徴を確認しよう

金融
(画像=Uladzislau/stock.adobe.com)

2019年、楽天証券は主要ネット証券における口座開設数第1位を獲得しました。2020年3月時点の口座数は400万を超えており、多くの投資家から選ばれる証券会社の1つとなっています。また、2020年3月に開設された口座のうち72.3%が投資初心者であることから、新たに資産形成を目指す人にも選ばれている証券会社だといえるでしょう。

このように、1999年にインターネットを専門とした証券業務を開始して以来、口座開設数を伸ばしてきた楽天証券にはどのような特徴があるのでしょうか。ここではまず、楽天証券の3つの特徴を紹介します。

楽天証券の特徴1:手数料が最低水準

楽天証券の特徴の1つめは、手数料が最低水準な点です。資産運用を成功させるには、利益の積み上げと併せて、コストを抑えることが重要です。投資において手数料は、コストとなります。そのため、楽天証券の手数料の低さは大きな魅力となっています。楽天証券における主な取引手数料を、表1に紹介します。

▽表1.楽天証券における主な取引手数料

商品の種類 手数料額(税抜き)
投資信託 購入時手数料無料
国内株式 超割コース いちにち定額コース
1回の取引金額に応じて手数料が決定する 1日の取引金額の合計に応じて手数料が決定する
5万円まで 50円 0円
10万円まで 90円
20万円まで 105円
50万円まで 250円
100万円まで 487円
150万円まで 582円 200万円まで:2,000円 300万円まで:3,000円 以降、100万円増えるごとに1,000円ずつ追加
3,000万円まで 921円
3,000万円超 973円
国内ETF(イーティーエフ:上場投資信託) 国内株式に準ずる。ただし、楽天証券指定の107銘柄は売買手数料無料
米国ETF 楽天証券指定の9銘柄は買付手数料が無料

楽天証券の手数料が低く抑えられている理由は、「ネット証券」だからといえます。ネット証券は、インターネット上で取引が完結するため、店舗や窓口を持ちません。店舗維持費や人件費を抑えられるぶん、手数料を低く設定できるのです。

楽天証券の特徴2:楽天ポイントが貯まる。ポイント投資も可能

楽天証券の特徴の2つめは、楽天ポイントと提携している点です。楽天グループのサービスを利用する機会が多い人は、資産運用にポイントを活用することもできます。

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・楽天ポイントは取引内容に応じて貯まる

楽天ポイントは、取引金額や残高に応じて付与されます。詳細は表2のとおりです。

▽表2.楽天ポイントが付与される主な取引

サービス名 詳細
ハッピープログラム (楽天証券と楽天銀行の口座連携(マネーブリッジ)への申し込みおよび、ハッピープログラムへのエントリーが必要) ・国内外の株式:売買手数料100円ごとに1ポイント
・投資信託:残高10万円ごとに4ポイント
・個人向け国債:買付3万円ごとに1ポイント
投信積立 楽天カードクレジット決済により投信積立(毎月5万円まで)をおこなった場合、100円につき1ポイント
投資信託資産形成ポイント (ハッピープログラムにエントリーしている場合、投資信託資産形成ポイントは付与されない) 投資信託を月初時点で50万円以上保有している場合、残高に応じて50~1,000ポイント

・保有する楽天ポイントでポイント投資ができる。楽天グループでの使用も可能

楽天ポイントは1ポイント1円として、投資信託や株式への投資額のすべてもしくは一部に利用できます。ポイント投資により、期限が迫ったポイントの活用や、リスクが高めの銘柄へのチャレンジなどができるでしょう。

また、貯まったポイントは楽天グループの他のサービスでの利用も可能です。楽天市場や楽天ブック・楽天トラベルなどの支払いに活用することはもちろん、楽天銀行の振込手数料や楽天モバイルの支払いなどにも利用できます。

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楽天証券の特徴3:取引ツールが無料

楽天証券の特徴の3つめは、スムーズな取引を実現できるツールが無料で提供されている点です。取引ツールの一覧を、表3で確認しましょう。

▽表3.取引ツールの一覧

対応端末 ツール名 取引できる商品
パソコン ・MARKET SPEED
・MARKET SPEED2
国内株式・米国株式・為替・日経225先物・オプション・海外先物
MARKET SPEED FX FX
・iMac
・Mac Pro
・Mac Book
MARKET SPEED for Mac 国内株(現物・信用)
・iPhone
・Android
iSPEED 国内株(現物・信用)・米国株
iSPEED FX FX
iSPEED 先物OP 先物・オプション
iPad iSPEED for iPad 国内株(現物・信用)

iPhoneユーザーは、ツールをダウンロードしたiPhoneとApple Watchを同期することで、株価や約定などのアラート通知を受けることもできます。

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NISA口座は3種類。投資スタイル別の選び方とは?

株や投資信託などによる資産運用をするなら、NISA(ニーサ)口座の活用も選択肢です。NISAとは、一定期間一定額以内の投資から得られる利益が非課税となる制度です。通常、投資から得られた利益には20%(2037年までは復興特別所得税がかかるため、20.315%)の税金がかかります。NISAを活用することで、コストとなる税金を抑えた複利効果が高い資産運用を目指せるでしょう。

NISAには、投資目的に合わせた3つの口座があります。ただし、開設できる口座数は1人1口座のみで、種類が異なる3つの口座を併用することはできません。NISAを利用する際には、それぞれの特徴を確認し、投資方針に合った口座を選ぶことが肝心です。

NISA口座1:株式への投資ができる「一般NISA」

一般NISAは、株式や投資信託・REIT(リート:不動産投資信託)・ETFなど、色々な金融商品への投資ができる口座です。一般NISAの概要を、表4で確認します。

▽表4.一般NISAの概要

項目 詳細
利用できる人 日本在住の20歳以上の人
非課税対象 投資信託や株などの運用で得られる譲渡益および配当金・分配金
非課税投資枠 新規投資額で毎年120万円
非課税期間 最長5年

一般NISAでは、投資から得た利益にかかる税金が5年間非課税になります。年間の非課税投資枠が120万円と多く、さまざまな銘柄に投資できるため、より積極的な資産運用に向いている口座といえるでしょう。

NISA口座2:投資信託の長期積立に特化した「つみたてNISA」

つみたてNISAは、長期での資産形成に特化した口座です。概要を表5で確認します。

▽表5.つみたてNISAの概要

項目 詳細
利用できる人 日本在住の20歳以上の人
非課税対象 金融庁指定の投資信託から得られる分配金・譲渡益
非課税投資枠 新規投資額で毎年40万円
非課税期間 最長20年

つみたてNISAの特徴は、金融庁が長期での資産形成に適していると認めた投資信託が非課税対象となっている点です。毎年の非課税投資枠は40万円までですが、非課税期間は20年と長く設定されています。つみたてNISAは、銘柄選定などの負担を抑えて少額ずつ、将来に向けた資産形成を目指せる口座といえるでしょう。

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NISA口座3:未成年者向けの「ジュニアNISA」

ジュニアNISAは、未成年者を対象とした口座です。未成年者が名義人となり、親権者である親や祖父母が資金の拠出および運用を行います。ジュニアNISAの概要は、表6のとおりです。

▽表6.ジュニアNISAの概要

項目 詳細
利用できる人 日本在住の0~19歳の人
非課税対象 投資信託や株などの運用で得られる譲渡益および配当金・分配金
非課税投資枠 新規投資額で毎年80万円
非課税期間 最長5年

子供の名義で資産運用をおこなうジュニアNISAは、学費など子供に必要な資産形成に適した口座といえます。なお、ジュニアNISAは2023年で制度が終了します。

楽天証券でNISAを始めるメリットを3つ紹介。注意点は?

NISA口座は、銀行や証券会社、ゆうちょ銀行といった金融機関で開設できます。では、楽天証券でNISA口座を開設するメリットには、何があるのでしょうか。

楽天証券でNISAを始めるメリット1:国内株式の売買手数料が無料

楽天証券でNISAを始めるメリットの1つめは、国内株式(現物取引)の売買手数料が無料になる点です。楽天証券のNISA口座内で国内株式を売買した場合、選択している手数料コースや取引金額に関係なく手数料が無料になります。これにより、手数料と税金の2つのコストを抑えた投資が可能です。

・海外ETFは買付手数料が全額キャッシュバックされる

NISA口座内で海外ETFを取引した場合、買付手数料が全額キャッシュバックされます。楽天証券では、アメリカ・中国・シンガポールETFの取り扱いがありますが、課税口座で取引した場合0.45~1%(税抜き)の手数料が必要です。NISA口座でのキャッシュバックを活用することで、海外資産を組み入れた分散投資もしやすくなります。

楽天証券でNISAを始めるメリット2:取扱商品数が多い

楽天証券でNISAを始めるメリットの2つめは、取扱商品数の多さです。取扱商品数が少ない場合、投資方針に合った銘柄に投資ができず、資産形成がスムーズに進まないケースも少なくありません。証券会社を決める際には、取扱本数の多さや、自身の投資方針に合った銘柄を取り扱っているかなどが重要になります。楽天証券の一般NISAで取引ができる銘柄数は、表7のとおりです。

▽表7.楽天証券の一般NISAで取り扱っている銘柄数

商品の種類 取扱本数
投資信託 2,590本以上
米国株式 約2,960銘柄
中国株式 約920銘柄
アセアン株式 約250銘柄
海外ETF 約363本

※投資信託取扱本数は2020/11/16時点、外国株式銘柄数は2020/10/15時点、楽天証券ホームページより引用

また楽天証券のつみたてNISA口座では、170本のファンドを取り扱っています。2020年11月17日現在、金融庁が選定しているつみたてNISA対象ファンド数は191本なので、そのほとんどへの投資が可能といえます。

楽天証券でNISAを始めるメリット3:100円以上1円単位で積み立てができる

楽天証券でNISAを始めるメリットの3つめは、100円から投資信託の積み立てができる点です。投資信託の最小投資金額は、販売会社により異なります。楽天証券では、100円から投資信託の投資ができるので、余裕資金が少ない人でもコツコツと資産形成を進めることができます。また、手持ちの資金のなかで少額ずつ複数のファンドへの分散投資ができるのも、100円から投資できるメリットです。

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楽天証券のデメリット

ここでは、楽天証券でNISAを始めるデメリットも紹介します。

ミニ株(単元未満株)の取り扱いがない点には注意

楽天証券でNISAを開設する際に知っておきたい注意点は、ミニ株(単元未満株)の取り扱いがない点です。ミニ株とは、単元未満で株式の売買ができるサービスです。通常、株式は単元株単位で取引されます。つまり、1株2,000円で単元株数が100株の銘柄の場合、最低投資額は20万円となるのです。

一方、ミニ株を利用すると1株から購入できるようになります。先述の例では20万円を用意する必要はなく、2,000円から株式への投資が可能になります。ミニ株のメリットは、少ない金額で株式投資にチャレンジできる点です。デメリットは、株主優待の対象にならないケースが多い点や、取引方法が単元株とは異なるなどの点です。ミニ株への投資を検討している場合には、楽天証券では売買ができない点には注意しましょう。

まとめ:楽天証券のNISA口座で将来に向けた資産形成を始めよう

主要ネット証券の1つである楽天証券は、手数料が低水準で取扱商品数が多い証券会社です。そのため、コストを抑え投資方針にマッチした資産運用を目指せます。非課税制度のNISAを活用すれば、さらに投資の効率化を図れます。将来に向けた資産作りを検討している人は、楽天証券で運用を始めてみてはいかがでしょうか。

文・N.ヤマモト
都市銀行にてファイナンシャルプランナーとして主に、富裕層の資産形成・運用相談を担当。投資信託や保険商品・債券・外貨預金の販売に携わる。その後はWEBライターとして、投資や資産形成についての情報を発信。子供の学費や老後資金作りのため、自らも20代から資産運用を続けている