ETFは比較的新しい投資商品だが、さまざまなメリットがあるため、関心を持つ人が増えている。

この記事では、ETFの特徴やメリット・デメリット、取り扱う証券会社について徹底解説する。

ETFとは? 投資信託や個別株とどう違う?

投資商品ETF
(画像=PIXTA)

ETFは、英語の「Exchange Traded Funds」を略したものだ。日本語では「上場投資信託」と呼ばれている。上場投資信託という名称が示すように証券取引所に上場している投資信託のことをETFという。一般の投資信託との大きな違いは、上場しているかどうかだ。

ETFは、一般の投資信託と同じように、専門家が投資家から資金を集めて運用を行う。そのため株式の詳細な知識がない人でも購入しやすいというメリットがある。そのほかに、一般の投資信託とETFとの相違点には「売買方法」と「取引時間」がある。それぞれについて詳しく見ていこう。

売買方法

証券取引所に上場しているETFの場合は、証券会社を通して売買を行うことができる。一方、非上場の投資信託の場合、売買の方法は幅広い。証券会社だけでなく銀行などでも取り扱っている。

取引時間

取引時間についても証券取引所に上場しているかどうかで異なる。ETFや個別株は、証券取引所に上場しているため、証券取引所の取引時間内で取引を行う。国内の場合、平日の9:00~11:30と12:30~15:00が取引時間となる。投資信託は、必ずしも証券取引所の取引時間内に縛られる必要はない。販売会社によってそれぞれに取引時間が決められているため、確認が必要だ。

ETFの3つのメリット

ここからは、ETFの代表的なメリットを3つ見ていこう。

手軽に分散投資できる

ETFの代表的なメリットの一つは、手軽に分散投資ができる点だ。ETFには、株価指数連動型のように日経平均株価やTOPIXなどの株価指数と連動しているものがある。株価指数と連動しているため、市場全体に投資しているのと同じ効果を得ることが可能だ。市場全体の個別株すべてを購入するとなると莫大な金額が必要となるがETFでは、比較的少額で分散投資ができる。

信託報酬が低いなど低コスト

信託報酬が低いなどの低コストであることもETFの代表的なメリットである。ETFでかかるコストは、大きく分けて売買手数料と信託報酬がある。売買手数料とは売買をするたびにかかってくる委託手数料のことで金融機関によって異なる。ただしネット証券の普及などとともに売買手数料自体が低くなってきているため、コストとしては抑えられている。

信託報酬とは、簡単に言うと運用会社や信託銀行などに支払う運営費用のこと。基本的には、信託財産から間接的に差し引かれている。ETFは、投資信託に比べて信託報酬が低く設定されているため、低コストとなっている。

売買のタイミングを逃さず投資できる

ETFは、証券取引所の取引時間中であればいつでも取引が可能だ。また指値注文や成行注文といった個別株式の購入と同じ方法で売買することができる。相場を見ながら注文を出せるため、売買のタイミングを逃さず投資できる点はメリットだ。しかもETFは指数の動きに連動するようになっているため、値動きが分かりやすいことも売買のタイミングを逃さず投資できる理由の一つとなっている。

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ETFを選ぶ際のチェックポイント

ここからは、実際にETFを選ぶ際の8つのチェックポイントについて見ていこう。

安定性はどうか:純資産総額

ETFを選ぶ際にまず確認したいのが「対象銘柄の安定性がどうなっているのか」ということだ。安定性が高ければ良い運用状態が続いていることを意味するため、突然損失を出すリスクはより少なくなるだろう。ETFの安定性は、純資産総額で確認する。ETFの銘柄詳細画面を見ると対象商品の純資産総額が記載されているだろう。

純資産総額が大きければ大きいほどリスクを分散できるため、運用の安定性があるといえる。

対象指標

ETFは、さまざまな指標に連動して運用される。例えば日経平均株価やTOPIXに連動するものもあれば米国のダウ平均株価や中国の上海50指数に連動しているものなどさまざまだ。また、先物取引のように金や銀、穀物などに連動しているものや不動産投資信託(REIT)などもある。ETFの銘柄詳細画面を見るとどの指標を対象としているのかが記載されているため、必ず確認しておきたい。

まずは、日経平均株価やTOPIXなど慣れている指標のものを選ぶのも良いだろう。

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いくらで購入できるか:取引値や取引単位

「ETFにいくら投資するのか」ということも重要だ。ETFをいくらで購入できるのかを知るためには、取引値や取引単位を確認する必要がある。取引値(市場価格)は1口あたりの金額、取引単位は購入するために最低何口の購入が必要かを示すものだ。取引値(市場価格)と取引単位を乗じたものが購入できる価格(買付金額)となる。

手数料はいくらか:信託報酬率

ETFでは、運用や管理のための保有コストである信託報酬がかかる。ただし銘柄詳細画面では、信託報酬金額がそのまま記載されるのではなく、0.1%など信託報酬率で表示されるのが一般的であるため、手数料の低いETFを選ぶ場合は、信託報酬率を確認したほうがよいだろう。

出来高や売買代金が多いETFを選ぶ

ETFを自分の好きなタイミングで売却するには、出来高や売買代金などを確認したうえで流動性の高いETFを選択することが必要になる。

乖離率の小さいETFを選ぶ

ETFは、上場株式と投資信託の両方の性質を持つ投資商品だ。上場株式は市場価格、投資信託は基準価額の2つの影響を受けるため、ETFの価格が本来の投資信託としての価値よりも乖離してしまうことがある。この乖離する割合を乖離率という。乖離率が小さいほど本来の価値に近い価格で運用されている、つまり運用がうまくいっている商品であることを示す。

ETFを選ぶ際には、乖離率の小さいものを選んだ方がよいだろう。

チャートもチェックする

ETFも株価と同じように相場の動向から株価を予想することも可能だ。この場合は、チャートをチェックして予想する。証券会社には、チャートをチェックできるツールも充実しているところも多いため、積極的にツールを利用するのもよいだろう。

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ETF投資におすすめ証券会社10選

ETFは、多くの証券会社で取り扱われている。ここでは、その中からおすすめの証券会社を10社紹介していく。

SBI証券

ETF取り扱い銘柄が多いことで有名なのがSBI証券である。2021年3月22日時点、SBI証券は、ネット証券の中で口座開設数第1位のため、信頼が高い。また手数料が安いことも特徴だ。インターネットコースのインターネット取引なら国内ETFの現物手数料、信用取引手数料がどちらも0円となっている。

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楽天証券

口座開設数を急激に伸ばしているのが楽天証券だ。楽天証券は、新規口座開設数が3年連続業界トップ(2020年時点)であり、新たに投資を始めようとする人から大きな支持を得ている。現物取引手数料は、業界最低水準でポイントバックも魅力的。手数料0円ETFの対象銘柄なら現物取引、信用取引にかかわらず売買手数料が0円となっている。

LINE証券

スマホを使って簡単に投資できるのがLINE証券である。「最低100円から投資できる」「LINEポイントが使える」「積立投資に対応している」などETF初心者でも使いやすく設計されているのが特徴だ。

DMM.com証券

手数料が業界最安値水準なのがDMM.com証券だ。25歳以下の場合は、現物取引手数料が実質0円となっている。初心者にも安心な平日24時間サポートもあるため、ETF初心者でも安心だ。

松井証券

証券会社の老舗である松井証券でもETFの取り扱いをしている。手数料もシンプルな定額手数料制度なので安心だ。25歳以下なら現物取引手数料が0円のほか、26歳以上でも1日の約定代金が50万円までなら0円のため、安心して取引できる。

マネックス証券

お手ごろな手数料と充実した商品・サービスで有名なのがマネックス証券である。マネックス証券のETFでは取引ごともしくは一日定額の2つの株式売買手数料を用意しているため、取引スタイルに合わせて適切な手数料のコースを選べるのが特徴だ。ETFの分配金利回りや信託報酬が一目瞭然のツールもあるため、分かりやすい。

auカブコム証券

フリーETFで有名な証券会社がauカブコム証券である。フリーETFとは、指定されたETF銘柄の売買手数料(現物、信用)を無料とするサービスのことだ。キャンペーンではなくずっと無料であるため、安心して取引できる。また業界屈指の「自動売買」を活用できるため、ETF初心者でも安心だ。

SMBC日興証券

SMBC日興証券は、少額からETF取引をすることができる証券会社だ。投資サービス「日興フロッギー」を利用すれば100円からETFをすることができる。100万円以下の買いの場合は、売買手数料がかからないほか、さまざまな場面でdポイントが貯まったり使えたりするなど、お得にETF取引をすることができるため、魅力的だ。

GMOクリック証券

FX取引高トップで有名なのがGMOクリック証券である。ETFにおいてもレバレッジ型に力を入れているため、レバレッジ型のETF取引をしたい人には、ぴったりの証券会社だ。

岡三オンライン証券

岡三証券グループのネット証券会社が岡三オンライン証券である。岡三オンライン証券のETFは、世界中の株価指数に加えて原油や金のコモディに連動した銘柄がそろっていることが魅力。さまざまな指標でETF取引をしたい人にはおすすめの証券会社である。

ETFの3つのデメリット

ETFには、もちろんデメリットもある。ここでは、代表的なデメリットを3つ紹介する。

購入したときの価格と実際の価格が違う(乖離率)

ETFは、市場価格と基準価格の2つの影響を受けるため、購入したときの価格と実際の価格が乖離してしまうデメリットがある。乖離率をしっかり把握して売買をしないと思わぬ損がでてしまうことがあるため、注意が必要だ。

自動で積立できない場合も

ETFは、原則自分でリアルタイムに取引を行うため、自動で積立投資ができないデメリットがある。ただし証券会社によっては自動積立できる証券会社もあるため、自動積立したい場合は、自動積立できる証券会社を選ぶことが必要だ。

分配金の再投資は自動ではない

ETFは、投資信託の特徴を持つため、一定期間ごとに分配金が支払われる場合がある。投資信託は分配金を自動で再投資することが可能だ。しかしETFは分配金を自動で再投資することができず、手動で再投資する必要がある。そのため分配金を最低購入金額まで貯める必要がある点はデメリットだ。

分散投資をしたいなら、ETFを始めよう

ETFは、日経平均株価やTOPIXなどの株価指数と連動しているため、手軽に分散投資をすることができる。少額からETF取引ができる証券会社もあるため、ETFに興味があるならまずは少額からでも始めてみてはいかがだろうか。