日本が借金大国だという話はよく耳にしますが、実際の金額はどの程度か分からないという方も多いでしょう。今回は各国の債務残高から、日本がどのような状況にあるのかをランキング形式で紹介し、日本の現状を説明していきます。
世界の注目を集めたギリシャ危機
地中海の美しい観光地としても有名なギリシャですが、2015年に財政状況が悪化し、債務不履行でEU離脱騒ぎになったのは記憶に新しいところです。国債の償還ができず、デフォルト寸前まで陥りましたが、2010年から3度にわたる融資約2,566億ユーロを受けたことで、なんとか自力での再建を進めています。
しかしながら、諸外国に対する国債発行も、経済状態の不安定なギリシャ通貨が購入される可能性は低く、今後の経済政策が注目されています。そして、そのギリシャよりも数字が悪いのが日本です。日本の財政状態がどの程度悪いのかを各国の「債務残高」と「財政収支」とで比べ、GDP比率で見ていきます。
日本が最下位!各国の財政状況
日本の財政状態が良くないとよく言われますが、諸外国と比較してどの程度悪いのでしょうか。以下に、「財政収支」と「債務残高」の、2点に絞ったランキングを紹介します。
結果を見ると、債務不履行に陥りかけたギリシャよりも日本の「債務残高」が上にランクされていることが分かります。また、各国の債務残高を見ると、前年度よりも改善されている年があるのに対して、日本は毎年着実に債務残高が増加していることが分かります。
ヨーロッパでは共通通貨のユーロを利用しており、ギリシャには自国通貨が存在しないため、新規紙幣を新たに流通させることができません。そのため、財源を確保するには、国債などを諸外国に販売する必要があります。
そう考えると、自国通貨を発行できる日本がいかに芳しくない状況にあるのか、お分かりいただけるでしょう。
●主要国における債務残高(対GDP比)
(出典:財務省HPより)
今後も日本の国力は落ちてくる。数字から見る日本の状況
日本の国債残高は毎年増え続けています。財務省の「公債残高の累増」によると、2018年度末の普通国債残高は883兆円に上ると見込まれているそうです。 また国債残高は今後も上昇していく可能性が高く、金額も上がってくることでしょう。社会保障制度についても、日本は大きな問題を抱えています。高齢化に伴い社会保障給付費が保険料収入を上回り続けており、差分を公費負担(税財源として扱われる負担)として割り当てられ、将来の財源を食いつぶしているというのが現状です。
資産を守るための方法を考えておく
まだ生活に直結するような大きな問題が起きていないこともあり、これからも安定した生活ができると思っている方もいると思います。しかし、国債残高の増加や少子高齢化の進行は数字にも表れています。将来の不安をなくすために資産運用をしようにも、元本が保証されている金融商品では、十分なリターンを得ることは難しいかもしれません。
将来的に円の価値が目減りする可能性を考えると、海外の通貨や金融商品である「債券」「外国株式」などの外貨を用いた「海外資産運用」をおすすめします。これにより、日本にもしもの事態が発生したとしても、資産を守ることができます。未来がどうなるか分からないからこそ、リスクヘッジの1つとして「海外資産運用」を検討してみてはいかがでしょうか。
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