新型コロナウイルスの影響で、急に収入が減ったり仕事を失ってしまったりして、ローンの返済に困る人が増えています。国や金融機関はそんな方向けの救済策を用意しています。「楽天のローンを利用中だけど、返済が厳しい……。」という場合の対処法について解説します。
楽天銀行でローンの支払いに困ったら?まずは専用の相談窓口に連絡しよう
楽天銀行で借りているスーパーローン(カードローン)、住宅ローン、不動産担保ローン、教育ローンなどの支払いが難しい状況になってしまったら、できるだけ早い段階で楽天銀行側に連絡を入れて相談することが大切です。
楽天銀行では、新型コロナの影響を受けた方専用の相談ダイヤルを開設しています。
・個人向けローンの電話相談:0120-638-411(フリーダイヤル)
・受付時間:平日9時~17時
支払いができないまま、連絡をせずに期日を過ぎてしまったり、楽天銀行からの連絡を無視してしまったりするのは避けましょう。
返済が難しいと伝えるのは気が引けるかもしれませんが、「返済する意思はある」としっかり誠意を見せることで、銀行側も安心して返済条件の融通を利かせてくれたり督促の電話をかけるのをやめてくれたりします。
コロナ禍で楽天銀行のローン支払いが間に合わないときの対処法
ローンの返済が難しいと感じたときは、以下のような対処法があります。
専用の相談窓口に連絡して支払い方法を変更する
楽天銀行の専用の相談ダイヤルに連絡すれば、以下のような対応をしてもらえる可能性があります。
・1回あたりの返済額を少なくする
・返済期日を変更する
・ボーナス払いの有無を変更する
・一定期間だけ利息分の返済のみで可とする
・事業性ローンなら無利子・無担保での追加融資 など
どんな対応ができるかは金融機関や借りているローンによっても違います。
国は、各金融機関に対して「新型コロナで困っている人には迅速かつ柔軟な対応を取るように」という通知を出しています。通常よりも必要な書類が少なく済んだり有利な条件変更が可能になったりする場合も多いので、まずは電話で相談してどんな対応をしてもらえそうか確認しましょう。
行政が行っているサポートを利用する
国や自治体などもさまざまな支援を行っています。どうしても支払いが難しいときはこうした支援制度の活用も検討しましょう。主な制度として下記の3つを紹介します。
・生活福祉資金の特例貸付
・自然災害による被災者の責務整理に関するガイドラインの特則
・住宅確保給付金
・生活福祉資金の特例貸付
新型コロナの影響で収入が減って生活が苦しくなった方向けに、国が無利子でお金を貸してくれる制度があります。「緊急小口資金」は最大20万円まで、「総合支援資金」は最大20万円×3ヶ月=60万円まで借りられます。市区町村の社会福祉協議会で申し込むことができますよ。
・自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインの特則
もともと災害に遭った方向けに「ローンの免除・減額」ができる制度があったのですが、それが新型コロナの影響を受けた方でも適用できるようになりました。
従来の「債務整理」に近い手続きですが、弁護士などのサポートを無料で受けられる点や、この制度を利用した履歴が信用情報機関に残らないなどの点が特徴です。利用したいときは最も多額のローンを借りている金融機関に相談します。金融庁の相談ダイヤル(0120-156811)もあります。
・住宅確保給付金
収入が減ったことで家賃が払えないなど、住居を失う可能性がある人が受け取れる給付金です。原則3ヶ月、最長9ヶ月に渡って家賃相当分を受け取れます。住宅ローンが返済できず売却される予定の方なども利用できる場合があります。住居費という大きな支出の負担を減らせます。
このほか、学生のいる世帯向け、ひとり親家庭向け、各自治体の独自制度などさまざまな支援があります。内閣官房のコロナ対策公式サイトや市区町村の広報誌などで調べられますので、何か利用できるものがないかくまなくチェックしてみましょう。
ローンの支払いができない場合に起こること
ローンの支払いができないまま放置していると、どんどん自分にとって不利な状況になっていく可能性があります。具体的に、下記のようなことが起こるといわれています。
<ローンの支払いができない場合に起こること>
1.遅延損害金を支払うことになる
2.自宅や職場に督促の電話がかかってくる
3.督促状や催告状が届く
4.家や車、給与など財産が差し押さえられる
5.信用情報に傷が付いて、ほかのローンやクレジットカードが利用できなくなる
1.遅延損害金を支払うことになる
約束の期日までに決められた金額を返済できない場合、通常の元本返済や利息だけでなく「遅延損害金」というペナルティのようなお金を支払う必要が出てきます。楽天銀行の場合、遅延損害金はスーパーローンで年19.9%、住宅ローンで年14.5%、教育ローンで年14.6%と、通常より高金利です。
2.自宅や職場に督促の電話がかかってくる
こちらから連絡を入れず、携帯への連絡も無視していると、自宅や職場などに督促の電話がかかってくる場合があります。
3.督促状や催告状が届く
上記の2の状態からさらに無視し続けると、「早く支払って」という内容の督促状や催告状などの郵便物が自宅に届きます。
4.家や車、給与など財産が差し押さえられる
それでもまだ返済しない場合は、最終的に裁判所を通して「差し押さえ」が実行されます。車など換金できる財産を没収されたり、勤務先の給与から返済分が天引きされたり、住宅ローンなら家が競売にかけられて住めなくなったり、強制的に返済させられることになります。
5.信用情報に傷が付いて、ほかのローンやクレジットカードが利用できなくなる
長期に渡って返済が滞った、債務整理や自己破産などをしたといった事態になった場合、信用情報機関というところにそのデータが残ります。
そのデータは、ローンを借りるときやクレジットカードを作るときに金融機関が必ずチェックしますので、返済できなかった記録があれば審査に通過しにくくなり、新たにローンやクレジットカードを利用するのが難しくなります。
コロナ禍における資金不足を可能な限り回避する方法3点
「どうしてもお金が足りない……!」という事態を打開するためにできることを、3つにわけてご紹介します。
支援制度をフル活用する
先述のとおり、コロナで困っている人向けの支援策はいくつも用意されています。給付金を受け取れたり無利子でお金を借りられたり無料で相談できたり、苦境を乗り切るために使える制度もある一方、まだあまり知られていない制度も多いです。自分で情報を集めてフル活用しましょう。
支出を見直す
出ていくお金を減らせば、家計に余裕を生み出しやすくなります。「もうすでに節約できるところはしている」という方も多いかもしれませんが、本当にもうこれ以上削れるところはないのか今一度確認してみましょう。
食費のようにお金の支払いのたびに意識するものだけでなく、スマホ代や保険料など毎月一定額の引き落としになっているものにも目を向けて見直せないか検討しましょう。
収入を増やす
給与をすぐに増やすのは難しいかもしれません。ただ、不要なものを売るとか、空いた時間で別の仕事をするとか、自分のスキルを活かせる場を探すとか、入ってくるお金を少しでも多くするためにできることを考えて実行しましょう。
コロナで返済に困ったら、まずは銀行側に相談を
最もやってはいけないのは、返済期日を過ぎても連絡を入れずに放置することです。「返済できないかも……」と感じたらすぐに楽天銀行に電話して相談しましょう。
コロナ禍は、誰にとっても予期せぬ事態で困っている人が数多くいます。国も金融機関もコロナで困っている人専用の支援策を用意していますので、うまく頼りながらしのいでいきましょう。
文・馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)
関西学院大学商学部卒業後、銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。
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