効率の良い老後資金の形成を目指すのであれば活用したい制度であるiDeCo(個人型確定拠出年金)。掛け金や運用商品、税制上の取り扱いなど制度の仕組みが法律で決められており、どの金融機関で加入しても大枠は同じだ。

ただ、金融機関によって手数料や選択できる金融商品が異なる。一つの金融機関でしか加入できない決まりがあるため、金融機関選びは大切だ。この記事では、楽天証券でiDeCoに加入するメリットや加入方法、始め方などについて解説する。

iDeCoを始めるための基礎知識

楽天証券,iDeCo
(画像=PIXTA)

まずは、iDeCoの基礎知識について理解しておこう。

iDeCoとは

iDeCo(イデコ)とは、公的年金の不足を補完する目的で創設された私的年金制度である。毎月決まった掛け金を拠出および運用し60歳以降に年金または一時金として受け取る制度だ。毎月拠出できる金額は、公的年金の被保険者区分によって上限額が決められている。ただし会社員(第2号被保険者)は、会社の企業年金制度の有無などで金額が異なるため注意したい。

ちなみに公的年金の被保険者区分とは、以下のように第1号~第3号被保険者の3つだ。

被保険者区分 就業状態 拠出上限月額
第1号 自営業者・フリーランス・20歳以上の学生 6万8,000円
(年額81万6,000円)
第2号 会社員 企業年金制度なし 2万3,000円
(年額27万6,000円)
企業型確定拠出年金に加入している 2万円
(年額24万円)
企業年金に加入している 1万2,000円
(年額14万4,000円)
公務員等 1万2,000円
(年額14万4,000円)
第3号 専業主婦(夫) 2万3,000円
(年額27万6,000円)

加入資格により上限額は決められているが毎月最低5,000円以上1,000円単位で設定することができる。また2018年からは、年1回以上任意に決めた月にまとめて拠出することもできる。例えば、6月と12月の年2回と決めてまとめて払い込むこともできる。

iDeCoで運用した将来の受取額は、自分で選択した金融商品の運用結果で決まる。うまく運用できれば将来の受取額が大きく増える可能性も期待できるというわけだ。しかし、当然受取額が少なくなる可能性もあるため、年金額は60歳になるまで分からないことは押さえておきたい。具体的な金融商品は、iDeCoを取り扱いしている金融機関によって内容が異なる。

選択できる金融商品は、大きく分けると定期預金や生命保険などの「元本確保商品型」「投資信託型」の2つ。大きな運用成果を期待するのも良いが、大切な老後資金とするために運用商品も慎重に選ぶことが賢明だ。複数の運用商品を選んでも良いため、元本確保商品と投資信託をバランス良く組み合わせたり状況に応じて組み替えたりすると良いだろう。

つみたてNISAやNISAとの違い

投資信託などを毎月一定額ずつ購入しながら運用していく制度には「つみたてNISA」もある。つみたてNISAは、毎年40万円までの範囲で「公募株式投資信託」と「上場株式投資信託(ETF)」を定期的に積み立て運用していき、その運用によって得られる分配金や売却益などが最長20年間非課税になるというものだ。毎年40万円までという制限はあるものの、iDeCoのように公的年金との関係性はない。

しかし、iDeCoは、いったん加入すると原則60歳になるまで払い出しができない。つみたてNISAやNISAは、払い出し(売却)制限はないため、どうしても必要となったときの換金性は高い。それぞれの商品の特徴を押さえたうえで資産形成目的に応じて選ぶようにしよう。

iDeCoにするとこんなにお得(メリット)

iDeCoは、公的年金の不足を補う目的でできた制度だ。iDeCoに加入する人のために以下の3つの税制メリットが設けられている。それぞれのメリットを上手に活用していこう。

・掛け金全額が所得控除の対象となる

iDeCoに加入して拠出する掛け金は全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除の対象となり所得税や住民税の節税が期待できる。例えば、会社員で毎月上限2万3,000円まで拠出できる人が限度いっぱいに拠出すれば所得金額から27万6,000円(2万3,000円×12ヵ月)を差し引くことができるのだ。

仮に所得税率が20%(課税所得330万円~694万9,000円までの人)とすると所得税で約5万5,200円の節税となる。住民税は、税率が一律10%のため、約2万7,600円の節税だ。つまり合計約8万2,800円が年末調整で還付されることになる。

毎年の所得額が変われば実際に節税できる金額も変わってくるが、60歳まで所得控除が活用できる点は、資産形成するうえで大きなメリットといえるだろう。

・運用期間中の利益が非課税になる

定期預金の利子や投資信託の運用などで得た収益に税金がかからないこともメリットだ。一般的に定期預金や株式、投資信託などで得た収益には20.315%(復興特別所得税を含む)の税金がかかる。iDeCoでは、本来課税される分も合わせて再投資されるため、より大きな複利効果が期待できるのだ。60歳までの長い運用を考えると効率良く老後資産を増やすことが期待できるだろう。

・受け取り時に公的年金等控除もしくは退職所得控除が使える

iDeCoは、60歳以上になったとき年金や一時金として受け取ることを選択できる。年金として受け取る場合は、他の公的年金と合算して公的年金等控除が適用され、公的年金等控除額は受給者の年齢や公的年金等の収入金額により異なる。

つまり年間の受取額がこれらの金額以下であれば税金はかからないことになる。また一時金として受け取る場合は「退職所得控除」の対象だ。退職所得控除は、勤続年数(加入期間)によって異なるが加入期間が長くなるほど控除額も増えて節税効果が大きくなる。実際には、iDeCoの受取額やその他の所得で税額が決まるが公的年金等控除および退職所得控除も控除額が大きいため税金の低減効果を期待できそうだ。

iDeCoを選ぶ前に注意しておきたい点(デメリット)

iDeCoに加入する際の注意点も知っておこう。先述したように、いったん加入すると原則60歳までお金を引き出すことはできない。節税効果の恩恵を上限まで受けようとして掛け金を上限額とするのも方法の一つだ。しかし、教育資金やマイホーム購入資金など老後資金以外の必要資金も考えずに拠出して後々家計困難に陥るのでは元も子もない。

60歳までのマネープランをしっかりと検討したうえで拠出額を決めることが大切だ。また、元本が確保されていない投資信託は、価格変動リスクも伴う。60歳までの運用期間の中では、価格が上がるときもあれば下がるときもある。また、60歳の受給できるころになって年金原資が下がる可能性もあるかもしれない。

そのため常時運用状況を確認しながら元本確保型商品の割合を増やすなど運用商品の組み替えなども行うことが必要だ。

iDeCo口座を選ぶときに重視したいポイント

税金面でメリットの大きいiDeCoだが、実は手数料がかかり拠出金や積み立て資産から差し引かれる点は、しっかりと押さえておきたい。なおiDeCoは、一つの金融機関で加入申し込みをするが加入者が払い込んだ拠出金の管理や年金支給などのとりまとめ事務は、国民年金基金連合会が行うことになっている。

そのため手数料には、運営管理機関(申込みをした金融機関)だけでなく、国民年金基金連合会に支払う手数料と資産管理をする信託銀行に支払う手数料もあるのだ。例えば、国民年金基金連合会に支払う手数料としては、加入・移換時に支払う手数料と加入者手数料がある。加入・移換時手数料は、初回のみの支払いだが、加入者手数料は掛け金納付の都度105円徴収される。

これらの手数料は、iDeCo制度を管理・運営するための事務上必要なものである。一方、運営管理機関に支払う運営管理手数料はiDeCoを運営するうえで金融機関が加入者に提供するサービスへの対価としての意味を持つ。サービスの内容や充実度は金融機関によって異なり、それに応じて手数料水準も違う。

高い手数料が引かれて積み立て資産が目減りしないよう手数料体系などをきちんと確認し、金融機関を選ぶようにしたい。

iDeCoで楽天証券を選ぶメリット

それでは、ここで楽天証券を選ぶメリットについて見ていこう。

メリット1:手数料が安い

楽天証券でiDeCoに加入するメリットとしてまず挙げられるのが手数料だ。前述したように手数料には「国民年金基金連合会」「運営管理機関(金融機関)」「信託銀行」に支払う手数料がある。このうち楽天証券では、楽天証券自身が徴収する「運営管理手数料」が無料だ。具体的に見ると楽天証券でiDeCoに加入したときの手数料は、以下のようになっている。

手数料発生時期 手数料支払い先 金額
口座開設時(初回のみ) 国民年金基金連合会 2,829円
口座管理手数料(月額) 国民年金基金連合会 105円(※)
楽天証券 0円
信託銀行 66円
給付時(1回当たり) 信託銀行 440円

※拠出区分が(月ごと)の場合。上記はすべて税込み金額

毎月かかる口座管理手数料のうち楽天証券は、自社の手数料を0円としている。ちなみに残高や積立額、期間にかかわらず条件なしで誰でも無料だ。この部分の手数料は、金融機関によってさまざまだが仮に月額259円かかり30~60歳まで30年間毎月支払うとすると合計9万3,240円も違ってくる。この差を見ると楽天証券の手数料体系は魅力といえるだろう。

メリット2:商品が低コストでハイパフォーマンス

2つ目のメリットは、楽天証券がiDeCo加入者に提供する金融商品には、低コストでパフォーマンスの良い商品がそろっていることだ。楽天証券では、2021年5月時点で定期預金1本ほか、投資信託31本を提供している。このうち投資信託では、国内外の株式や債券、REITなど、さまざまなファンドをバランス良く取りそろえており、長期的に安定した運用を期待できる投資信託を厳選している。投資信託での運用には、信託報酬などのコストもかかるが低コストなものがそろっている点は大きなメリットだ。

メリット3:楽天サービスとの連携

楽天と聞けば楽天ポイントをイメージする人も多いのではないだろうか。楽天証券でiDeCoに加入する場合にも楽天サービスと連携することができる。例えば、家族や友だちを紹介し、紹介された人が紹介日から5ヵ月以内に総合口座を開設すると紹介者と紹介を受けた人双方に200ポイントが付与される。楽天ユーザーにはうれしいメリットだろう。

メリット4:資産管理しやすい

iDeCoのほかにもさまざまな資産運用をしたいと考えている人もいるかもしれない。楽天証券口座を開設していればこれらのさまざまな証券資産を一つのIDで管理することができる。掛け金の配分比率を変えたり保有商品を入れ替えたりするなどもオンライン上で簡単に操作ができるため、資産管理がしやすくなるのはメリットだろう。

いくつものIDやパスワードがあふれる世の中、管理のしやすさは押さえておきたいポイントではないだろうか。

iDeCoで楽天証券を選ぶデメリット

手数料や商品ラインナップ、管理のしやすさ、楽天サービスとの連携などさまざまなメリットの多い楽天証券。iDeCoで楽天証券を選ぶデメリットは、特に見当たらないがあえて挙げるとすれば他金融機関から楽天証券に移換する際に市場が高騰する可能性があることだ。市場が高騰してしまえば高い価格で投資信託を購入しなければならないため、その後の利益幅も小さくなる可能性がある。

そのため移換する際には、市場の状況もしっかりと見ながらタイミングを計ることが大切だ。また、先に楽天ポイントについて紹介したが、iDeCoは投信積立ポイントや投信残高ポイントの対象外である。ポイントを期待してiDeCoに加入する場合には注意が必要だ。

楽天証券でiDeCoを始める方法

では、iDeCoを楽天証券で始めたいと思ったときにどうすれば良いのだろうか。楽天証券でiDeCoに加入するには、大きく分けて以下の2つの方法がある。

・新規加入
・他金融機関からの移換

このうち新規加入は、これまでまったくiDeCoに加入したことのない人が初めてiDeCoを申し込む場合とこれまで企業型確定拠出年金に加入していた人が転職や退職などによりiDeCoへ移換する場合だ。この場合には、以後の掛け金を個人で拠出したり掛け金を拠出せずに運用指示だけ行ったりすることもできる。

また、他の金融機関(運営管理機関)ですでにiDeCoに加入しておりその資産を楽天証券へ移換し、新たに楽天証券で拠出を続けることも可能だ。どの方法かによって手続き方法が変わるため、しっかりと確認することが大切だ。

iDeCo口座開設手順

ここでは楽天証券でiDeCoに新規加入する場合の手順を見ていこう。申し込みは「Webサイト上で行う」「申込書で行う」の2つがある。ここでは、Webサイト上で行う方法を紹介していく。口座開設は、以下の3つのステップでできて簡単だ。

ステップ1:Webサイト上で加入者情報を入力する**

加入者情報では、公的年金の基礎年金番号が必要だ。年金手帳やねんきん定期便など基礎年金番号が分かる書面を手元に用意しておこう。

ステップ2:Webサイト上で申込情報を入力する

ステップ1で加入者情報を入力するとメールが送られてくる。メールに記載のURLをクリックし画面に従って掛け金などの申込内容を入力していこう。一通り入力が済んだら必要書類をアップロードし提出する。会社員や公務員の人は「第2号被保険者用の事業主証明書」が必要だ。

証明書は、勤務先の人事部などで記入してもらうことが必要となるため、手続きを急ぎたい場合はあらかじめ準備しておきたい。また楽天証券に口座がない人は、本人確認書類(免許証、パスポートなど)も必要だ。必要書類を提出したら掛け金引き落し銀行設定を行う。引き落し銀行として設定できる金融機関は決められているため、楽天証券のiDeCo申込ページで事前に確認しておこう。

ステップ3:手続完了、各種書類到着

ステップ2の手続きが終わった後は、国民年金基金連合会の審査が行われる。審査といってもローン審査などとは異なり「加入資格と申込掛け金額が合っているか」「重複して加入していないか」などの確認となるため不安を感じる必要はない。ただし手続き完了まで1~2ヵ月程度かかる。申込後すぐに拠出できるわけではないので余裕を持って申し込むことが必要だ。

加入審査が完了すると国民年金基金連合会および運営管理機関から書類が郵送で届く。60歳で年金を受給開始するまで必要な書類なので大切に保管しておこう。運営管理機関からは「口座開設のお知らせ」と「コールセンター/インターネットパスワードの設定のお知らせ」送られてくる。手元に届いたら管理画面にログインし初期設定等をすれば完了だ。

iDeCoのメリットを活用し、上手に老後資産を形成しよう

毎月決まった掛け金を拠出および運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取れるiDeCoは、以下の3つの税制メリット受けることができるだけでなく、老後資金を効率良く形成できる金融商品の一つだ。

・掛け金が全額所得控除の対象
・運用益が非課税
・受給時に公的年金等控除や退職所得控除が使える

しかし、加入にあたって拠出金額や加入できる金融機関などさまざまな決まりがあるため、実は金融機関選びが重要だ。今回、iDeCo加入で楽天証券を選ぶメリットを中心に、紹介したがお得な手数料体系や魅力のある運用商品を提供している楽天証券でiDeCoを始めてはいかがだろうか。